重 賞 予 想 回 顧（４０）

   第６回  秋 華 賞（Ｇ�T）予 想

　　『枕草子』の第百四五段に【胸つぶるるもの、競馬見る。】という一節がありますが、
　これは作者の清少納言が「はらはらどきどきするもの」の代表的な例として、当時の競べ
　馬を描いたものです。日本の競べ馬の起源は古く、およそ７世紀ぐらいまで遡る事ができ
　るそうです。当初は、端午の節句の行事として、主に宮中内で行われていたようですが、
　その後は、神社、寺院などで五穀豊穣を占う儀式として受け継がれてきたそうです。当時
　の競技方法は、原則的に２頭立てのマッチレースで、そのお互いの優劣により、日照りが
　多いとか、雨が多いとかを占っていたのが基本とのこと。さて今から一千年前の清少納言
　も、胸躍らせて見ていた競べ馬。これから秋のＧ�T戦線も本格的に始まり、我々２１世紀
　の競馬ファンも、胸躍る日々が続きます。
　　そこで今週の秋華賞で本命にする馬ですが、前走オークス３着のテイエムオーシャン
　を指名しました。もちろん、過去５回のうち４回が万馬券決着という波乱のＧ�Tですが、
　今年は、春の既成勢力で堅く収まると見ています。その中でも、桜花賞馬のテイエムオー
　シャンは、オークス以来５ヵ月ぶりの出走ですが、スピード能力に関しては、他馬の追随
　を許さない実力馬。中間の状態も絶好調のようで、ローテーションも予定通り。エリ女も
　視野に入る同馬にとって、ここは単なる通過点か。
　　そして対抗にする馬ですが、前走紫苑Ｓ１着のレディパステルをピックアップしまし
　た。オークス優勝後、４ヵ月ぶりの出走となった前走では、道中中団キープから直線では
　力強く抜け出して上々の滑り出し。仕上がり具合も８０〜９０％の出来だったとのことで
　本番での上積みは問題なし。今回の２０００�bの距離も、中団から楽に先行して抜け出す
　勝ちパターンに持ち込めると思うので、極端な惨敗はしないハズ。現在絶好調、蛯名騎手
　の手綱さばきにも期待しています。
　　また３番手にする馬ですが、前走ローズＳ２着のローズバドを指名しました。前走は、
　直線で内に進路を取ったものの行き場がなく、結局外に持ち出しての２着。オークスでは
　レディパステルに、ゴール直前でクビ差敗れているため、今回は陣営もリベンジに燃えて
　いると思います。馬体重もプラス１４�`と、休養明けを叩いた上積みは十分。母のロゼカ
　ラーが果たせなかったＧ�T制覇。今回その娘が大輪の華を咲かせることが出来るか。鞍上
　の横山典騎手も虎視眈々と一発を狙う大一番。

 第６回  秋 華 賞（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１０月１４日 芝２０００�b ３歳牝オープン定量 京都】

【本線】�A−�E、�A−�H、�E−�H
【中穴】�A−�M、�A−�D、�A−�B
【大穴】�E−�M、�D−�E、�B−�E

【結果】
 １着 �Aテイエムオーシャン
 ２着 �Hローズバド
 ３着 �Eレディパステル
 単�A ２４０円 複�A１１０円�H１３０円�E１３０円
 枠連１−５ ５９０円 馬連�A−�H ６６０円
 ワイド�A−�H ２６０円 �A−�E ２７０円 �E−�H ３２０円

 優勝したテイエムオーシャンは、道中３番手と絶好の位置取りで折り合い、４コーナー
 を回った時点では、早くも先頭に立つ勢い。直線に入ると一気に後続を突き放し、春の
 桜花賞に続く牝馬２冠を達成しました。同レースの１番人気の優勝は、メジロドーベル
 以来４年ぶり２頭目。また２着のローズバドは、スタート直後のつまずきで、まさかの
 最後方追走となりましたが、４コーナーで最内をつく作戦で連対を死守。ただし上がり
 ３ハロン３４秒６は、出走メンバー中最速タイムで、今後の巻き返しが期待されます。
 ３着のレディパステルは、道中中団の位置取りで折り合い、４コーナーでは、大外から
 追い上げる展開。ゴール前でもよく伸びていると思いますが、最後は上位２頭と比べる
 と、やや脚が鈍った感じか。やはり京都の内回りコースで大外を回るには、それなりの
 覚悟は必要。馬券の方は、とりあえず◎−▲の本線的中でしたが、まあ上位３頭の堅い
 決着ということで配当的には仕方がないでしょう。穴党の方々は残念でした。（笑）

   第３５回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）予 想

　　いよいよ今週から、秋のＧ�Tシリーズがスタートします。その第１弾は、中山競馬場で
　行われる電撃の６ハロン戦、スプリンターズＳ。昨年、開催時期が年末から２ヵ月以上も
　前倒しされ、ローテーションの関係からも注目されていましたが、結果は最低１６番人気
　のダイタクヤマトが、単勝２万５７５０円という大波乱を演出。今回も連覇を狙う同馬と
　ともに、京成杯ＡＨを衝撃のレコードで勝ち上がったゼンノエルシド。直線千�b重賞アイ
　ビスＳＤで、初めて５４秒の壁を破ったメジロダーリング。前哨戦のセントウルＳを類稀
　な快足で逃げ切ったテネシーガールなどなど・・・稀代のスピード馬が集結。また今年の
　高松宮記念の勝ち馬トロットスターや、虎視眈々と一発を狙う伏兵馬陣も揃い、ゴール前
　では大激戦が予想されます。
　　さてそこで今回本命にする馬ですが、前走京成杯ＡＨ１着のゼンノエルシドを指名し
　ました。前走は、中山開幕週のマイル重賞を１分３１秒５という日本レコードで制した訳
　ですが、タイム以上にその内容は圧巻でした。もちろん、直線だけで後方を４馬身も突き
　放した瞬発力は、並の馬ではとても出来ない芸当。千二のスプリント戦でも、この末脚は
　他陣営にとって脅威のハズ。只今、全国リーディング独走中、藤沢和雄厩舎の真打登場で
　その走りに注目が集まります。
　　そして対抗にする馬ですが、前走セントウルＳ２着のダイタクヤマトをピックアップ
　しました。昨年の大波乱の立役者で、今年も連覇を狙って登場。高松宮記念から５ヵ月半
　ぶりの実戦だった前走では、テネシーガールに３／４馬身及ばず逃げ切りを許した内容で
　すが、プラス１６�`と余裕残しの馬体や、斤量５９�`を考えると及第点以上の結果だった
　と思います。本番では、間違いなく上積みの状態で、変り身は必至。ディフェンディング
　チャンピオンとして負けられない一戦か。
　　また３番手にする馬ですが、前走アイビスＳＤ１着のメジロダーリングを指名しまし
　た。今夏は、函館スプリントＳを逃げ切り、前走のアイビスＳＤは好位から楽に抜け出し
　てＧ�Vを連勝。まさに、夏を越えて最も力をつけた上り馬と評価できると思います。春の
　高松宮記念では、勝ち馬から０秒４差の５着と結果を出していて、今回も中山の坂を克服
　できれば一発逆転の可能性も十分。中間の状態も好調を維持しているようで、鞍上吉田豊
　騎手の手綱さばきに期待したいと思います。

 第３５回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【９月３０日 芝１２００�b ３歳上オープン定量 中山】

【本線】�E−�H、�A−�E、�A−�H
【中穴】�C−�E、�C−�H、�A−�C
【大穴】�E−�G、�G−�H、�A−�G

【結果】
 １着 �Cトロットスター
 ２着 �Aメジロダーリング
 ３着 �Hダイタクヤマト
 単�C ８１０円 複�C２７０円�A２００円�H１２０円
 枠連２−４ ２９５０円 馬連�A−�C ３０００円
 ワイド�A−�C １０３０円 �C−�H ５１０円 �A−�H ３９０円

 優勝したトロットスターは、第４コーナーを回った時点で１０番手と後方の位置取り。
 しかし、直線に入ると上がり３３秒９という末脚で追い込み、平成６年にサクラバクシ
 ンオーが記録したレース＆コースレコードを０秒１更新する１分７秒０で、スプリント
 Ｇ�T春秋連覇を達成しました。なお、前走から馬体重プラス２４�`増は、Ｇ�T導入後、
 最大幅体重での勝利。２着のメジロダーリングは、レース直前の１０Ｒで、落馬負傷の
 あった吉田豊騎手から田中勝春騎手に乗り替るアクシデントがありましたが、それでも
 持ち味の粘りを見せて、同タイム（クビ差）の準優勝と大健闘。３着のダイタクヤマト
 は、マイナス１８�`と渾身の仕上げで出走した一戦でしたが、勝ち馬にはあと一歩届か
 ず。それでも同タイムの３着ということで、この馬の力は全て出し切ったと思います。
 また今回◎に推した１番人気のゼンノエルシドは、中団からインを突いて先頭を目指し
 ましたが、直線半ばで力尽き１０着と惨敗。今後の巻き返しに期待したいと思います。
 馬券の方は、とりあえず注−▲で的中というイマイチの内容でしたが、配当的には中穴
 の３０倍ということで、やや満足できる結果でした。

   第４７回  オ ー ル カ マ ー（Ｇ�U）予 想

　　今年も、本格的な秋競馬の到来を告げる伝統の一戦・オールカマーの季節がやってきま
　した。このレースは、昭和３０年ハンデキャップの重賞競走として創設され、その後地方
　競馬との交流競走や、負担重量・距離などの変更を経て、平成７年から国際競走のＧ�Uへ
　と格上げされました。しかし、近年では頭数の揃いにくいレースになっているのも事実。
　これは夏場を休養にあてる有力馬にとって、天皇賞以降のＪＣや、有馬記念を視野に入れ
　ると始動する時期が少し早過ぎる点。また上位を狙う条件馬にとっても、ハンデ戦と違い
　負担重量にメリットが少ないため、出走を見合わせるケースが多いとのこと。これは最近
　の深刻な売上げ減も考慮しながら、同レースの存在意義をもう一度見直す時期に来ている
　のかもしれません。
　　さてそこで今回本命にする馬ですが、前走新潟記念４着のダイワテキサスを指名しま
　した。もちろん、重賞５勝馬で、収得賞金も２億円を超える実績馬だけに、賞金別定戦の
　関屋記念では６１�`、ハンデ戦の新潟記念でも５９�`を背負わされました。しかし今回は
　Ｇ�Uの別定戦のため５８�`で出走でき、他馬との斤量差も１�`と、同馬にとっては有利な
　一戦となります。３年前の勝ち馬でもあり、夏から秋にかけて成績を上げるタイプ。ここ
　は迷わず本命に推したいと思います。
　　そして、対抗にする馬ですが、前走新潟記念２着のエアスマップをピックアップしま
　した。以前は、マイル路線を使ってきた馬ですが、今春のエイプリルＳを快勝して以来、
　中距離路線でも実績を上げてきました。前走では、初重賞制覇のチャンスでしたが、最後
　の詰めがあと一歩で、サンプレイスの後塵を拝することに。今回は、今後の同馬の進路を
　決める重要な試金石だけに、陣営も気合が入っているハズ。柴田善臣騎手の手綱さばきも
　注目の一戦かと思います。
　　また３番手にする馬ですが、前走新潟記念７着のゲイリートマホークをピックアップ
　しました。前々走は、重賞初挑戦の七夕賞をまんまと逃げ切り、競馬ファンにその実力を
　見せつけました。今回の中山コースは、仮柵が張られたＣコース仕様ということで、単騎
　の逃げ馬には、打ってつけのプラス材料。問題は、まだ連対実績がない２２００�bという
　距離ですが、同馬の絶対的なスピード能力で、十分に乗り切れると期待しています。郷原
　騎手の思い切った騎乗ぶりに要注目。

 第４７回  オ ー ル カ マ ー（Ｇ�U）枠 順 確 定

【９月２３日 芝２２００�b ３歳上オープン別定 中山】

【本線】１−６、１−５、５−６

【結果】
 １着 �Eエアスマップ
 ２着 �Dゲイリートマホーク
 ３着 �Cサイレントセイバー
 単�E ３７０円 複�E１９０円�D２６０円
 枠連５−６ ８００円
 ※７頭立ての為、馬連・ワイドの発売はありません。

 優勝したエアスマップは、道中２番手と好位置をキープしながら、直線に入ると先行す
 るゲイリートマホークを競り落として重賞初制覇を飾りました。これで藤沢和雄厩舎は、
 京成杯ＡＨ（ゼンノエルシド）、ローズＳ（ダイヤモンドビコー）に続く３週連続重賞
 勝利の快挙を達成。さらに８月５日の関屋記念（マグナーテン）から出走機会７週連続
 重賞連対という快記録も作りました。２着のゲイリートマホークは、積極的なレース運
 びで、ゴール前でも粘りを見せましたが、最後の詰めがあと一歩。しかし、距離的にも
 全く問題はなく、今後の重賞戦線で楽しみな一頭かと思います。馬券の方は、○−▲の
 本線的中でしたが、配当が８００円ということで、やや儲かった程度。当日は中山競馬
 場のスタンドから観戦していましたが、やはり重賞レースで７頭立ては、ちょっと寂し
 いかな・・・というのが、素直な感想です。

   第３７回  札 幌 記 念（Ｇ�U）予 想

　　さらば「ミスター競馬」・・・８月６日午前９時２７分、日本競馬界を代表する騎手、
　そして調教師だった野平祐二氏が、静かにその生涯を終えた。私自身、同氏の騎手時代は
　もちろん、シンボリルドルフの調教師時代も、実際にリアルタイムでは見ていませんが、
　何かひとつの時代が終わったような寂しさを感じる今日この頃です。あの鈴木淑子さんは
　エルコンドルパサーが２着に入った凱旋門賞で、レース後、誰もいなくなったロンシャン
　競馬場でただ独り、馬場を見つめていた姿が印象的だったと書いていますが、やはり常に
　世界の競馬を視野に入れ、日本の競馬のレベルアップを考えていた人だったと思います。
　同氏のご冥福を祈るとともに、これからも世界の舞台における日本馬の活躍を見守り続け
　ていきたいと思います。
　　さて今週の札幌記念で本命にする馬ですが、前走ダービー１着のジャングルポケット
　を指名しました。ダービー馬の札幌参戦は、あのクライムカイザー以来、２５年ぶりとの
　ことで、その動向は今後のローテーションも含め要注目。管理する渡辺栄調教師は、猛暑
　の栗東滞在を避けて、最適なステップを選んだと語っていますが、この前例のない決断が
　果たして吉と出るか、凶と出るか。古馬との初対戦も興味深く、もちろん別定の５４�`も
　同馬にとってプラス材料。
　　そして対抗にする馬ですが、前走巴賞１着のエアエミネムをピックアップしました。
　前走は、斤量５１�`ながら余力十分で古馬陣を一蹴し、その実力を競馬ファンに見せつけ
　ました。今回は同じ３歳馬のジャングルポケットに挑戦する立場ですが、ダービー当日の
　駒草賞では、上がり３ハロン３４秒５という末脚を繰り出しているだけに、逆転の期待も
　膨らみます。今回は、現在リーディング単独トップの蛯名騎手を鞍上に迎え、厩舎サイド
　の意気込みが伝わってきます。
　　また３番手にする馬ですが、前走関屋記念５着のスティンガーを指名しました。前走
　は、絶好の舞台と思われた新潟の高速マイルでしたが、勝ち馬のマグナーテンとは３馬身
　差で敗れました。藤沢和雄調教師は、体が絞れなくなっている、とコメントを出していま
　すが、惨敗した安田記念と比べれば十分に評価できる内容だったと思います。今年も既に
　４０勝ラインを突破し、リーディング独走中の同厩舎ですが、そのフォローの風に乗って
　ダービー馬を抑え込むことが出来るか。

 第３７回  札 幌 記 念（Ｇ�U）枠 順 確 定

【８月１９日 芝２０００�b ３歳上オープン別定 札幌】

【本線】�A−�F、�F−�H、�A−�H
【中穴】�B−�F、�A−�B、�B−�H
【大穴】�E−�F、�A−�E、�E−�H

【結果】
 １着 �Aエアエミネム
 ２着 �Eファイトコマンダー
 ３着 �Fジャングルポケット
 単�A ５８０円 複�A１３０円�E１９０円�F１００円
 枠連２−６ ３５３０円 馬連�A−�E ３４８０円
 ワイド�A−�E ４８０円 �A−�F １５０円 �E−�F ２８０円

 優勝したエアエミネムは、前半１０００�b６１秒０という展開の中、道中４番手と絶好
 の位置で折り合い、直線に入ると絶妙のタイミングでスパート。ゴール前では、後方を
 ２馬身半差もちぎる圧勝劇でした。また上がり３ハロンは、メンバー中最速の３４秒４
 をマーク。鞍上の蛯名騎手もパーフェクトの騎乗で、ゴール後は派手なガッツポーズも
 飛び出しました。今後は秋に向けて、同馬の更なる飛躍が期待できると思います。２着
 に入ったファイトコマンダーは、古馬の意地を見せてジャングルポケットをアタマ差で
 競り落としました。勝ち馬との差は、勝負所でのスパートのタイミングが遅れたため。
 しかし、内容的にはゴール前でもよく粘っていて評価はできると思います。今回注目さ
 れた単勝１．３倍のジャングルポケットは、直線で伸びを欠き、まさかの３着に終わり
 ました。この中間は計７本の時計をマークしていましたが、目いっぱいのものはゼロで
 やはりレースに対応できる馬体に仕上がっていなかったのか。今後は函館、栗東と移動
 して、菊花賞一本に向けて調整される予定。馬券の方は、○−△というイマイチの内容
 でしたが、配当的には満足できる結果だったと思います。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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