重 賞 予 想 回 顧（２９）

   第４１回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）予 想

　　今年の古馬Ｇ�T戦線は、その出走馬の選定方法が大きく変わるということです。つまり
　今までの場合は収得賞金順と決まっていましたが、今年からＧ�T競走（３歳Ｇ�Tを除く）
　の優勝馬、および最近１年間の重賞競走優勝馬が優先され、その残りの枠を収得賞金順に
　振り分けるということです。今回の選定方法改正により一番影響を受けるのが、いわゆる
　「善戦ホース」と言われている競走馬たちで、その典型的な代表例がステイゴールドかと
　思います。無冠の帝王では大舞台を踏めない厳しい時代の到来。その前哨戦から目を離す
　ことはできません。
　　そこで今週本命にする馬ですが、前走有馬記念１０着のステイゴールドを指名しまし
　た。やはり春の天皇賞を大目標としている陣営にとって、ここはどうしても負けられない
　一戦。昨秋は、秋天→ＪＣ→有馬と古馬戦線の王道を歩んできた実力馬で、出走メンバー
　を見てもひとつ抜けた存在かと思います。ただし強弱に関係なく相手なりにしか走らない
　という最大のウィークポイントがあるのも事実。果たして２年以上も遠ざかっている勝利
　の美酒を味わうことができるのか。
　　そして対抗にする馬ですが、前走有馬記念６着のゴーイングスズカをピックアップし
　ました。有馬記念ではハナを切る展開になりましたが、優勝したグラスワンダーにコンマ
　３秒差と粘り、改めて同馬の実力を再確認できました。橋田調教師も、一戦ごとに調子を
　上げていくタイプと語っていて、中間の調教を見ても手応えは十分と見ています。この馬
　も１年半以上連絡みがなく、目黒記念を勝ったのもすでに一昨年のこと。やはり、古豪の
　復活に期待したいと思います。
　　また３番手にする馬ですが、前走アクアラインＳ１着のマチカネキンノホシを指名し
　ました。もちろん米３冠馬のシアトルスルー産駒ということで、デビュー時から期待され
　ていた一頭でしたが、ここまで結果を残せませんでした。しかし前走は準オープン戦なが
　らも新馬戦以来の勝利を飾り、復調の兆しも十分に見えてきたと思います。藤沢調教師も
　「うちの厩舎を占う大事な一戦」と、コメントを出しているようで、藤沢−岡部のホット
　ラインは今年も要注意です。

 第４１回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）枠 順 確 定

【１月２３日 芝２２００�b ５歳上オープン別定 中山】

【本線】�F−�H、�H−�J、�F−�J
【中穴】�H−�M、�F−�M、�J−�M
【大穴】�D−�H、�D−�F、�D−�J

【結果】
 １着 �Jマチカネキンノホシ
 ２着 �Hステイゴールド
 ３着 �Fゴーイングスズカ
 単�J ５６０円 複�J１７０円�H１２０円�F１６０円
 枠連６−７ ４３０円 馬連�H−�J ９５０円
 ワイド�H−�J ４１０円 �F−�J ５１０円 �F−�H ３１０円

 優勝したマチカネキンノホシは、前半１０００�b６２秒４というスローペースの流れの
 中、４〜５番手で折り合い直線で外に持ち出す。やはりゴール前で２着以下を突き放し
 た瞬発力は、今後のＧ�T戦線に向けて大変期待のできる内容だったと思います。２着の
 ステイゴールドは、スタートから早めに動いて３コーナー過ぎで先頭に立つ展開。勝ち
 パターンに持ち込んだと思いますが、最後の切れ味勝負になるとやや苦しい。今回も銀
 メダルに終わりました。３着のゴーイングスズカも先行して持ち味が出るタイプ。最後
 の直線では十分に粘りを見せたと思います。馬券の方は堅い配当でしたが、とりあえず
 ▲−◎の本線的中ということで、満足できる結果だったと思います。

   第４０回  京 成 杯（Ｇ�V）予 想

　　日本競馬界における血統革命というものは、大きく分けて３回あるそうです。第１次が
　テスコボーイを中心としたナスルーラ系、第２次がノーザンテーストを中心としたノーザ
　ンダンサー系、そして第３次がサンデーサイレンスを中心としたロイヤルチャージャー系
　ということです。その中でも今年で３０歳を迎えるノーザンテーストの功績は計り知れな
　いものがあり、８２年からの連続１１年リーディング、そして母の父ブルードメア・サイ
　ヤーとしても、まさに８０年代〜９０年代の競馬界を席巻し続けました。先週は、産駒が
　早くも今年の初勝利を挙げ、これで２２年連続の中央競馬勝利という金字塔も打ち立てま
　した。そして今週の京成杯にも有力馬を送り込み、その功績に更なる勲章を付け加えるこ
　とができるのか。
　　そこで今回本命にする馬ですが、前走葉牡丹賞１着のシティースケイプを指名しまし
　た。前走は道中ハミを取らず、その走りにまだ若さが残っていましたが、直線で抜け出す
　能力は十分に評価のできる内容だったと思います。中間ソエが出たようですが、追い切り
　も順調なようで、関係者も強気のコメントを出している模様。父は言わずと知れたノーザ
　ンテースト。今回結果を残すようなことがあれば、春のクラシックも視野に入ってくると
　期待しています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走エリカ賞２着のマイネルビンテージをピックアップ
　しました。前走はスローペースで折り合い、直線でも二の脚を使って差し返す粘りを見せ
　ました。今回はどのようなレース運びをするか注目ですが、前走のようにハナを切ること
　もなく、自在性も十分に持ち合わせている一頭と見ています。また実績の割には本賞金が
　まだ４００万円ということで、クラシックを狙う上でも、ここは陣営も勝負をかけてくる
　一戦かと思っています。
　　また３番手にする馬ですが、前走朝日杯３歳Ｓ１３着のマイネルコンドルを指名しま
　した。前走の成績は久々での参戦や、３〜４コーナーで不利があったために度外視。距離
　的にも千六よりも、今回の二千の方が能力を発揮できると見ています。血統的にも、今の
　パワーのいる馬場状態なら同馬にとってはプラス材料。もちろん出走メンバー中、唯一の
　重賞ウイナーということで、ここは格で押し切る可能性も十分あると思います。展開次第
　では、あっさりの場面も考えています。

 第４０回  京 成 杯（Ｇ�V）枠 順 確 定

【１月１６日 芝２０００�b ４歳オープン別定 中山】

【本線】�C−�J、�C−�G、�G−�J
【中穴】�C−�F、�F−�J、�F−�G
【大穴】�B−�C、�B−�J、�B−�G

【結果】
 １着 �Jマイネルビンテージ
 ２着 �Aイーグルカフェ
 ３着 �Bフェリシタル
 単�J ４４０円 複�J１７０円�A５３０円�B３１０円
 枠連２−７ ４９６０円 馬連�A−�J ５４１０円
 ワイド�A−�J １４６０円 �B−�J ６６０円 �A−�B ２０９０円

 優勝したマイネルビンテージは、前半１０００�b６２秒６というスローペースの流れの
 中、押し出されるようにしてハナに立ちレースを組み立てました。４コーナーの手前で
 後ろから来られて早めに動く展開になりましたが、最後の直線ではしぶとい粘りを見せ
 て見事に逃げ切りました。２着のイーグルカフェは、道中１０〜１１番手と後方で折り
 合い、直線に入ると馬群を縫うように伸びてきました。やはり岡部騎手の好騎乗が光っ
 た一戦だったと思います。３着のフェリシタルは、中団からの展開で、４コーナーでは
 外目をついて進出。最後の直線でも、その実力を十分に発揮できたと思います。今後に
 向けて期待のできる一頭か。本命に推したシティースケイプは、勝負所での反応がイマ
 イチで、直線でも思ったほど伸びませんでした。馬券の方は、イーグルカフェが無印の
 ため惨敗という結果でした。早くワイド対応のＰＡＴが欲しい！！

   第４回  ガ ー ネ ッ ト Ｓ（Ｇ�V）予 想

　　２０００年度を迎えた日本競馬界ですが、まさに今年は「競走体系」が大幅に改善され
　る変革元年ということで、我々競馬ファンにとっても予想に対する新しいスタンスが必要
　となる時代がやってきたと思います。また今年はオリンピックイヤーということで、過去
　のデータを見てもスーパーホースを数多く輩出してきた運命の年回りでもあります。古く
　は【５６年】のハクチカラ【６０年】のコダマ、そして東京オリンピックの【６４年】に
　は３冠馬のシンザン、さらに【６８年】は、タケシバオー、マーチス、アサカオーという
　元祖３強が登場【７６年】には、歴史に残る「ＴＴＧ」の華やかなる時代【８４年】には
　あのシンボリルドルフが満を持して登場【８８年】は、競馬界に一大旋風を巻き起こした
　オグリキャップの時代【９２年】は、２冠馬ミホノブルボン、そして【９６年】は、奇跡
　の末脚フサイチコンコルドがデビュー３戦目でダービー馬に・・・。果たして今年の競馬
　界には、一体どのような名馬が登場するのか。２１世紀を見据えた新たなる時代の到来を
　大いに楽しみたいと思います。
　　さてそこで今週本命にする馬ですが、前走スプリンターズＳ８着のセレクトグリーン
　を指名しました。前走では芝のスピードに対応できず馬群に沈みましたが、前々走の根岸
　Ｓでは、１分９秒２というレコードタイムで圧勝しました。やはりダートの短距離戦での
　破壊力は他馬の追随を許さず、現時点ではＮＯ．１と言っても過言ではないと思います。
　中間の状態も坂路の４Ｆで５０秒台を連発ということで、今回も展開次第では圧勝も十分
　にあり得ると考えています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走シリウスＳ４着のゲイリーコンドルをピックアップ
　しました。ここ２戦の内容を見ると、脚質的にどうしても終いが甘くなりゴール前で一杯
　となる展開。しかし今回は中山の短い直線ということで、上手く流れに乗れば逆転の可能
　性も十分にあると見ています。問題は同タイプのトキオパーフェクトとの折り合い面だけ
　ですが、ガチガチと競り合わずに２番手に控えることさえできれば、ゴール前での粘りも
　実力以上に発揮できると思います。
　　また３番手にする馬ですが、前走師走Ｓ１着のグラスグラードを指名しました。前走
　は、道中４番手からゴール前で他馬を完封し、着差以上に評価のできる内容だったと思い
　ます。これでダートは２戦２勝ということで、適性に関しては芝よりも持ち味を生かせる
　ような気がします。４歳時には共同通信杯で１番人気に推された実力馬（しかしこの時は
　１１万馬券の演出をしていますが）、今回も一発の可能性を十分に秘めている要注意馬と
　思っています。

 第４回  ガ ー ネ ッ ト Ｓ（Ｇ�V）枠 順 確 定

【１月９日 ダート１２００�b ５歳上オープン別定 中山】

【本線】�A−�D、�D−�J、�A−�J
【中穴】�D−�M、�A−�M、�J−�M
【大穴】�C−�D、�A−�C、�C−�J

【結果】
 １着 �Mビーマイナカヤマ
 ２着 �Dセレクトグリーン
 ３着 �Lキングオブジェイ
 単�M ２６９０円 複�M３６０円�D１１０円�L２８０円
 枠連３−８ １２２０円 馬連�D−�M １５２０円
 ワイド�D−�M ７００円 �L−�M １７９０円 �D−�L ５３０円

 優勝したビーマイナカヤマは、道中４番手と絶好の位置取りから、直線での叩き合いを
 制してＪＲＡ重賞初制覇を達成。展開的にも上位人気３頭が競り合う中、その後方から
 一瞬のチャンスを狙った鹿戸騎手の好騎乗が光りました。２着のセレクトグリーンは、
 道中２〜３番手という正攻法の展開から直線でもよく伸びましたが、最後の詰めがあと
 一歩。３着のキングオブジェイも、道中５〜６番手と楽な追走から直線でも粘りを見せ
 ましたが、ゴール前での末脚が甘い感じ。馬券の方は、とりあえず注−◎の的中という
 ことで、配当的にはやや満足できる結果でした。

   第４４回  有 馬 記 念（Ｇ�T）予 想

　　「背水の陣」・・・それは漢の上将軍の韓信が、趙軍を相手にした時の奇策で、兵法上
　で最も「凶」とされる陣形をあえて逆手にとり、見事自軍を勝利に導いた伝説の戦いでし
　た。韓信軍二万に対する趙軍は二十万という大軍。この絶体絶命の状況の中、韓信が指示
　したのは、敵前を流れる河の内側に陣を布くことでした。この布陣を見た趙軍は「韓信は
　兵法を知らない」と嘲笑い、一気に押し潰そうと全軍が城の門を開き韓信軍に突進。全滅
　かと思われたその瞬間、後方で待機していた二千の別働部隊が趙軍の空き城を急襲。形勢
　は一気に逆転し、大軍を擁する趙軍は大混乱を引き起こして潰滅しました・・・。今回の
　有馬記念でも「背水の陣」を布いた陣営の一発大逆転劇があるのでしょうか。その運命の
　瞬間を固唾を飲んで見守ろうと思っています。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走天皇賞（秋）１１着のメジロブライトを指名し
　ました。前走では、距離や展開が合わず２ケタ着順と馬群に沈みましたが、今回は得意の
　中山競馬場ということで、昨年の再現も十分に期待できると思います。展開的にも強力な
　逃げ馬がいないだけに、人気のＧＳが先に動いた場合、この馬の持っている瞬発力で一発
　大逆転の可能性も。やはり「最強の世代」をすぐ下に持つ現在の６歳馬にとって、ここは
　「背水の陣」でのぞむ一戦か。
　　そして対抗にする馬ですが、前走毎日王冠１着のグラスワンダーをピックアップしま
　した。毎日王冠を勝った後に筋肉痛を発症し、ジャパンカップを使えなかったのは非常に
　残念でしたが、逆に不得意の東京競馬場をパスすることで、今回の一戦は疲労度も少なく
　１００％の状態でのぞめると期待しています。７月に行われた宝塚記念では、スペシャル
　ウィークに３馬身の差をつけての圧勝劇。有馬記念連覇という離れ業をいとも簡単に達成
　する可能性は大。
　　そして３番手にする馬ですが、前走ジャパンカップ１着のスペシャルウィークを指名
　しました。この馬に関しては、もはや何も言うことはありませんが、最強世代の一角とし
　て残した実績は、過去に殿堂入りした名馬たちに並び称されると思っています。もちろん
　鞍上の武豊騎手も、宝塚記念の完敗が頭にあると思うので、今回どのような手綱さばきを
　見せるのか非常に楽しみです。９０年代最後の有馬記念、そのラストシーンをを華やかに
　飾るのは、スペシャル＆武豊しかいないのか。

 第４４回  有 馬 記 念（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月２６日 芝２５００�b ４歳上オープン馬齢 中山】

【本線】�F−�L、�B−�L、�B−�F
【中穴】�@−�L、�@−�F、�@−�B
【大穴】�I−�L、�F−�I、�B−�I

【結果】
 １着 �Fグラスワンダー
 ２着 �Bスペシャルウィーク
 ３着 �Jテイエムオペラオー
 単�F ２８０円 複�F１４０円�B１４０円�J２６０円
 枠連２−４ ４５０円 馬連�B−�F ４７０円
 ワイド�B−�F ２４０円 �F−�J ６２０円 �B−�J ７５０円

 優勝したグラスワンダーは、超スローペースの流れの中、後方でじっくりと折り合い、
 ３〜４コーナーの勝負所で大外を回りスパート。最後の直線ではスペシャルウィークの
 猛追をハナ差おさえて、有馬→宝塚→有馬というグランプリ３連覇の大快挙を達成しま
 した。来年は凱旋門賞に挑戦するプランもあるそうで、ぜひ日本代表馬としての活躍に
 期待したいと思います。２着のスペシャルウィークは、シンガリからの展開で、グラス
 を徹底マーク。武豊騎手も仕掛けをワンテンポ遅らせる最高の騎乗で、ゴール前では、
 一瞬差し切ったような感じでした。３着のテイエムオペラオーは、道中４〜５番手とい
 う展開から、３コーナー過ぎの勝負所でスパート。最後の直線でもよく伸びて、両横綱
 にクビ差まで迫った末脚は高く評価できると思います。馬券の方は１番人気のガチガチ
 配当ということで、的中しても大損という結果でした。それにしても、１９００年代の
 最後を締め括る素晴らしいレースだったと思います。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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