重 賞 予 想 回 顧（３５）

   第２０回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）予 想

　　１０月２９日、朝から小雨が降ったり止んだりの曇天の中、第１２２回天皇賞（秋）が
　行われました。優勝したのは、単勝１番人気に推されたテイエムオペラオー、そのレース
　ぶりは、まさに「横綱相撲」といった圧勝劇で、現役競走馬の頂点に君臨した瞬間だった
　と思います。しかし、この圧勝劇の裏には「魔の第２コーナー」で起こったアクシデント
　も忘れてはいけません。内側に進路をとったテイエムに押され、イーグルカフェがステイ
　ゴールドの進路を塞ぐような形になったこと。もちろん、審議にはなりませんでしたが、
　これはステイゴールドの武豊騎手の判断で、不利を承知で馬を引いたファインプレーとも
　言われています。やはり府中の２０００�bという特殊なコース形態で、仕方がない部分も
　ありましたが、今回は武豊騎手の「王者テイエムオペラオー」に対するリベンジの大舞台
　でもあると思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走菊花賞１着のエアシャカールをピックアップし
　ました。やはり４歳クラシック戦線を常にトップで戦い抜いてきた実績と、海外遠征での
　経験は、古馬混合戦でも確実に生きてくると思います。レースセンスも抜群で、どこから
　でも仕掛けることができ、勝負所で素早く抜け出す瞬発力も太鼓判。問題は直線でモタれ
　る悪癖ですが、今回は能力でカバーできると信じています。来年以降の勢力図も頭に描き
　ながら打倒テイエムの１番手に推しました。
　　そして対抗にする馬ですが、前走天皇賞（秋）１着のテイエムオペラオーを指名しま
　した。やはり、今年に入ってからの３つのＧ�T制覇を含む無敗の重賞６連勝は、誰も文句
　の付けようがない素晴らしい成績だと思います。もはや現役最強馬から２０世紀の歴史的
　名馬へとステップアップしているのは間違いなく、今回の敵はシンボリルドルフをはじめ
　とする日本競馬史に名を刻んだ過去の名馬たちかもしれません。馬券をも超越するような
　豪快な走りに期待しています。
　　また３番手にする馬ですが、前走天皇賞（秋）２着のメイショウドトウを指名しまし
　た。前走はテイエムの末脚には屈しましたが、道悪と比較的スローな流れで割引は必要。
　今回は良馬場での早い展開が予想されるだけに、同馬の得意の土俵で相撲が取れると期待
　しています。直接対決で過去２回２着と敗れているテイエムを除けば、日本馬ではトップ
　レベル。展開がキッチリとハマれば大金星の可能性は十分にあると思います。また鞍上の
　安田康騎手とのコンビ復活にも要注目。

 第２０回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月２６日 芝２４００�b ４歳上オープン定量 東京】

【本線】�G−�H、�H−�L、�G−�L
【中穴】�H−�K、�G−�K、�K−�L
【大穴】�H−�I、�G−�I、�I−�L

【結果】
 １着 �Gテイエムオペラオー
 ２着 �Lメイショウドトウ
 ３着 �Iファンタスティックライト
 単�G １５０円 複�G１１０円�L２４０円�I２１０円
 枠連４−７ ４７０円 馬連�G−�L ８１０円
 ワイド�G−�L ４１０円 �G−�I ３９０円 �I−�L １１００円

 前半１０００�bのラップが、６３秒０という超スローペースの展開の中、道中中団から
 進んだテイエムオペラオーが直線で粘るメイショウドトウ、ファンタスティックライト
 を力でねじ伏せ、今年に入って無傷の重賞７連勝、通算Ｇ�T５勝目の快挙を達成した。
 レースは、ステイゴールドが逃げる意外な展開で始まり、テイエムも勝負所では馬群に
 モマれる苦しい位置取り。しかし、直線で叩き合いになった時の強さは別格で、今回は
 着差以上の完勝劇だったと思います。２着のメイショウドトウも抜群の手応えで、最後
 はテイエムを追い詰めましたが、あと一歩届かず。やはり、同世代に最強馬が存在する
 不運な巡り合わせか。３着のファンタスティックライトも、ゴール前では一瞬あわやの
 場面を作りましたが、最後のひと伸びが足りず。それにしても、鞍上デットーリ騎手の
 手綱さばきは、シビれるものがあります。今回本命に推したエアシャカールをはじめ、
 日本の４歳陣は、揃って撃沈。今後の巻き返しに期待したいと思います。馬券の方は、
 とりあえず本線的中でしたが、収支的にはマイナス。しかし、テイエムは一体どこまで
 強くなるんでしょうか。今後の更なる活躍が恐ろしいぐらいです。

   第１７回  マ イ ル Ｃ Ｓ（Ｇ�T）予 想

　　協和牧場・・・。北海道新冠町明和にある敷地約７０ヘクタールの静かな牧場で、現在
　繁殖牝馬２７頭、あのキョウワホウセキや、ショウリノメガミもここで繁殖生活を送って
　いるそうです。そしてこの牧場の目玉的な存在が、１９９０年に米キーンランドセールで
　落札されやってきた世界の名牝グッバイヘイロー。当時、関係者が破格の２１０万ドルで
　落札した時は、現地の報道陣が取り囲み騒然とした状況になったそうです。そのグッバイ
　ヘイローは現在１６歳、昨年は空胎で今年はコマンダーインチーフと交配、来春産まれて
　くる産駒は、２００４年のクラシックを目指します。そして、この協和牧場の次の目標が
　グッバイヘイローの息子キングヘイローの２世を作ること。そのためにも今回のレースは
　どうしても獲りたいＧ�Tのタイトルか。
　　そこで本命にする馬ですが、前走スワンＳ１２着のキングヘイローをピックアップし
　ました。前走は、道中好位で手応えもよかったと思いますが、直線での伸びを欠き馬群に
　沈みました。もちろん５９�`という斤量に、見た目以上の道悪だったということで、割り
　引きは必要。今回は先行馬が揃い、ハイペースで前崩れになる可能性が高いので、同馬の
　脚質も十分に生きてくると思います。得意の京都コースもプラス材料で、昨年２着の無念
　を晴らす時がやってきました。
　　そして対抗にする馬ですが、前走スワンＳ２着のシンボリインディを指名しました。
　やはり、全５勝がマイル戦のスペシャリストということで、今回はＧ�T制覇のチャンスが
　巡ってきたと思います。４歳マイル王の称号を得てから、久しく不振に悩んでいた同馬で
　したが、休み明けの札幌記念以来復調の兆しも十分で、関係者も馬体の張りと毛づやには
　太鼓判を押している模様。今回はスパートのタイミングも大変重要で、鞍上のペリエ騎手
　の手綱さばきに要注目です。
　　また３番手にする馬ですが、前走スプリンターズＳ３着のブラックホークを指名しま
　した。前走は直線でやや詰まる感じで、連覇を狙っていた関係者にとっても不本意な結果
　だったと思います。今年の場合は短距離路線の番組変更で、予想しにくいローテーション
　ですが、メンバー的にも実績ＮＯ．１は間違いなく、馬券的にも信頼できる一頭と評価し
　ています。今回の大外枠も特に問題なく、高速馬場でスピード決着となれば、マイル王の
　タイトルは自然についてくると思います。

 第１７回  マ イ ル Ｃ Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月１９日 芝１６００�b ４歳上オープン定量 京都】

【本線】�G−�N、�G−�Q、�N−�Q
【中穴】�G−�J、�J−�N、�J−�Q
【大穴】�B−�G、�B−�N、�B−�Q

【結果】
 １着 �Lアグネスデジタル
 ２着 �Jダイタクリーヴァ
 ３着 �Fメイショウオウドウ
 単�L ５５７０円 複�L１１４０円�J２２０円�F１１２０円
 枠連６−７ ９５０円 馬連�J−�L １８０５０円
 ワイド�J−�L ３８８０円 �F−�L １９０４０円 �F−�J ４１８０円

 前半１０００�bのラップが、１２秒１−１０秒６−１１秒３−１１秒３−１１秒６で、
 ５６秒９という超ハイペースの展開の中、道中後方から進んだアグネスデジタルが直線
 で放たれた矢のごとく伸びてきて、前の１４頭を一気にゴボウ抜き。優勝タイムの１分
 ３２秒６は、京都競馬場のコースレコードとなりました。ダートでは実績があった馬で
 すが、芝コース未勝利馬による初の芝ＧＩ制覇ということで、これは過去に前例のない
 快挙。また鞍上の的場騎手の手綱さばきも高く評価されると思います。２着のダイタク
 リーヴァも、乗り替った安藤勝騎手の絶妙のスパートで、一瞬勝利を掴んだかと思いま
 したが、ゴール前でアグネスの豪脚に屈しました。しかし来年以降の短距離路線で期待
 のできる一頭と見ています。３着のメイショウオウドウも、後方２番手の位置取りから
 直線鋭く伸びて大健闘。そして、今回◎○▲の本線に推した３頭は、すべて馬群に沈み
 少し期待ハズレの残念な結果。馬券の方もアグネスが完全なノーマークのために惨敗。
 それにしても、今年の短距離Ｇ�Tは全て万馬券決着ですか・・・。（ガックリ・・・）

   第２５回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯（Ｇ�T）予 想

　　いわゆる「交流競走元年」と言われた１９９５年、桜花賞トライアルの４歳牝馬特別に
　颯爽と登場したのが、笠松競馬のライデンリーダーでした。その後、１番人気でのぞんだ
　桜花賞が４着、オークスが１３着、そしてエリザベス女王杯も１３着と結果は出ませんで
　したが、我々競馬ファンの記憶の中に深く刻まれた一頭だったと思います。現在は、父の
　ワカオライデンが繋養されている吉田牧場で繁殖生活に入っていて、今年は初産駒となる
　ピルサドスキーの牡馬が産まれたそうです。もちろん、今回出走する馬も、いずれは繁殖
　生活に入ると思いますが、故郷に錦を飾るためにも、この「女王杯」は是が非でも欲しい
　タイトル。新旧各世代の激しい女の戦いに期待したいと思います。
　　そこで本命にする馬ですが、前走札幌記念７着のファレノプシスをピックアップしま
　した。前走は１番人気に推されながらも、逃げ馬が作るスローペースに翻弄され馬群に沈
　みました。ただし、３ヵ月ぶりの実戦というこで評価の割り引きは必要。今回は枠順にも
　恵まれて道中流れに乗れば十分に勝機はあると見ています。昨年は直線で挟まれる大きな
　不利があっただけに陣営もリベンジに燃えているハズ。また今回がラストランということ
　で、松永幹騎手の手綱さばきにも要注目。
　　そして対抗にする馬ですが、前走府中牝馬Ｓ１着のトゥザヴィクトリーを指名しまし
　た。前走は５ハロン６２秒６というスローペースでしたが、自身でペースを作り直線では
　上がり３３秒５の圧倒的な末脚で快勝しました。以前はゴール前での切れる脚が使えず、
　不完全燃焼のような感じでしたが、５歳の秋を迎えて詰めの甘さもほとんど解消できたと
　思っています。今回は同系の逃げ馬がいないだけに、楽に先行できれば初のＧ�Tゲットの
　確率はかなり高いと見ています。
　　また３番手にする馬ですが、前走府中牝馬Ｓ３着のフサイチエアデールを指名しまし
　た。昨年の同レースでは４歳馬として初の連対を果たし、その実力を十二分に発揮できた
　と思います。今回は、展開的にも４角で馬群がかたまり、直線での末脚勝負に持ち込めば
　必ず勝ち負けの競馬はできるハズ。道中は、目標となるトゥザヴィクトリーが前にいると
　思うので、鞍上の横山典騎手が考えるのはスパートのタイミングだけ。また最内枠に関し
　ても同馬には有利に働くと見ています。

 第２５回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月１２日 芝２２００�b ４歳上牝オープン定量 京都】

【本線】�A−�D、�@−�A、�@−�D
【中穴】�A−�M、�D−�M、�@−�M
【大穴】�A−�I、�D−�I、�@−�I

【結果】
 １着 �Aファレノプシス
 ２着 �@フサイチエアデール
 ３着 �Mエイダイクイン
 単�A ６４０円 複�A２５０円�@１３０円�M６４０円
 枠連１−１ １１１０円 馬連�@−�A １１１０円
 ワイド�@−�A ５４０円 �A−�M ３５７０円 �@−�M １５９０円

 前半１０００�bが６０秒６で、６Ｆ、７Ｆも１３秒台というスローペースの展開の中、
 道中４〜５番手で折り合ったファレノプシスが、ゴール前フサイチエアデールとの叩き
 合いを制し、自身のラストランを見事に飾りました。これで桜花賞、秋華賞に続く３つ
 目のＧＩ制覇。浜田光正調教師の究極のハード調教が実を結ぶ形となりました。２着の
 フサイチエアデールは、直線勝負の勝ちパターンに持ち込んだと思いますが、ゴール前
 での惜しい逆転負け。道中やや掛かったこともありますが、それでも同馬の能力は出し
 切ったと思います。３着のエイダイクインは、最後方から驚異の３３秒０の末脚で追い
 込みましたが、あと一歩届かず。しかし、同馬の潜在能力の高さは、改めて再確認する
 ことができました。４着のトゥザヴィクトリーは、予定通りの展開で自身の競馬はでき
 たと思いますが、やはり３コーナー過ぎでペースが上がり早めに競り掛けられたことが
 敗因か。今後の巻き返しに期待したいと思います。馬券の方は、とりあえず本線的中で
 納得の結果。ただし、エイダイ絡みのワイドをもう少し買っておけば・・・。

   第１２２回  天 皇 賞 ・ 秋（Ｇ�T）予 想

　　「雨に唄えば」・・・。雨の中を傘を放り投げ、タップを踏むジーン・ケリーが印象的
　ですが、競馬の世界でも、雨が降るとまるで水を得た魚のように生き生きと走り出す馬が
　存在するのも事実です。古くは不良馬場の安田記念を最低人気で制したラファール。泥ん
　このオークスを大外一気で制し、若き日の岡部騎手を男にしたカネヒムロ。極悪馬場だっ
　た秋の天皇賞をはじめ、不良馬場を全勝した雨の申し子フジノパーシア。そして、過去に
　前例がないようなドロドロの皐月賞を涼しい顔で制したハワイアンイメージ。今年の秋の
　天皇賞も、前日から降り続く冷たい秋雨のために道悪は必至の状態。果たして、この馬場
　状態がどのようなドラマを演出するのか。
　　そこで本命にする馬ですが、前走京都大賞典１着のテイエムオペラオーを指名しまし
　た。やはり、今年に入ってからの実績は文句の付けようがなく、充実の５歳の秋を迎えて
　精神的にも更に成長していると確信しています。その５連勝の内容を見ても、並べば必ず
　抜くという闘志がみなぎり、馬券を買う側からすると安心して軸馬に出来る一頭。秋天の
　１番人気の連敗記録も多少気になりますが、この呪縛を解く馬はオペラオーをおいて他に
　はいないと見ています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走オールカマー１着のメイショウドトウを指名しまし
　た。宝塚記念では王者オペラオーにクビ差まで迫り、一夏を越した今秋の充実ぶりは目を
　見張るものがあると思います。前走のオールカマーは、道悪を苦にせずの完勝劇を演じ、
　関係者も秋天に向けて大きな手応えをつかんだと思います。今回は外枠にエントリーされ
　多少の不安もありますが、自身の能力で十分にカバー出来ると見ています。来春調教師に
　転身する的場騎手の手綱さばきも要注目。
　　また３番手にする馬ですが、前走京都大賞典２着のナリタトップロードを指名しまし
　た。菊花賞以来、オペラオーの後塵を拝し、先行しても、また差し競馬でも全く勝てない
　トップロードですが、一筋の光明は今回の２０００�bという距離。父のサッカーボーイも
　かつて日本レコードで制した得意の距離ということで、逆転の可能性も十分にあると見て
　います。鞍上の渡辺騎手も、枠順的にはかなり有利なので、まわりのペースに幻惑されず
　にトップロードの最大限の能力を引き出せるか。

 第１２２回  天 皇 賞 ・ 秋（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１０月２９日 芝２０００�b ４歳上オープン定量 東京】

【本線】�L−�N、�B−�L、�B−�N
【中穴】�I−�L、�C−�L、�J−�L
【大穴】�I−�N、�C−�N、�J−�N

【結果】
 １着 �Lテイエムオペラオー
 ２着 �Nメイショウドトウ
 ３着 �Iトゥナンテ
 単�L ２４０円 複�L１３０円�N１５０円�I２８０円
 枠連７−８ ４９０円 馬連�L−�N ４９０円
 ワイド�L−�N ２６０円 �I−�L ７４０円 �I−�N ８２０円

 今年に入って５戦全勝の現役最強馬テイエムオペラオーが、好位から力強く抜け出して
 後続に２馬身半差をつける圧勝劇。まさに、日本競馬界の頂点に君臨した瞬間だったと
 思います。これで１番人気の連敗も１２でストップ。昨年のスペシャルウィークに続く
 天皇賞春秋連覇の快挙も達成しました。２着には、外国産馬のメイショウドトウが入り
 歴史的な一歩を刻みました。枠順的にも不利な外枠発走ということで、鞍上の的場騎手
 の手綱さばきが高く評価されると思います。３着のトゥナンテは、道中３番手と積極的
 な競馬で、その実力を十分に発揮しました。４着のイーグルカフェも、４歳馬としては
 大健闘で、陣営も来年に向けて確かな手応えをつかんだと思います。５着のナリタトッ
 プロードは、やはり道悪が影響したのか直線での末脚が不発。渡辺騎手の騎乗も含めた
 根本的な見直しが必要か。馬券の方は、とりあえず◎−○の本線的中でしたが、収支的
 にはもちろんマイナス。トゥナンテとのワイドを厚めに買っておけば・・・。（涙）

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

 前ページに戻る 次ページに進む

 重賞予想に戻る