重 賞 予 想 回 顧(28)
第33回 ス プ リ ン タ ー ズ S(GT)予 想
競馬の世界で1センチの差を時間に換算すると、およそ1万分の6秒になるそうです。
この本当に僅かな間で勝敗を決したレースが、96年のスプリンターズSでした。逃げる
エイシンワシントンを追走するフラワーパーク。直線で2頭の馬体が重なると、そのまま
首の上げ下げのままゴール板を駆け抜けました。長い判定の後、勝利の女神が微笑んだの
は田原騎手のフラワーパーク。ほんの爪の先のような僅差で涙を飲んだのが、熊沢騎手の
エイシンワシントンでした。スリット写真を見ても、全く同じ線上に2頭の鼻先が存在し
ているような感じで、心情的には今でも同着でもよかったと思っています。さあ果たして
今年は、一体どのようなドラマを見ることができるのでしょうか。その感動の瞬間を静か
に見守ろうと思います。
そこで今年本命にする馬ですが、前走マイルCS2着のキングヘイローを指名しまし
た。もちろん4歳時にはクラシックを歩んできた馬で、今回1200bは初挑戦。ただし
折り合い面に関しては全く心配のない距離で、逆にこの馬の潜在能力を全て出し切ること
ができると期待しています。またデータ的にも夏場に弱く、全5勝は10月〜3月の寒い
時期にあげていることも要注意。世界的な良血がここで開花するのか。鞍上の福永騎手も
2週連続のGT制覇を狙っています。
そして対抗にする馬ですが、前走CBC賞1着のアグネスワールドをピックアップし
ました。この馬は函館3歳S優勝の後、脚部不安のために放牧。4歳になっても回復せず
に、完全復活は5歳の夏。そして大輪の花を咲かせたのが10月に行われた仏GTのアベ
イユ・ド・ロンシャン賞でした。やはり今回問題となるのは、中山の坂への対応かと思い
ますが、絶対的なスピードを持つ同馬にとって杞憂に終わる可能性も。武豊騎手がどのよ
うな手綱さばきを見せるのか楽しみです。
また3番手にする馬ですが、前走マイルCS3着のブラックホークを指名しました。
これまでGT戦では、厚い壁にはね返されている感じですが、この馬のスピード&パワー
は、中山の千二でこそ発揮されると期待しています。中間の状態も2週連続坂路で34秒
台をマークしているということで、陣営の意気込みが十分に伝わってきます。展開的にも
ハイペースが予想されるだけに、まさに瞬発力で勝負する同馬にとっては理想的。鞍上の
横山典騎手も、今回はGT制覇のビッグチャンス。
第33回 ス プ リ ン タ ー ズ S(GT)枠 順 確 定
枠 | 馬 | 予想 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | コメント |
1 | @ | 注 | マサラッキ | 牡7 | 藤 田 | 57 | 前走CBC賞2着で短距離チャンプに王手 |
A | ・ | ビッグサンデー | 牡6 | 武 幸 | 57 | 前走マイルCS18着調子が上がれば上位 |
2 | B | ・ | キョウエイマーチ | 牝6 | 秋 山 | 55 | 前走マイルCS5着で可能性は十分にある |
C | ・ | トキオパーフェクト | 牡5 | 岡 部 | 57 | 前走根岸S2着叩き2戦目変わり身あれば |
3 | D | ○ | アグネスワールド | 牡5 | 武 豊 | 57 | 前走CBC賞1着世界のスプリンター登場 |
E | △ | レッドチリペッパー | 牝4 | ロバーツ | 53 | 前走富士S1着で意外性は十分にある一頭 |
4 | F | ・ | スピードスター | 牡7 | 上 村 | 57 | 前走CBC賞5着で穴馬として要注意の馬 |
G | ・ | メジロダーリング | 牝4 | 吉 田 | 53 | 前走京洛S1着で大金星のチャンスもある |
5 | H | ・ | セレクトグリーン | 牡5 | 田中勝 | 57 | 前走根岸S1着で芝コースの対応が問題か |
I | ▲ | ブラックホーク | 牡6 | 横山典 | 57 | 前走マイルCS3着でGT制覇のチャンス |
6 | J | ・ | シンコウフォレスト | 牡7 | 四 位 | 57 | 前走CBC賞10着で今回復活の可能性も |
K | ・ | フェイマスケイ | 牡6 | 嶋 田 | 57 | 前走CBC賞6着で展開次第で上位もある |
7 | L | ◎ | キングヘイロー | 牡5 | 福 永 | 57 | 前走マイルCS2着悲願のGT制覇を狙う |
M | ・ | トロットスター | 牡4 | ムルタ | 55 | 前走富士S4着で軽視のできない実力馬か |
8 | N | ・ | ザカリヤ | 牡4 | 柴田善 | 55 | 前走マイルCS12着流れに乗れば上位も |
O | ・ | マイネルラヴ | 牡5 | 蛯 名 | 57 | 前走富士S13着で2連覇の可能性もある |
【12月19日 芝1200b 4歳上オープン定量 中山】
【本線】D−L、I−L、D−I
【中穴】@−L、@−D、@−I
【大穴】E−L、D−E、E−I
【結果】
1着 Iブラックホーク
2着 Dアグネスワールド
3着 Lキングヘイロー
単I 380円 複I130円D120円L200円
枠連3−5 450円 馬連D−I 630円
ワイドD−I 280円 I−L 450円 D−L 480円
優勝したブラックホークは、前半33秒2というハイペースの流れの中、4〜5番手で
折り合いゴール前でキッチリとアグネスワールドを差し切りました。やはり1200b
という距離で、この馬の末脚が生きたと思います。来年以降の短距離戦線をリードして
いく存在。2着のアグネスワールドは、先行して自ら勝ちに行っての結果。やはり勝負
所でマイネルラヴに絡まれたのが敗因か。しかし内容的には、十分に評価のできる走り
だったと思います。3着のキングヘイローは、スタートでの出遅れがすべて。直線では
13頭ゴボウ抜きという離れ業を見せましたが、この展開では3着までが精一杯。今回
9回目のGT挑戦も善戦で終わりました。馬券の方は、とりあえずガチガチの1番人気
でしたが▲−○で的中。ワイドの方も本線予想が全て的中。早くPATでワイド馬券を
買いたいものです。
第51回 朝 日 杯 3 歳 S(GT)予 想
1988年6月5日、爽やかな風が吹き抜ける東京競馬場。サクラチヨノオーが優勝し
たダービーから1週間後のこの日、日本全国の競馬ファンを震撼させる「事件」が起こり
ました。オグリキャップの東上初戦のNZT4歳S。鞍上の河内騎手が持ったままで記録
したタイムが1分34秒0。それは5月に行われた安田記念のニッポーテイオーのタイム
を軽く上回るものでした。大川和彦アナウンサーの実況も「持ったまま、オグリキャップ
持ったまま。追っていない、追っていない、河内は、河内は手綱を持ったままです!!」
という強烈な内容。まさに、このレースは競馬界全体にオグリという馬の「凄さ」を知ら
しめた一戦だったと思います。そして今年、そのオグリと同じ笠松競馬場出身という一頭
の希望の星が現れました。果たして「その馬」は、オグリと同じようなスター街道を歩む
ことができるのでしょうか?それとも・・・。
そこで今回本命にする馬ですが、前走デイリー杯3歳S1着のレジェンドハンターを
指名しました。もちろん地方の笠松出身ということで、心情的にも応援したくなる一頭で
すが、実力的には同世代を凌駕する素質を十分に持っていると思います。前走では抜群の
スタートから楽に先手を奪い、そのままのスピードで他馬を子供扱いにする最高の内容。
安藤勝己騎手も「乗り味は(オグリを含め)これまでの中で最高」という絶賛のコメント
を出しています。
そして対抗にする馬ですが、前走東スポ杯3歳S2着のトップコマンダーを指名しま
した。前走は4コーナー9番手から追い込むという新境地を切り開き、今回も展開次第で
は一発も十分に考えられると思います。また栗東と東京競馬場の間を2度も往復する経験
も積み、長距離輸送に関しては全く問題なし。マイルの早い展開への対応が少し心配です
が、前走のような鋭い末脚を使うことができれば、崎山厩舎に初のGTタイトルを贈るこ
とも可能と期待しています。
また3番手にする馬ですが、前走デイリー杯3歳S2着のラガーレグルスを指名しま
した。前走はレジェンドハンターの逃げに屈しましたが、34秒1というメンバー中最高
の上がりタイムで、この馬の実力は十分に見せたと思います。父は注目の内国産新種牡馬
のサクラチトセオーで、特にマイル戦に関しては、その産駒も相当に期待ができると見て
います。厳しい種牡馬戦線において、ここはどうしても「3歳チャンプ」の称号が欲しい
ところか。
第51回 朝 日 杯 3 歳 S(GT)枠 順 確 定
枠 | 馬 | 予想 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | コメント |
1 | @ | ・ | エンドアピール | 牡3 | 的 場 | 54 | 前走京王杯3歳S4着千六での対応がカギ |
A | ・ | シアトルフレーム | 牡3 | 柴田善 | 54 | 前走京王杯3歳S11着意外性はある馬か |
2 | B | 注 | マチカネホクシン | 牡3 | 武 豊 | 54 | 前走東スポ杯3歳S3着今回要注意の一頭 |
C | ・ | マイネルコンドル | 牡3 | 伊藤直 | 54 | 前走札幌3歳S1着でGT制覇の可能性も |
3 | D | ・ | サクラデインヒル | 牡3 | 田中勝 | 54 | 前走芙蓉S2着調子が上がれば一発もある |
E | ・ | ファミリータイズ | 牡3 | ロバーツ | 54 | 前走東スポ杯3歳S8着でチャンスもある |
4 | F | ○ | トップコマンダー | 牡3 | 松永幹 | 54 | 前走東スポ杯3歳S2着で一発の可能性も |
G | ・ | グラスベンチャー | 牡3 | 村 田 | 54 | 前走500万1着流れに乗れば上位もある |
5 | H | ◎ | レジェンドハンター | 牡3 | 安藤勝 | 54 | 前走デイリー杯3歳S1着で笠松期待の星 |
I | ・ | エイシンプレストン | 牡3 | 福 永 | 54 | 前走新馬戦1着で未知の魅力がある一頭か |
6 | J | ・ | エイシンコジーン | 牡3 | 藤 田 | 54 | 前走かえで賞3着で展開がハマれば上位も |
K | ・ | ダンツキャスト | 牡3 | 幸 | 54 | 前走かえで賞1着で軽視のできない実力馬 |
7 | L | ・ | ショウナンラルク | 牡3 | 吉 田 | 54 | 前走500万1着展開次第で上位もある馬 |
M | ▲ | ラガーレグルス | 牡3 | 佐藤哲 | 54 | 前走デイリー杯3歳S2着大金星もある馬 |
8 | N | ・ | ファイターナカヤマ | 牡3 | 横山典 | 54 | 前走福島3歳S1着で今回チャンス到来か |
O | △ | ノボジャック | 牡3 | 岡 部 | 54 | 前走京王杯3歳S2着可能性は十分にある |
【12月12日 芝1600b 3歳牡・セン馬オープン馬齢 中山】
【本線】F−H、H−M、F−M
【中穴】B−H、B−F、B−M
【大穴】H−O、F−O、M−O
【結果】
1着 Iエイシンプレストン
2着 Hレジェンドハンター
3着 Bマチカネホクシン
単I 850円 複I270円H140円B160円
枠連5−5 1630円 馬連H−I 1620円
ワイドH−I 690円 B−I 900円 B−H 440円
優勝したエイシンプレストンは、道中8〜9番手と後方からの展開でしたが、直線に入
るとインから抜け出し、レジェンドハンターをゴール前でキッチリと差し切りました。
レース的には完全に流れにハマった感じですが、この馬の切れ味は今後に向けて相当に
期待できる思います。2着のレジェンドハンターは、道中3番手から3コーナー過ぎで
一気にスパート。最後は勝ち馬に差されましたが、内容的には非凡な所を十分に見せた
と思います。スタート直後に引っ掛かる場面もあったので、今後は折り合い面に課題が
残った気がします。3着のマチカネホクシンは最後方からの展開で、武豊騎手が上手く
乗ったと思いますが、最後の詰めがあと一歩。馬券の方は、エイシンプレストンが無印
のため完敗という結果でした。
第19回 ジ ャ パ ン カ ッ プ(GT)予 想
かつて、あのシンザンと激闘を繰り返してきた、ウメノチカラの伊藤竹男騎手の証言が
あります。「シンザンに乗っていた栗田より、負けた自分の方が、その強さをよく知って
いるのではないか・・・」このことからも、今年の凱旋門賞でモンジューとマッチレース
を演じた蛯名正義騎手こそが、その「真の強さ」を知っている存在なのかもしれません。
エルコンドルパサーが逃げる展開で始まった第78回凱旋門賞。その美しくも力強い走り
に、無限の可能性を見出しながらも、直線で体験したあのモンジューの圧倒的な末脚は、
やはり欧州競馬の「歴史と伝統」の凄さを思い知らされた瞬間だったと思います。今回は
その戦いの舞台を、ブローニュの森から、府中の杜へと移すわけですが、果たして我々は
どのような競馬を見ることができるのでしょうか。日本馬にとって今年の外国馬の影は、
遥かに遠い存在なのでしょうか。
そこで今回本命にする馬ですが、前走凱旋門賞1着のモンジューをピックアップしま
した。もちろん、今年の成績を見ても仏ダービーと愛ダービーを圧勝し、前走の凱旋門賞
も、99年のベスト・パフォーマンスと評価を受ける最高の内容。過去に参戦した外国馬
と比べても、屈指の能力の持ち主と期待しています。問題は、東京の硬い馬場への適性と
言われていますが、エルコンドルパサーを差し切った豪脚を考えると、特に心配すること
はないと思っています。史上初の凱旋門賞→ジャパンカップ制覇という大快挙を見ること
ができるのか。
そして対抗にする馬ですが、前走天皇賞(秋)1着のスペシャルウィークを指名しま
した。昨年の日本ダービー馬で、今年も春秋の天皇賞を制し、間違いなく日本の代表格と
評価できると思います。やはり厳しい競馬でこそ、その能力がフルに発揮されるSS産駒
ということで、激戦が予想される今回も力強く抜け出す場面に期待したいです。ただし、
前走一気に−16`減らした反動も多分にあると思うので、当日の馬体重は要チェック。
もちろん馬場に関しては、得意の東京2400bということで、地の利を十分に生かして
もらいたいです。
また3番手にする馬ですが、前走菊花賞3着のラスカルスズカをピックアップしまし
た。橋田調教師をはじめ、関係者も来年以降の成長に期待するとのコメントを出していま
すが、この馬の持っている潜在能力は、兄のサイレンススズカ以上かもしれません。本当
に僅かなキャリアながらも、京都で見せたあの33秒台の末脚は、やはり一流馬の証しと
思っています。もし今回それなりの結果を残すことになれば、来年この馬の時代がやって
くることは間違いなく、着順よりも内容の方を重要視したいと思います。もちろん、逆転
の可能性も十分にある一頭と期待しています。
第19回 ジ ャ パ ン カ ッ プ(GT)枠 順 確 定
枠 | 馬 | 予想 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | コメント |
1 | @ | 注 | タイガーヒル | 牡5 | ヘリヤー | 57 | 独国、16戦10勝、バーデン大賞優勝馬 |
2 | A | ・ | ウメノファイバー | 牝4 | 蛯 名 | 53 | 前走秋華賞4着得意の東京一発の可能性も |
B | ・ | アンブラスモア | 牡6 | 須 貝 | 57 | 前走天皇賞(秋)6着展開次第で前残りも |
3 | C | ・ | スティンガー | 牝4 | 横山典 | 53 | 前走天皇賞(秋)4着流れに乗れば一発も |
D | ・ | オースミブライト | 牡4 | 武 幸 | 55 | 前走菊花賞8着調子が戻れば上位もある馬 |
4 | E | ▲ | ラスカルスズカ | 牡4 | 柴田善 | 55 | 前走菊花賞3着で未知の可能性がある一頭 |
F | ・ | インディジェナス | セン7 | ホワイト | 57 | 香港、36戦15勝、香港ゴールドC優勝 |
5 | G | ・ | スエヒロコマンダー | 牡5 | 藤 田 | 57 | 前走カシオペアS7着変り身あれば上位も |
H | 取消 | アルボラーダ | 牝5 | ダフィールド | 55 | 英国、10戦6勝、英チャンピオンS優勝 |
6 | I | △ | ステイゴールド | 牡6 | 熊 沢 | 57 | 前走天皇賞(秋)2着大金星のチャンスか |
J | ・ | フルーツオブラヴ | 牡5 | ロバーツ | 57 | 英国、18戦4勝、ハードウィックS優勝 |
7 | K | ・ | ハイライズ | 牡5 | デットーリ | 57 | 英国、9戦4勝、98年英ダービー優勝馬 |
L | ○ | スペシャルウィーク | 牡5 | 武 豊 | 57 | 前走天皇賞(秋)1着日本代表馬の意地を |
8 | M | ◎ | モンジュー | 牡4 | キネーン | 55 | 仏国、8戦7勝、仏ダービー凱旋門賞優勝 |
N | ・ | ボルジア | 牝6 | ペリエ | 55 | 仏国、20戦5勝、97年独ダービー優勝 |
【11月28日 芝2400b 4歳上オープン定量 東京】
【本線】L−M、E−M、E−L
【中穴】@−M、@−L、@−E
【大穴】I−M、I−L、E−I
【結果】
1着 Lスペシャルウィーク
2着 Fインディジェナス
3着 Kハイライズ
単L 340円 複L160円F1580円K600円
枠連4−7 1510円 馬連F−L 23190円
優勝したスペシャルウィークは、道中9〜10番手で折り合い、第3コーナー過ぎから
早めにスパートする横綱競馬を展開。直線に入ってから抜け出す瞬発力は、まさに世界
レベルと評価できると思います。今回の一戦で、年度代表馬も完全に視野に入ってきた
感じです。2着のインディジェナスは、3番手の展開から直線でも粘り強い末脚で伸び
てきました。鞍上ホワイト騎手の好騎乗が光った一戦だったと思います。やはり、空輸
時間の関係から、今後もピンポイントで参戦してくる香港勢は要注意か。3着のハイラ
イズは、道中6番手から早めの仕掛けでしたが、直線でもバテずに英ダービー馬の底力
を十分に見せたと思います。4着のモンジューは、やや仕掛けが遅れたのが勝ち馬との
差かもしれませんが、初めての硬い馬場の対応としては大善戦で、決して評価の下がる
内容ではなかったと思います。今回馬券の方は、インディジェナスが無印のため惨敗と
いう結果に終わりました。
第16回 マ イ ル C S(GT)予 想
1990年1月20日、アメリカの競馬週刊誌「ブラッドホース」のトップに衝撃的な
記事が躍りました。「SAYONARA GOODBYE HALO:SOLD TO
JAPAN FOR $2.1 MILLION」(さよならグッバイヘイロー:210
万ドルで日本へ)つまり、ケンタッキー・オークスをはじめ、米GTを7勝もした歴史的
名牝グッバイヘイローが、日本に売却されるという記事でした。当時は、サンデーサイレ
ンスなどの種牡馬も輸入されていますが、このような牧場の将来を担う名牝を手放すこと
は、ほとんど皆無に近いということで、アメリカのホースマンたちにとっては、衝撃的な
「大事件」だったということです。そして、このグッバイヘイローに、世界的な大種牡馬
ダンシングブレーヴを交配させて誕生したのが「キングヘイロー」ということで、生まれ
故郷を去り、遥か遠い異国で頑張る「偉大なる母」に贈るのは、もうGTのタイトルしか
ないのかもしれません。
そこで今年本命にする馬は、前走天皇賞(秋)7着のキングヘイローを期待を込めて
ピックアップしました。もちろんダンシングブレーヴ×グッバイヘイローという超良血馬
同士の配合から、これまでもGTを勝って当然という位置付けだったと思います。しかし
気性面に問題があり、大事なレースで折り合いを欠くことが続き、ビッグタイトルを逃し
てきました。ただし、この秋2戦を見ると復調の気配も十分に感じとることができる内容
で、今回の京都マイル戦は、同馬にとって最高の舞台が整ったと思います。福永騎手と伴
に再び栄光を取り戻すことができるのか。
そして対抗にする馬ですが、前走天皇賞(秋)3着のエアジハードをピックアップし
ました。前走の秋天は、4ヵ月半の休養明けというぶっつけ本番で臨み、前半1000b
が58秒0という超ハイペースの中、先行しての3着という大健闘の内容だったと思いま
す。もちろん一度叩いたことで、状態も確実に上向きで、初の京都コースも環境に動じる
タイプではなく問題はないということ。来月は日本代表として「香港カップ」への参戦も
決まり、更に来年は「ジャック・ル・マロワ賞」も視野に入っているということで、ここ
はどうしても負けられない一戦か。
また3番手にする馬ですが、前走スワンS1着のブラックホークをピックアップしま
した。前走は相手に恵まれたという評価もありますが、正攻法の競馬で上がりも33秒6
という文句のない内容。ゴール前でも十分に押える余裕があったと思います。やはりこの
馬の持っているポテンシャルの高さを実感できる一戦でした。もちろん血統も父が世界的
なスピード馬を数多く輩出しているヌレイエフ。また、母の父もシルヴァーホークという
ことで、まさにマイラーとしての資質は折り紙つき。今回は鞍上も武豊騎手に乗り替り、
GT奪取に向けて万全の準備が整いました。
第16回 マ イ ル C S(GT)枠 順 確 定
枠 | 馬 | 予想 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | コメント |
1 | @ | ・ | ビッグサンデー | 牡6 | 武 幸 | 57 | 前走スワンS3着展開ハマれば一発もある |
A | ・ | ドラゴンライト | 牡6 | 松永幹 | 57 | 前走アイルランドT11着穴馬として注意 |
2 | B | ・ | ダイワテキサス | 牡7 | 四 位 | 57 | 前走天皇賞(秋)9着調子が戻っていれば |
C | ・ | エイシンガイモン | 牡7 | 芹 沢 | 57 | 前走セントウルS1着今回チャンス到来か |
3 | D | △ | エイシンルバーン | 牡4 | 熊 沢 | 55 | 前走カシオペアS1着伏兵馬として要注意 |
E | ○ | エアジハード | 牡5 | 蛯 名 | 57 | 前走天皇賞(秋)3着マイル王へ視界良好 |
4 | F | ・ | ザカリヤ | 牡4 | 柴田善 | 55 | 前走毎日王冠10着軽視のできない実力馬 |
G | ・ | アドマイヤカイザー | 牡4 | 横山典 | 55 | 前走カシオペアS2着一発の可能性もある |
5 | H | ◎ | キングヘイロー | 牡5 | 福 永 | 57 | 前走天皇賞(秋)7着今回復活のチャンス |
I | 注 | キョウエイマーチ | 牝6 | 秋 山 | 55 | 前走南部杯2着で展開ハマれば可能性ある |
6 | J | ・ | チェックメイト | 牡5 | 藤 田 | 57 | 前走清水S1着で流れに乗れば上位もある |
K | ・ | ミッドナイトベット | 牡6 | 河 内 | 57 | 前走毎日王冠8着で変り身があれば面白い |
7 | L | ・ | スピードスター | 牡7 | 上 村 | 57 | 前走福島民友C5着展開次第で上位もある |
M | ・ | ブリリアントロード | 牡5 | 山田和 | 57 | 前走京都大賞典4着意外性があり要注意か |
N | ▲ | ブラックホーク | 牡6 | 武 豊 | 57 | 前走スワンS1着でGT制覇へ虎視眈々か |
8 | O | ・ | ニッポーアトラス | 牡6 | ロバーツ | 57 | 前走アイルランドT1着大金星の可能性も |
P | ・ | エイシンキャメロン | 牡4 | 安藤勝 | 55 | 前走スワンS11着上積みがあれば上位も |
Q | ・ | スギノキューティー | 牝5 | 石 橋 | 55 | 前走府中牝馬S14着で調子さえ上がれば |
【11月21日 芝1600b 4歳上オープン定量 京都】
【本線】E−H、H−N、E−N
【中穴】H−I、E−I、I−N
【大穴】D−H、D−E、D−N
【結果】
1着 Eエアジハード
2着 Hキングヘイロー
3着 Nブラックホーク
単E 220円 複E110円H230円N130円
枠連3−5 520円 馬連E−H 1110円
前半1000bの通過タイムが、57秒5というハイペースの流れの中、エアジハード
は中団から徐々に進出。直線に入ると力強く抜け出し、他馬を圧倒する横綱競馬だった
と思います。これで春の安田記念に続くGT制覇となり、春秋の統一マイル王の座を勝
ち取りました。2着のキングヘイローは、3〜4コーナーで勝ち馬の後ろから追う展開
となりましたが、最後の直線は鋭い末脚で同馬の能力は出し切ったと思います。3着の
ブラックホークは、正攻法の競馬から直線でエアジハードとの叩き合いに。しかし最後
の決め手勝負でやや差が出た感じで、今後の巻き返しに期待したいと思います。4着の
アドマイヤカイザーは、34秒4の末脚で大善戦の内容。来年に向けて可能性が見えて
きたと思います。馬券の方は、とりあえず○−◎の的中ということで、今回は久しぶり
に満足できる結果だったと思います。
※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
発表の成績表と照合して下さい。
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