重 賞 予 想 回 顧（２１）

   第４０回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）予 想

　　１９９５年１月２２日、この日の中山競馬場は深い霧の中に沈んでいました。第３６回
　のＡＪＣＣは、このような状況の中、出走馬１０頭の精鋭によって競われました。今から
　考えても、ホクトベガ、ツインターボ、ステージチャンプ、シャコーグレイド、といった
　超個性派がそろった一戦で、レースを制したのは、最後の直線で驚異の瞬発力を発揮した
　サクラチトセオーでした。向正面では、真っ白なターフビジョンの映像を見ながら、ツイ
　ンターボだけは大逃げを打っていると、想像の中で追っている自分がありました。今年も
　競馬ファンを唸らせるようなレースに期待しています。
　　そこで、今回本命にする馬ですが、前走ジャパンカップ３着のスペシャルウィークを
　指名しました。もちろん昨年のダービー馬で、古馬になった今年は競馬界を背負って立つ
　存在と思っています。問題は状態面だけで、今週の追い切りを見る限りでは、動きの面で
　まだ仕上がり途上といった感じは否定できないと思いますが、ＳＳ産駒に見られるレース
　に行っての抜群の勝負強さに期待しています。今回は武豊騎手が海外遠征のため、鞍上が
　オリビエ・ペリエ騎手ということなので、世界トップレベルの騎乗技術をじっくりと堪能
　したいと思っています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走冬至Ｓ１着のメジロランバートをピックアップしま
　した。前走ではトップハンデの５７�`を背負いながらも、他馬を全く寄せ付けない圧勝劇
　でした。もちろん菊花賞では、スペシャルウィークに０秒１差の４着という実績もあるの
　で、準オープン戦では当然の結果と思っています。父メジロライアン、母の父ミスターシ
　ービーということで、内国産馬ファンにとっては、９９年期待の一頭かと思っています。
　今回は斤量も５６�`ということで、スペシャルウィークとは２�`差。逆転の可能性は相当
　に高いと見ています。
　　また、３番手にする馬は、前走中山金杯１着のサイレントハンターを指名しました。
　前走は、前半６１秒２−後半５９秒６という完璧なラップで逃げ切り勝ちを飾り、本当に
　マイペースに持ち込んだ時の同馬のしぶとさは要注意かと思っています。今回は同じ逃げ
　馬のメジロスティードの出方が問題ですが、折り合い面に関しては、かなり成長が見られ
　るので心配はないと思っています。また時計の速いＣコース使用でラチ沿いを通れること
　からも、重賞連覇の可能性は十分にあると見ています。

 第４０回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）枠 順 確 定

【１月２４日 芝２２００�b ５歳上オープン別定 中山】

【本線】�C−�F、�C−�I、�F−�I
【中穴】�C−�G、�F−�G、�G−�I
【大穴】�C−�D、�D−�F、�D−�I

【結果】
 １着 �Cスペシャルウィーク
 ２着 �Iサイレントハンター
 ３着 �@メジロスティード
 単�C ２００円 複�C１２０円�I１３０円�@５９０円
 枠連４−８ ３６０円 馬連�C−�I ３８０円

 状態面にやや不安が残る中での一戦でしたが、やはりスペシャルウィークがダービー馬
 の貫禄で圧勝という素晴らしい内容でした。前半１０００�bのラップが６３秒６という
 スローペースの展開の中、スタンド前で少し掛かる場面もありましたが、鞍上のペリエ
 騎手が、直線でワンテンポ仕掛けを遅らせる見事な手綱さばきで、最後は後続に３馬身
 差をつけました。春の天皇賞に向けても視界良好といった感じだと思います。また２着
 のサイレントハンターも押さえて２番手にひかえる展開から、スムーズな流れで手応え
 も十分だったと思います。やはり重賞戦線では確実に上位に来る実力馬で、今後も注意
 が必要。３着のメジロスティードも５番手の好位置から、直線に入ると外に持ち出して
 徐々に追い上げましたが、やや最後の詰めが甘かったと思います。メジロランバートは
 最後方の位置取りがすべて。最後は３５秒０の末脚を見せましたが、大外を回ったロス
 が最後まで響いたと思います。今後の巻き返しに期待。馬券の方は、◎−▲の本線的中
 で、とりあえず満足のできる結果でした。しかし配当が３８０円では・・・。

   第３回  ガ ー ネ ッ ト Ｓ（Ｇ�V）予 想

　　「老人力」・・・つまり「物を忘れる」「足腰が弱くなる」「目がかすむ」などの老化
　現象を「老人力がついてきた」とする逆転の発想で、これまでの既成の価値観や、物の考
　え方などを根本から変える表現方法ということです。スポーツの世界でも、肩の力を抜く
　ことは大変重要なことで、この力を抜く力、いわゆるマイナスの力のことを「老人力」と
　も言うそうです。さて今週のガーネットＳには、競馬界の最長老で明け１４歳のミスター
　トウジンが出走しますが、とにかく出走するだけで奇跡という存在なので、本当に無事に
　完走してほしいというのが素直な気持ちです。競走馬に「老人力」という言葉が当てはま
　るかどうかはわかりませんが、この１４歳という老馬の走りに、未知なる可能性を見出し
　たいと思っている今日この頃です。
　　そこで今回本命にする馬ですが、前走スプリンターズＳ１着のマイネルラヴを指名し
　ました。やはり、あのタイキシャトルを展開ではなく、力でねじ伏せたことは大いに評価
　すべきで、４歳時のＧ�T制覇という「格」を重視しました。問題はダート戦と、３�`増の
　５８�`という斤量ですが、ＢＣスプリントも視野に入っているという同馬にとって、ここ
　は負けられない一戦ではないかと考えています。乾燥してパワーの要るダートをどのよう
　に克服するか注目して見たいと思います。
　　そして対抗にする馬ですが、前走スプリンターズＳ４着のワシントンカラーをピック
　アップしました。やはり、ダートの１２００�b戦は、根岸Ｓ２連覇という実績から適性は
　かなり高く、昨年１番人気で５着と敗れた雪辱を晴らす絶好のチャンスと思っています。
　ローテーション的にも全く無理がなく、中間の調教も順調だったということで、確実に連
　に絡んでくると確信しています。また前走を１回叩き馬体も十分絞れたということなので、
　まさに今回が絶好の狙い目と見ています。
　　そして３番手にする馬ですが、前走師走Ｓ１着のゲイリーコンドルを指名しました。
　この馬はダート１２００�b戦を４戦４勝という抜群の成績で、今回のレースでも要注意の
　伏兵馬と評価しています。前走の勝ちタイム１分１０秒１は、開催ナンバーワンの時計と
　いうことで、もちろんＧ�Vの重賞でも十分に通用する逸材と期待しています。今回は斤量
　も５５�`と有利で、更に伸び盛りの５歳馬ということもあり、上位馬を逆転するチャンス
　の到来と見ています。

 第３回  ガ ー ネ ッ ト Ｓ（Ｇ�V）枠 順 確 定

【１月１０日 ダート１２００�b ５歳上オープン別定 中山】

【本線】�H−�K、�K−�O、�H−�O
【中穴】�B−�K、�B−�H、�B−�O
【大穴】�J−�K、�H−�J、�J−�O

【結果】
 １着 �Hワシントンカラー
 ２着 �Iイソノウイナー
 ３着 �Dスタープログラマー
 単�H ２７０円 複�H１３０円�I２９０円�D７５０円
 枠連５−５ １３１０円 馬連�H−�I １３５０円

 前半の３ハロンが３２秒８という記録的な超ハイペースの中、８番手と中団にひかえて
 いたワシントンカラーが、直線でインを突いて先頭に立ち、見事に昨年の雪辱を晴らし
 ました。やはりダートの短距離戦では相当の能力を発揮できる馬で、フェブラリーＳに
 向けても有力な一頭と評価しています。２着のイソノウイナーは、最後方から大外一気
 で他馬をゴボウ抜き。やや展開に助けられた感じもありますが、この馬の末脚は今後も
 注意が必要か。またスタープログラマーは、先行集団を追走しての３着ということで、
 大健闘の内容だったと思います。本命に推したマイネルラヴは、ダートの超ハイペース
 に翻弄され１１着と惨敗。５８�`という斤量も多分に影響したと思います。馬券の方は
 イソノウイナーが無印のために完敗という結果でした。とにかく、マイネルラヴに◎を
 打ったことで、今回もまだまだ修行が足りないと反省しております。

   第４３回  有 馬 記 念（Ｇ�T）予 想

　　「これまで見た中で一番記憶に残っているレースは何ですか？」この質問で昭和５２年
　の有馬記念と答える競馬ファンも少なくないということです。テンポイントＶＳトウショ
　ウボーイの世紀のマッチレース。その一戦は、ありきたりの展開になることを２頭が拒否
　することから始まりました。以下、杉本清アナウンサーの「伝説の実況」とともに追って
　みたいと思います。
　『さあゲートが開きました、そろって飛び出しました８頭、果たして何が行くのか、赤の
　帽子か白の帽子か、トウショウボーイが行った、やはりトウショウボーイが行った・・・
　そしてテンポイントが２番手、早くもマッチレースになるかどうか・・・』
　　そして第２、３コーナーを過ぎ向正面へ『さあ、さあ、この２頭です、内の方が、内の
　方が３番のテンポイント、その外がトウショウボーイ、早くも一騎打ちか・・・外を通っ
　て、外を通ってわずかにトウショウボーイが先頭だ、トウショウボーイ、またこのあたり
　で１馬身の差をとった、そしてテンポイントが２番手、栗毛が、栗毛が冬の陽差しに光っ
　ています・・・あなたの、そして私の夢が走っています、バックストレッチ、バックスト
　レッチです、ゴールまであと１０００�bを通過・・・』
　　そして日本競馬史上最高の直線を迎えます『これは世紀のレース、世紀の一戦だ、テン
　ポイントがかわすか、かわしてしまったのか、テンポイントかわしたか、テンポイントか
　わしたか、トウショウボーイが、トウショウボーイか、テンポイントがかわした、テンポ
　イント先頭、テンポイント先頭だ、外からグリーングラス、外からグリーングラスが来た、
　テンポイント先頭だ、外から恐い恐いグリーングラス、テンポイント、テンポイント先頭、
　テンポイント先頭だ、内からまたトウショウボーイが差し返す、先頭は、テンポイント、
　テンポイントだ、テンポイントだ、テンポイント！！・・・中山の直線を、中山の直線を
　流星が走りました、テンポイントです、しかしさすがにトウショウボーイも強かった。』
　さあ、果たして、今年の有馬記念は、一体どのようなドラマチックなシーンを見ることが
　できるのでしょうか。ゲートが開く歴史的瞬間を静かに待ちたいと思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走ジャパンカップ２着のエアグルーヴを指名しま
　した。有馬記念というレースは、出走する各馬の消耗度が問題となる一戦ですが、やはり
　この１年間応援してきた馬を素直に本命に推すのが基本と考えています。牝馬という立場
　でありながら３歳時から６歳の暮まで、日本競馬界の第一線で活躍してきたことは、奇跡
　と言っても決して過言ではないと思います。今回は斤量も５４�`と有利なだけに、ラスト
　ランを最高の形で飾ることを期待しています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走菊花賞１着のセイウンスカイをピックアップしまし
　た。もちろん、３分３秒２という世界レコードは、絶賛に値する記録で、特に自分自身で
　レースを作ってのタイムだけに、最高の評価が相応しいと思っています。菊花賞の後も、
　有馬記念１本に絞って調整してきたという余裕のあるローテーションで、中山２５００�b
　のコース形態も、先行馬にはかなり有利に働くと見ています。陣営もここを勝っての年度
　代表馬も十分視野に入っていると思います。
　　また３番手にする馬は、前走天皇賞（秋）５着のメジロブライトをピックアップしま
　した。前走の秋天では、サイレンススズカを意識し過ぎ、早めのスパートが直線での失速
　につながったと思っています。ただし今回の２５００�bの距離延長は、同馬にとって最高
　の舞台が整ったと考えています。長距離に対応する持久力と瞬発力は、春の天皇賞に続く
　Ｇ�Tゲットを後押しする大きな武器で、レース展開が、同馬の得意なパターンにハマった
　場合は、圧勝も十分にあり得ると思っています。

 第４３回  有 馬 記 念（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月２７日 芝２５００�b ４歳上オープン馬齢 中山】

【本線】�B−�J、�B−�I、�I−�J
【中穴】�B−�M、�A−�B、�B−�E
【大穴】�J−�M、�A−�J、�E−�J

【結果】
 １着 �Aグラスワンダー
 ２着 �Iメジロブライト
 ３着 �Dステイゴールド
 単�A １４５０円 複�A６２０円�I２００円�D６６０円
 枠連１−５ ２２９０円 馬連�A−�I ４４３０円

 本当に優勝したグラスワンダーの潜在的な底力には驚きました。道中は中団で折り合い
 ４コーナー手前から抜群の手応えでスパート。直線では的場騎手のムチの連打に見事に
 応え、メジロブライトの猛追を抑え込みました。前２走の出来が悪かっただけに、関係
 者の立て直しには敬意を表したいと思います。２着のメジロブライトも余裕のローテー
 ションから理想的な仕上げで、同馬の能力はすべて出し切っていると思います。３着の
 ステイゴールドも、相変わらずの粘り強い末脚で銅メダルを獲得。今後もＧ�Tレースの
 常連として要注意の存在か。セイウンスカイは１０�`増で、ややイレ込み気味。しかし
 この展開で４着に粘ったことは、来年に向けて大きなプラス材料かと思います。５着の
 エアグルーヴは、スタート直後の落鉄がすべて。不完全燃焼のレースでしたが、今後は
 繁殖牝馬として、いい産駒を残してもらいたいです。馬券の方は、△−▲でカスリまし
 たが、買い目が外れ惨敗という結果でした。

   第３２回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）予 想

　　古代中国の春秋時代に「伯楽」という天才調教師がありました。彼は良馬と名馬は違う
　と言っていて、良馬は形と姿、それに骨格でわかり、天下に鳴り響くような名馬は、次の
　ような不思議な表現を使ったということです。「滅するがごとく、失するがごとくにて、
　その一を亡うがごとし。」つまり天下の名馬というものは、一見しただけでは、ぼんやり
　しているようで、肝心なものが抜け落ちているようで、自分自身をなくしたような馬だと
　いうことです。そのような馬こそが、ひとたび走れば塵ひとつたてず、足跡もとどめず、
　天空をも駆ける逸材だと「伯楽」は言ったそうです。
　　そこで今週のスプリンターズＳで本命にする馬ですが、平成の名馬タイキシャトルを
　ピックアップしました。ここまでの海外Ｇ�Tを含めた重賞８連勝、Ｇ�T５連勝は、まさに
　日本競馬史上に燦然と輝く金字塔だと思います。今回のレースは、すべての条件が完璧に
　整い過ぎた一戦ということで、逆に不安な面もありますが、そのような杞憂もあっさりと
　クリアしてくれると確信しています。平成の「伯楽」藤沢和雄調教師の集大成をじっくり
　と堪能したいと思っています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走根岸Ｓ１着のワシントンカラーをピックアップしま
　した。昨年の同レースが３着、高松宮記念が２着と、スプリント戦では堅実な成績を残し
　ている一頭で、ゴール前で確実に追い込んでくる末脚は要注意かと思っています。ただし
　タイキシャトルを負かしに行った場合、他の追い込み馬に有利な展開となる可能性もある
　ので、この馬自身の競馬に徹することが重要かと見ています。もちろん時計のかかる馬場
　への適性は抜群の実力馬です。
　　そして３番手にする馬ですが、前走ＣＢＣ賞８着のシンコウフォレストを指名しまし
　た。この馬は、高松宮記念を含む勝ち星の８勝がすべて１２００�bということで、まさに
　スプリント戦の申し子と言っても過言ではないと思います。秋になってのスワンＳ９着、
　ＣＢＣ賞８着という成績は、やや不本意かと思いますが、最終追い切りでは、復調の兆し
　も見えたということで、この馬の持っている潜在的な底力に期待したいです。本当に一発
　ハマった時の同馬の末脚は要注意かと思っています。

 第３２回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月２０日 芝１２００�b ４歳上オープン定量 中山】

【本線】�G−�L、�L−�M、�G−�M
【中穴】�B−�L、�I−�L、�@−�L
【大穴】�B−�G、�G−�I、�@−�G

【結果】
 １着 �Iマイネルラヴ
 ２着 �Bシーキングザパール
 ３着 �Lタイキシャトル
 単�I ３７６０円 複�I３５０円�B２２０円�L１１０円
 枠連２−５ ２９３０円 馬連�B−�I １５９２０円

 それにしても、まさかタイキシャトルが負けるとは思ってもみませんでしたが、今回は
 競馬の恐さというものをしみじみと感じました。優勝したマイネルラヴは、道中６〜７
 番手という絶好の位置取りから、３コーナー過ぎで徐々に進出。４コーナーではタイキ
 シャトルを完全マークの展開から直線での叩き合いを制しました。本当にタイキを負か
 しに行っての勝利だけに、大変価値のある４歳スプリント王の誕生かと思います。また
 ２着に入ったシーキングザパールも、武豊騎手の最後方に抑える展開から見事な追い込
 みが決まり、やはり「さすが」の一言。タイキをかわしただけに、非常に惜しい準優勝
 だったと思います。絶対的１番人気のタイキシャトルは、最高の手応えから４コーナー
 で先頭に立ち、一旦はマイネルラヴを差し返す場面もありましたが、最後は競り負けて
 しまいました。今後は種牡馬として彼の能力を引き継ぐ産駒に期待したいと思います。
 馬券の方は、△−注と印はつけていましたが、惜しくもタテ目で撃沈しました。ワイド
 馬券の発売が待ち遠しい今日この頃です。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

 前ページに戻る 次ページに進む

 重賞予想に戻る