重 賞 予 想 回 顧（２０）

   第５０回  阪 神 ３ 歳 牝 馬 Ｓ（Ｇ�T）予 想

　　１９９２年１２月６日の阪神競馬場は、記録的な高配当に場内は騒然。配当金がターフ
　ビジョンに映し出されると、大きなどよめきが競馬場全体を包んだということです。その
　レースは、第４４回の阪神３歳牝馬Ｓ。勝ち馬は９番人気で馬体重３９０�`という可憐な
　美少女スエヒロジョウオーでした。このレースは、前に馬がいないと掛かるクセを、馬群
　にもぐり込ませて落ち着かせ、勝負どころの４コーナー手前で外に持ち出した田面木騎手
　のファインプレーだったと思います。現在９歳のスエヒロジョウオーは、生まれ故郷でも
　ある新冠・小泉牧場で繁殖生活を送っているということですが、今後は母親譲りの切れる
　末脚と、勝負根性を持つ産駒の誕生に期待したいと思っています。
　　さてそこで今年本命にする馬ですが、前走小倉３歳Ｓ１着のコウエイロマンを指名し
　ました。この馬は九州産馬限定の新馬戦で、ハナ差の辛勝というデビューから、２戦目の
　フェニックス賞、３戦目の小倉３歳Ｓと、独走状態の圧勝劇を飾り、一躍３歳女王の座に
　一番近づいた存在と評価しています。ただし今回は初のマイル戦で、実力も伯仲している
　メンバーが揃ったということで、来年のクラシックに向けて重要な試金石の一戦になった
　と見ています。４９０�`台という雄大な馬体から繰り出す、同世代を寄せ付けない圧倒的
　なスピードに今回も期待したいと思っています。
　　そして、対抗にする馬ですが、前走ファンタジーＳ２着のゴッドインチーフをピック
　アップしました。この馬は牝馬限定の新馬戦を、４コーナー９番手から豪快に差し切り、
　また２戦目のききょうＳでも、直線で６頭をゴボウ抜きにする離れ業を見せつけました。
　前走のファンタジーＳでは、通ったコースの差からプリモディーネの２着と屈しましたが、
　本番で先行馬がオーバーペースで競り合った場合、この馬の末脚が一気に爆発することも
　十分に考えられると思っています。今回の１ハロンの延長は、間違いなくプラス材料で、
　阪神コースもこの馬の脚質には合っていると見ています。
　　また３番手にする馬ですが、前走赤松賞１着のスティンガーを指名しました。この馬
　は、新馬戦を３４秒台の鋭い瞬発力で勝ち上がり、２戦目の赤松賞では直線馬なりで先頭
　に立つという素晴らしい内容でした。またレガシーオブゼルダ、サイレントハピネスの妹
　という期待のＳＳ産駒ということで、その血統的な潜在能力は無限の可能性を秘めている
　と思っています。ただし、今回は連闘ということで、３歳牝馬にとっては少し厳しい条件
　かと思いますが、ここをクリアすれば、来春のクラシックに向けて大きく前進することは
　間違いないと見ています。

 第５０回  阪 神 ３ 歳 牝 馬 Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月６日 芝１６００�b ３歳牝オープン馬齢 阪神】

【本線】�D−�H、�D−�K、�H−�K
【中穴】�D−�J、�H−�J、�J−�K
【大穴】�C−�D、�C−�H、�C−�K

【結果】
 １着 �Kスティンガー
 ２着 �@エイシンレマーズ
 ３着 �Hゴッドインチーフ
 単�K ５２０円 複�K１９０円�@８２０円�H１５０円
 枠連１−８ ７６３０円 馬連�@−�K １５４３０円

 スタート直後からエイシンルーデンスとコウエイロマンの激しい先行争いとなり、前半
 １０００�bの通過タイムが５８秒６というハイペースの展開になりました。そのような
 流れの中で、後方で脚をためたスティンガーが、直線で素晴らしい瞬発力を繰り出し、
 ３歳女王の座をゲットしました。赤松賞からの連闘も全く問題なく、来春のクラシック
 戦線に向けて、かなり有力な一頭が出てきた思っています。２着のエイシンレマーズは、
 スティンガーに合わせてスパートし、ゴール前では実力馬の片鱗を十分に見せたと思い
 ます。３着のゴッドインチーフは、４コーナー手前で受けた致命的な不利がすべてでし
 た。しかし、それでも３着に入ったのは立派な内容で、今後の巻き返しに期待したいと
 思っています。本命に推したコウエイロマンは、前半で引っ掛かり、４コーナー手前で
 全く余力がありませんでした。結局馬連は１５４３０円という万馬券になり、もちろん
 エイシンレマーズが無印だったために惨敗という結果でした。

   第１８回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）予 想

　　オグリに借りはまだ半分しか返していないけど、来週のジャパンカップで倍にして返し
　たいと思います・・・。これは１９８９年のマイルＣＳ優勝後の南井騎手のインタビュー
　ですが、何度ビデオを見てもジーンと感動するコメントです。この年５歳になったオグリ
　キャップは、春シーズンを休養した後、オールカマー、毎日王冠、天皇賞（秋）、マイル
　ＣＳ、ジャパンカップ、有馬記念と、怒涛のごとくのローテーションで我々の記憶の中を
　駆け抜けていきました。特にバンブーメモリーとのハナ差の死闘を制したオグリが、連闘
　でジャパンカップに挑戦する姿は、競馬ファンの心を深く打つシーンだったと思います。
　果たして今年は、どのような感動が我々を待ち受けているのでしょうか。期待に胸を膨ら
　ませ、ゲートが開くのを静かに待ちたいと思います。
　　そこで今回本命にする馬ですが、前走毎日王冠２着のエルコンドルパサーを指名しま
　した。前走ではサイレンススズカの末脚に僅か及ばず初の黒星を喫しましたが、他の強豪
　古馬陣には５馬身差をつける素晴らしい内容で、改めてこの馬の潜在能力の高さを実感し
　ました。問題は２４００�bの距離適性だけですが、血統的にも母系を見る限りでは、全く
　心配することはないと考えています。余裕を持ったローテーションからコンディションも
　最高の状態で、これまで出走制限のあった４歳最強外国産馬にとって、まさに絶好の舞台
　が整ったと思っています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走菊花賞２着のスペシャルウィークをピックアップし
　ました。前走ではセイウンスカイの快走劇に屈しましたが、あの展開から３４秒１の末脚
　を繰り出し２着を死守した内容は、やはり並の馬では到底できない離れ業だったと思って
　います。東京競馬場は、ダービーを５馬身差で圧勝した得意のコースでもあり、菊花賞を
　使った上積みも、今回は十分に期待できると見ています。武豊騎手から乗り替る岡部騎手
　も、ルドルフ級という最大の賛辞を送っていて、やはり世界を相手にダービー馬の実力を
　すべて発揮してほしいと思っています。
　　また３番手にする馬ですが、前走エリザベス女王杯３着のエアグルーヴを指名しまし
　た。前走は超スローペースの展開で完全な上がりだけの競馬になり、この馬の唯一の負け
　パターンにハマってしまったと考えています。もちろん３歳時から第一線級で活躍してき
　た最強牝馬も今シーズン限りで引退ということで、心情的にはもう一度大舞台での素晴ら
　しい走りに期待しています。また中１週というローテーションも、当初からの予定通りと
　いうことで問題は全くないと見ています。今後はダイナカールの血を受け継ぐ繁殖牝馬と
　いう大事な仕事も残っているので、ぜひ無事にゴールしてほしいと願っています。

 第１８回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月２９日 芝２４００�b ４歳上オープン定量 東京】

【本線】�H−�J、�@−�J、�@−�H
【中穴】�E−�J、�G−�J、�C−�J
【大穴】�E−�H、�G−�H、�C−�H

【結果】
 １着 �Jエルコンドルパサー
 ２着 �@エアグルーヴ
 ３着 �Hスペシャルウィーク
 単�J ６００円 複�J２００円�@１５０円�H１３０円
 枠連１−６ １９１０円 馬連�@−�J １９８０円

 それにしてもエルコンドルパサーの底知れない潜在能力には脱帽といった感じでした。
 前半１０００�bの通過タイムが６０秒５で、マイルの通過タイムが１分３７秒８という
 平均ペースの展開の中、３番手という絶好の位置取りから、４コーナーでは持ったまま
 の仕掛けで、最後は２着に２馬身１／２差をつける圧勝劇でした。来年は、海外遠征も
 視野に入っているということで、ぜひ世界の大舞台で活躍してほしいと思っています。
 ２着のエアグルーヴは道中４〜５番手という位置取りで折り合い、直線でも内を突いて
 一瞬見せ場を作りました。やはり６歳牝馬でここまで一線級と競える能力には、改めて
 敬意を表したいと思います。３着のスペシャルウィークは、やや馬体が細く感じました
 が、この馬なりには十分健闘したと思っています。直線でややヨレたところなど、まだ
 幼い部分も残っていますが、これから肉体的、精神的に成長すれば、更なる活躍も期待
 できると思っています。とりあえず馬券の方は、◎○▲と予想した馬が上位を独占した
 ので満足のできる結果だったと思います。

   第１５回  マ イ ル Ｃ Ｓ（Ｇ�T）予 想

　　日本最強マイラーが、世界でも最強であることを実力で証明した歴史的な一戦・・・。
　１９９８年８月１６日フランス・ドーヴィル競馬場で行われたジャック・ル・マロワ賞は、
　まさに日本競馬界の長年の悲願が達成され、タイキシャトルの名を世界競馬史に刻み込ん
　だレースだったと思います。地元の有力競馬専門紙「パリチュルフ」紙でも、その快挙は
　一面で大きく報道され「日本馬のノルマンディー上陸作戦」「馬版パールハーバー」など
　といった活字が大きく躍ったということです。確かに最終的に単勝１．３倍という圧倒的
　な１番人気の中「勝ってよかった」というより「負けなくてよかった」という状況。その
　ような大きなプレッシャーの中で、アマングメン、ケープクロスといった世界の強豪馬を
　力でねじ伏せた圧勝劇だったと思います。
　　そこで今週本命にする馬ですが、もちろんその世界のタイキシャトルを指名しました。
　この馬については今更説明する必要もないかと思いますが、とにかく天性のレースセンス
　と、卓越したスピード、さらにどのような展開でも素直に対応できる精神的な強さを持ち
　合わせた数十年に一頭というスーパーホース。また死角が全くないところが唯一の死角と
　言っていいほど完璧に完成された日本競馬史上最強マイラーと評価しています。もちろん
　ＢＣマイルに挑戦してほしかったという希望もありましたが、日本で再びその勇姿を見ら
　れることを感謝したいと思っています。
　　そして対抗にする馬ですが、前走京成杯ＡＨ１着のシンコウスプレンダを指名しまし
　た。この馬は蹄の不安からなかなか実戦を使えずに来ましたが、前走でその実力が開花し
　て初重賞制覇を達成しました。タイム的にも１分３２秒７という好時計で、同馬の瞬発力
　を改めて実感した一戦だったと思います。関係者サイドも前走はまだ７５％の出来だった
　ということで、当日最高の状態で出走できれば、逆転も決して不可能ではないと思ってい
　ます。４歳時の菖蒲Ｓでタイキシャトルに１馬身３／４差まで迫った潜在能力は、今回も
　要注意かもしれません。
　　また３番手にする馬ですが、モーリス・ド・ギース賞を優勝したシーキングザパール
　をピックアップしました。もちろんタイキシャトルよりも１週前に達成した初の海外Ｇ�T
　制覇の偉業は、日本競馬史上に燦然と輝く功績で、我々競馬ファンの脳裏に深く刻まれた
　一戦だったと思います。今回も得意の京都コースということで、展開次第で一発の可能性
　も十分にあると見ています。ただしハイペースになった場合は、気性的にやや掛かる面も
　あるので、今回乗り替った河内騎手が、いかに気分よく走らせるかが勝負の分れ目になる
　と考えています。

 第１５回  マ イ ル Ｃ Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月２２日 芝１６００�b ４歳上オープン定量 京都】

【本線】�A−�H、�C−�H、�A−�C
【中穴】�H−�I、�H−�J、�H−�L
【大穴】�A−�I、�A−�J、�A−�L

【結果】
 １着 �Hタイキシャトル
 ２着 �Iビッグサンデー
 ３着 �Lヒロデクロス
 単�H １３０円 複�H１１０円�I３８０円�L４４０円
 枠連６−７ ５４０円 馬連�H−�I １２９０円

 しかしタイキシャトルは、まさに次元の全く違う走りだったと思います。前半１０００
 �bのラップが、１１秒９−１０秒２−１０秒８−１１秒９−１２秒３の５７秒１という
 超ハイペースの中、３番手という好位置で折り合い、直線で岡部騎手が仕掛けると抜群
 の反応で他馬を一蹴しました。マイルのＧ�T戦で直線気合を入れただけで５馬身ちぎる
 ということは、まさに信じられない末脚で、世界のタイキシャトルの実力を改めて実感
 しました。この一戦で年度代表馬も完全に視野に入ったと思います。２着のビッグサン
 デーは終始タイキシャトルを完全マークで、混戦の２着争いを制しました。マイル戦で
 接戦になった時は、やはり安定した実力を発揮できると思います。３着のヒロデクロス
 は、最後方の展開から直線ではよく伸びましたが、勝負所でやや詰まったのが残念でし
 た。この距離では今後も要注意の一頭か。前半マウントアラタと競って超ハイペースを
 演出したキョウエイマーチが６着に粘ったのは大善戦で、これからの巻き返しに期待の
 できる内容だったと思います。シンコウスプレンダは太目残りがすべて。シーキングザ
 パールは、前半の超ハイペースの展開が響き８着に終わりました。とりあえず馬券の方
 は、◎−注の的中ということで、やや満足のできる結果だったと思います。

   第２３回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯（Ｇ�T）予 想

　　一昨年に「牝馬日本一決定戦」として生まれ変わったエリザベス女王杯ですが、今年も
　３世代のオークス馬をはじめ、女王の座を虎視眈々と狙う強豪が揃いました。レース体系
　が大幅に改善された第１回目は、ダンスパートナー、ヒシアマゾン、ホクトベガといった
　各世代の女傑が参戦し、まさに女王決定戦に相応しい一戦だったと思います。緩やかに流
　れるスローペースの展開の中、直線に入ると内から四位騎手のダンスパートナー、外から
　中舘騎手のヒシアマゾンが猛然と追い込み、ゴール前では激しい叩き合い。ヒシアマゾン
　が斜行で７着に降着となる波乱の展開の中、大一番を制したのは当時５歳馬のダンスパー
　トナーでした。果たして今年はどの馬に女王の栄冠が輝くのでしょうか。その歴史的瞬間
　を静かに待ちたいと思います。
　　そこで今年本命にする馬ですが、前走札幌記念１着のエアグルーヴをピックアップし
　ました。もちろん昨年の年度代表馬で、まさに現在名実ともに、日本競馬界の女王の座に
　君臨している存在かと思います。前走では単勝１．３倍という断然支持の中、サイレント
　ハンター以下を子供扱いする圧勝で、格の違いを見せつけました。今回の武豊→横山典の
　乗り替りも全く問題はなく、どのような展開でも１００％能力を発揮できる安定性は健在
　と確信しています。今年いっぱいで引退する同馬が、最後にどのようなパフォーマンスを
　見せてくれるのか期待したいと思います。
　　そして対抗にする馬ですが、前走府中牝馬Ｓ１着のメジロドーベルを指名しました。
　エアグルーヴとの直接対決は３戦全敗ということで、過去一度も先着できない大きな壁と
　なっていますが、今回は逆転への絶好のチャンスと見ています。前走は５８�`という牝馬
　にとっては限界の斤量を背負っての優勝ということで、同馬の新たなる能力が引き出され
　た一戦だったと思います。今年は夏場を函館競馬場で過ごし、心身ともにリフレッシュし
　たということで、実戦において「もろ刃のやいば」となる気性の激しさも、今回はプラス
　に働くと期待しています。
　　また３番手にする馬は、今年のオークス馬エリモエクセルをピックアップしました。
　前走の秋華賞では、ぶっつけ本番の出走ということで７着と馬群に沈みましたが、やはり
　この馬の潜在的な底力は、大一番になるほど軽視はできないと見ています。今回は歴戦の
　古馬陣との一戦ということで、ハードルはより高くなると思いますが、この馬の瞬発力が
　生かせる展開になれば大金星も決して不可能ではないと考えています。今回は、奇しくも
　３世代のオークス馬に◎○▲の印を付けましたが、やはり全馬が無事にゴールすることを
　祈りつつ、歴史に残るような名勝負に期待したいと思います。

 第２３回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月１５日 芝２２００�b ４歳上牝オープン定量 京都】

【本線】�@−�B、�B−�E、�@−�E
【中穴】�B−�L、�B−�M、�A−�B
【大穴】�@−�L、�@−�M、�@−�A

【結果】
 １着 �@メジロドーベル
 ２着 �Mランフォザドリーム
 ３着 �Bエアグルーヴ
 単�@ ４６０円 複�@１３０円�M２６０円�B１００円
 枠連１−８ １４７０円 馬連�@−�M ３８９０円

 前半１０００�bの通過タイムが６２秒０で、マイルの通過タイムが１分３９秒０という
 超スローペースの展開の中、メジロドーベルが３３秒５という脅威の上がりタイムで、
 見事女王の座を勝ち獲りました。前半の３〜４ハロン目で、ガクンとペースが落ちた時
 に引っ掛かる場面もありましたが、３コーナー過ぎでは落ち着き、最後の直線ではイン
 に切れ込み素晴らしい瞬発力を見せつけました。２着のランフォザドリームは道中早め
 の仕掛けで、一旦は直線で先頭に立つ展開。河内洋騎手のスローを読み切ったファイン
 プレーだったと思います。３着のエアグルーヴは、直線で３３秒８の末脚は使っていま
 したが、スローで上がりの競馬という唯一の負けパターンにハマったと思います。エリ
 モエクセルは、やはり直線で内に挟まれた不利が最後まで響きました。ただし４歳馬と
 しては大善戦で、今後の活躍に期待したいと思います。馬券の方は、とりあえず○−△
 の大穴的中ということで、本命はハズしましたが、配当的には満足のできる結果だった
 と思います。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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