重 賞 予 想 回 顧（３２）

   第６７回  ダ ー ビ ー（Ｇ�T）予 想

　　１９３２年（昭和７年）４月２４日、雨・不良馬場の目黒競馬場で、記念すべき第１回
　日本ダービー（当時は東京優駿大競走）が開催されました。時代背景的には、この３週間
　後に「５・１５事件」が起こるなど、華やかな日本競馬の幕開けと同時に、暗い戦争の影
　もひたひたと忍び寄っていました。馬券の方は、当時大卒の初任給が７０円という時代に
　１枚２０円と高額だったようで、一般庶民にとっては、それこそ気軽に買えない「高嶺の
　花」だったということです。そして、この第１回日本ダービーを制したのが、イギリスの
　伝説の３冠馬ゲインズボロー産駒のトウルヌソルを父に持つ「ワカタカ号」。騎手の方は
　日本の西洋馬術の始祖と言われている函館大経の３代目「函館孫作」。まさに日本競馬史
　の最初のページを飾るのに相応しい人馬だったと思います。そして今年２０００年、また
　新たなる歴史の１ページが書き加えられます。過去の歴史の重みと、２１世紀に思いを寄
　せながら、スタートの瞬間を静かに待ちたいと思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走皐月賞１着のエアシャカールを指名しました。
　前走は、後方待機策から３コーナー過ぎで一気にまくる横綱競馬で他馬を圧倒。その潜在
　能力の違いを見せつけた素晴らしい内容でした。今回東京コースに変わることも、小回り
　で紛れが生じやすい中山コースから比べると、間違いなくプラス材料。同馬得意のロング
　スパートがキッチリ決まると期待しています。武豊騎手の前人未到のダービー３連覇も、
　今回は単なる通過点なのかもしれません。
　　そして対抗にする馬ですが、前走青葉賞１着のカーネギーダイアンをピックアップし
　ました。前走は、今回のダービーと同じ２４００�bを中団追走から直線で抜け出し、同馬
　の持ち味を十分に発揮できたと思います。３歳時は新馬戦→黄菊賞と圧勝し、クラシック
　候補の中心的な存在でしたが、外傷を負うアクシデントから一頓挫。しかし血統的な背景
　からも、完全復調すれば「打倒エア」の１番手は間違いなし。鞍上も、武豊キラーの藤田
　騎手ということで期待は膨らみます。
　　また３番手にする馬ですが、前走皐月賞２着のダイタクリーヴァをピックアップしま
　した。前走は好位追走から内々をロスなく回り、最高の展開で直線を迎えましたが、大外
　から伸びてきたエアシャカールにクビ差で完封されました。皐月賞は、最高のローテーシ
　ョン、また馬の状態も完璧だっただけに、逃した魚はあまりにも大きかったと思います。
　しかし、レースセンスは出走馬中ＮＯ．１なので、今回展開さえハマれば「リベンジ」も
　十分に可能と期待しています。

 第６７回  ダ ー ビ ー（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月２８日 芝２４００�b ４歳オープン定量 東京】

【本線】�A−�D、�A−�I、�D−�I
【中穴】�A−�C、�C−�D、�C−�I
【大穴】�A−�P、�D−�P、�I−�P

【結果】
 １着 �Cアグネスフライト
 ２着 �Aエアシャカール
 ３着 �Lアタラクシア
 単�C ５１０円 複�C２１０円�A１２０円�L５４０円
 枠連１−２ ５４０円 馬連�A−�C ６００円
 ワイド�A−�C ３５０円 �C−�L ２２３０円 �A−�L １１２０円

 それにしても、アグネスフライト＆エアシャカールの歴史に残る見事な叩き合いだった
 と思います。展開は前半１０００�b５９秒２というハイペースの中、河内・アグネスは
 最後方からレースを進め、武・エアを完全マーク。３〜４コーナーの勝負所でエアが動
 くとアグネスも一気にスパート。直線に入るとエアが一歩抜け出して、これで決まった
 かと一瞬思いましたが、大外からアグネスが猛然と追い込み、ゴール前ではハナ差かわ
 していました。やはり、直線で見せた河内騎手の強烈なパフォーマンスが印象に残りま
 した。ハナ差で敗れた武豊騎手もほぼ完璧な騎乗だったと思いますが、やはりエア自身
 が最後のゴール前でフラつく若さを見せるなど、これから関係者にとっても課題は残っ
 たと思います。しかし思った以上の厳しい流れで、ほとんどの出走馬の脚色が鈍る中、
 結局伸びてきたのはＳＳ産駒の２頭のみ。今回も改めて、この産駒の底力の凄さを見せ
 つけられた感じです。馬券の方は、注−◎の中穴的中でしたが、アグネスを本線に指名
 できなかったのでイマイチの結果でした。もちろん収支的には大幅な赤字決済で、近々
 短期放牧の予定・・・。（笑）

   第６１回  オ ー ク ス（Ｇ�T）予 想

　　「あなたが選ぶ史上最強牝馬は？」この問いに対しては、各世代、また競馬歴によって
　様々な答えが出てくると思いますが、ここ１０年間に限定すると「エアグルーヴ」という
　名前が必然的に挙がってくるような気がします。第５７回のオークスでは、桜花賞を熱発
　で回避したアクシデントを乗り越えての圧勝劇。その躍動感溢れる走りに魅了された競馬
　ファンも多かったと思います。今年もどのようなスターホースが誕生するのか非常に楽し
　みですが、過去の勝ち馬を見ても「繁殖牝馬・選定レース」という要素があるのも事実。
　最近では、第５４回優勝馬の「ベガ」から、ダービー馬の「アドマイヤベガ」が出ている
　ように、その重要性は年々増していると思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走忘れな草賞１着のグランパドドゥを指名しまし
　た。前走は好位置で折り合い、馬込みを割って抜け出すなどレースセンスは抜群で、勝ち
　時計の２分１秒４もこの時期の牝馬としては非常に優秀。過去１０年、忘れな草賞からは、
　９４年のチョウカイキャロル、９８年のエリモエクセルと２頭のオークス馬を出している
　ことも信頼できるデータ。血統的な背景も、父がフジキセキに、母がスターバレリーナ。
　圧勝までも含め、期待は大きく膨らみます。
　　そして対抗にする馬ですが、前走桜花賞３着のシルクプリマドンナをピックアップし
　ました。前走の桜花賞は、道中ややスムーズさを欠いてゴール前であと一歩届かなかった
　感じですが、今回距離が８００�b伸びて、この馬の能力を１００％出し切れると期待して
　います。血統的にもノーザンダンサーの肌にブライアンズタイムということで、その配合
　は既にナリタブライアンで証明済み。この中間も好調をキープということで、軸馬として
　信頼できる一頭と見ています。
　　また３番手にする馬ですが、前走桜花賞２着のマヤノメイビーを指名しました。前走
　の桜花賞は、ソエなどの影響でぶっつけ本番になりましたが、その潜在能力は高く評価の
　できる内容。やはり調整不足であそこまでの競馬ができるということは、並の馬では到底
　できない離れ業かと思います。血統的にも、ニジンスキーの肌にミスタープロスペクター
　系のミスワキということで何も言うことはありません。前走の反動で、２走ボケの心配も
　多少ありますが、今回は直線一気の可能性も十分あります。

 第６１回  オ ー ク ス（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月２１日 芝２４００�b ４歳牝オープン定量 東京】

【本線】�D−�G、�G−�Q、�D−�Q
【中穴】�B−�G、�B−�D、�B−�Q
【大穴】�G−�M、�D−�M、�M−�Q

【結果】
 １着 �Dシルクプリマドンナ
 ２着 �Kチアズグレイス
 ３着 �Oオリーブクラウン
 単�D ３７０円 複�D１５０円�K２６０円�O２４３０円
 枠連３−６ １２６０円 馬連�D−�K １６３０円
 ワイド�D−�K ６８０円 �D−�O ７６００円 �K−�O １７３９０円

 前半１０００�b６３秒５という超スローペースの中、優勝したシルクプリマドンナは、
 道中６〜７番手という絶好の位置取りから、早めに仕掛ける積極策で「樫の女王」の座
 をゲットしました。２着にも同厩舎のチアズグレイスが入り、山内研二調教師の手腕が
 高く評価されると思います。３着には１６番人気のオリーブクラウンが入り、チアズと
 のワイドは万馬券になりました。なお４着は逃げた岡部騎手のレディミューズが入り、
 ５着は、あと一歩の伸びを欠いた河内騎手のグランパドドゥという結果でした。馬券の
 方は、２着のチアズグレイスが無印のために惨敗。来週のダービーで何とか挽回したい
 と思いますが・・・。（涙）

   第５回  Ｎ Ｈ Ｋ マ イ ル Ｃ（Ｇ�T）予 想

　　ハイセイコーの時代・・・。いわゆる１９７３年は、戦後３０年近く高度成長を続けて
　きた日本経済にオイルショックやドルショックが重なり、久々に訪れた試練の年だったと
　思います。そのような暗い世相を反映して、世間では世の中を一変させるヒーローの登場
　を待ち望んでいました・・・。まさにハイセイコーは、時代が要求した「競走馬」と言え
　ますが、多くの競馬ファンは勝ち続けるハイセイコーに、自分自身が成し得ることができ
　なかった「夢」や「希望」を託していたのかもしれません。そして今年２０００年、数々
　の伝説を残してきた「怪物」が、静かにこの世を去りました。「ふりむくな、うしろには
　夢がない・・・」寺山修司の「さらばハイセイコー」の詩が、別の意味で心に響いてくる
　今日この頃です・・・。昭和は遠くなりにけり・・・。
　　さてそこで今週の競馬ですが、本命は前走ＮＺＴ４歳Ｓ７着のイーグルカフェを指名
　しました。前走の敗戦は、山元トレセンで火災に遭遇した影響もあり度外視。やはり注目
　すべき点は、府中千八の共同通信杯を競り勝っているところ。もちろん該当距離以上での
　実績は大きなプラス材料で、スタミナのいる東京マイルコースでの巻き返しは必至と見て
　います。今年の「マル外戦線」の中心的な存在だったエイシンプレストンが回避しただけ
　に、ここはどうしても結果を残したいところ。
　　そして対抗にする馬ですが、前走ＮＺＴ４歳Ｓ２着のマチカネホクシンを指名しまし
　た。前走で見せた、最後方からの追い込みは、高く評価のできる内容だったと思います。
　極端な後方からの脚質だけに、これまで勝ち切れない成績が続いていますが、マイル戦で
　は着外なしと堅実性があります。当日は広いＡ１コース使用ということで、同馬にとって
　は願ってもない好条件。鞍上も武豊騎手ということで、差し切りの「青写真」はキッチリ
　と描いていると思います。
　　また３番手にする馬ですが、前走ＮＺＴ４歳Ｓ３着のアグネスデジタルを指名しまし
　た。前走は、ゴール前でエイシン＆マチカネの強襲に屈しましたが、その潜在能力は十分
　に見せつけたと思います。３歳の暮には、全日本３歳優駿（統一Ｇ�U）を快勝し、ダート
　界では頂点に立った馬。もちろん東京芝コースでもその能力を１００％発揮できると期待
　しています。メンバー的にも主役不在の混戦模様なので、展開次第では大金星の可能性も
　十分にあると見ています。

 第５回  Ｎ Ｈ Ｋ マ イ ル Ｃ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月７日 芝１６００�b ４歳オープン定量 東京】

【本線】�I−�K、�C−�K、�C−�I
【中穴】�K−�O、�I−�O、�C−�O
【大穴】�K−�M、�I−�M、�C−�M

【結果】
 １着 �Kイーグルカフェ
 ２着 �Bトーヨーデヘア
 ３着 �Iマチカネホクシン
 単�K ４３０円 複�K１５０円�B２５０円�I１２０円
 枠連２−６ ７６０円 馬連�B−�K １８８０円
 ワイド�B−�K ７９０円 �I−�K ３３０円 �B−�I ６７０円

 優勝したイーグルカフェは、中団馬群の後方につけて、直線で大外に持ち出すと、鋭い
 切れ味で粘るトーヨーデヘアを差し切りました。ゴール前では一瞬届かないと思いまし
 たが、この馬の勝負根性は高く評価のできる内容。やはり脚質的にも、直線の長い東京
 コース向き。２着のトーヨーデヘアは、惜しいハナ差負けでしたが、今後の成長次第で
 は、相当に期待のできる一頭と見ています。今回は、後藤騎手の好騎乗も光りました。
 ３着のマチカネホクシンは、予定通り最後方からの展開で、直線での追い込みに賭けま
 したが、一瞬の脚しか使えないのが今後の課題。馬券の方は、◎イーグルカフェでした
 が、２着のトーヨーデヘアが抜けて撃沈しました。（涙）

   第１２１回  天 皇 賞 ・ 春（Ｇ�T）予 想

　　史上最高の３強対決とは・・・？！これは各世代によって様々な意見があると思います
　が、やはり９７年の春天は外すことはできません。マヤノトップガン、サクラローレル、
　マーベラスサンデーの３強による激しい競り合いは、３年経った今でも鮮明に脳裏に焼き
　付いています。力と力のぶつかり合いが灼熱のように発光し、それが断弦のごとく終焉を
　迎える。まさに競馬の醍醐味を十二分に堪能できた一戦だったと思います。そして今年の
　春天は、昨年の菊花賞１〜３着を占めた５歳勢３強が満を持して登場します。果たして、
　どのような名勝負を見ることができるのでしょうか。天皇賞開放元年、そのゲートが開く
　瞬間を静かに待ちたいと思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走阪神大賞典１着のテイエムオペラオーを指名し
　ました。前走は、ライバル２頭の前でレースを進め、出走馬中最高の上がりで他馬を完封
　する横綱競馬を展開。実質的に、この一戦でライバル２頭と一線が画されたのは明らかで、
　まさに充実の５歳春を迎えていると思います。道中の折り合い面も全く心配なく、最後の
　切れ味でも他馬を圧倒。今回は死角が見当らない所が逆に死角のような感じですが、軸馬
　の座は不動と見ています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走阪神大賞典２着のラスカルスズカをピックアップし
　ました。前走は２�`の斤量差でテイエムに完敗という内容でしたが、４歳時の急激な成長
　力を考えると、今回もどれだけ上積みがあるのか期待は膨らみます。やはり、血統的には
　２０００�b前後の中距離がベストかと思いますが、前走を見る限り３２００�bでも十分に
　対応できると見ています。鞍上も「平成の盾男」の異名とる武豊騎手ということで、逆転
　のシナリオは頭に描いていると思います。
　　また３番手にする馬ですが、前走阪神大賞典３着のナリタトップロードを指名しまし
　た。前２走は、テイエムの末脚に屈した感じですが、京都記念は１�`差の斤量、大賞典は
　道悪と明確な敗因があるだけに、今回の逆転劇は十分に可能と見ています。飛びの大きな
　馬だけに、良馬場で高速の京都コースに変わるのは大きなプラス材料。問題はスパートの
　タイミングかと思いますが、やはり活路を見出すには、菊花賞のようなロングスパートで
　粘り込む作戦がベストと見ています。

 第１２１回  天 皇 賞 ・ 春（Ｇ�T）枠 順 確 定

【４月３０日 芝３２００�b ５歳上オープン定量 京都】

【本線】�A−�D、�D−�J、�A−�J

【結果】
 １着 �Dテイエムオペラオー
 ２着 �Aラスカルスズカ
 ３着 �Jナリタトップロード
 単�D １７０円 複�D１００円�A１１０円�J１００円
 枠連２−５ ２９０円 馬連�A−�D ２９０円
 ワイド�A−�D １３０円 �D−�J １３０円 �A−�J １５０円

 前半１０００�bが６０秒９、中間１０００�bが６５秒９というスローペースで展開する
 中、優勝したテイエムオペラオーは道中７番手で折り合い、４コーナー手前でスパート
 すると、そのまま２強を突き放しました。着差は３／４馬身でしたが、自ら動いて力で
 ねじ伏せる横綱競馬を展開し「オペラ時代」の幕開けを印象付けました。２着のラスカ
 ルスズカは、後方３番手でじっくりと脚をため、直線での逆転を狙いましたが、最後の
 詰めがあと一歩。しかし、宝塚記念に向けて確かな手応えをつかんだと思います。３着
 のナリタトップロードは、予想通り早めに仕掛けて粘り込む作戦に出ましたが、今回は
 地力の差が出た感じ。今後の巻き返しに期待したいと思います。馬券の方は、日本全国
 の競馬ファンが買っていたと思うので、何も言うことはありません。（笑）

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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