重 賞 予 想 回 顧(19)

   第59回  菊 花 賞(GT)予 想

  紀元前3世紀末、秦の始皇帝は近隣諸国を征服し、中国史上初の統一国家を成立させま
 した。この秦という大帝国は、過去の制度をすべて一掃し、強力な中央集権機構下で人民
 を統制。しかし、始皇帝の死後、その統制力は急速に衰え、中国大陸は再び大乱の時代に
 突入していきます。そのような中、秦帝国の大規模な土木工事にかり出された土工の一人
 に「陳勝」という者がありました。後に彼は「王侯将相寧ンゾ種アランヤ(王になるのも
 侯になるのも、みな思いのままの世の中ではないか)」という歴史的な名文句を吐き、秦
 帝国を倒すべく反乱へと立ち上がっていきます。さて今週の菊花賞でも、まさに競馬界を
 制するのは、みな思いのままということで、果たしてクラシックのラストチャンスを掴み
 天下を統一するのは、一体どの馬なんでしょうか。
  そこで今年本命にする馬ですが、前走京都新聞杯1着のスペシャルウィークを指名し
 ました。もちろん日本ダービーでは5馬身差の圧勝で4歳馬の頂点に立ったわけですが、
 前走の京都新聞杯でも、キングヘイローをキッチリと差し切る白星スタートを飾り、2冠
 達成に向けて万全の態勢が整ったと見ています。内容的には、休み明け+道悪の馬場状態
 ということもあり、直線でややモタついた感じもありましたが、3〜4コーナーにかけて
 の抜群の反応は健在で、一度叩かれた本番では、間違いなく更なる上積みが期待できると
 確信しています。来年の最大目標が凱旋門賞挑戦という同馬にとって、ここは単なる通過
 点にすぎないのかもしれません。
  そして対抗にする馬ですが、前走京都大賞典1着のセイウンスカイをピックアップし
 ました。日本ダービーでは、スペシャルウィークに5馬身以上も離された完敗でしたが、
 一夏を越えて大きく成長し、前走の京都大賞典では歴戦の古馬陣を撃破するという離れ業
 を見せつけました。大逃げの展開でも全く掛かることがなく、マイペースで控える競馬が
 できたことは大きな収穫で、後続を引き付けてからの二の脚も、本番に向けて完全にメド
 が立ったと思います。こちらも菊花賞を制したら2冠達成ということで、ハイセイコー&
 タケホープ以上の叩き合いに期待したいと思います。
  また3番手にする馬ですが、前走セントライト記念2着のダイワスペリアーを指名し
 ました。もちろん日本ダービー3着の実力馬で、前走では道悪のインコースを通り、直線
 では、やや伸び切れなかった部分もありましたが、秋初戦としては十分に及第点が付けら
 れる内容だったと思います。タイプ的にも長くいい脚が使える長距離向きで、父も大舞台
 に強いリアルシャダイ。展開さえハマれば、大金星の可能性も十分にあると見ています。
  先週は圧倒的1番人気のサイレンススズカが、故障発生で予後不良という最悪の事態に
 なったわけですが、今週は全馬が無事に完走することを心から祈りたいと思います。
 第59回  菊 花 賞(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@カネトシガバナー牡4秋 山57前走神戸新聞杯1着軽視はできない実力馬
Aシンボリクラウン牡4田中勝57前走オクトーバーS2着実力馬で要注意か
Bミツルリュウホウ牡4南 井57前走京都新聞杯10着実力馬で一発もある
Cセイウンスカイ牡4横山典57前走京都大賞典1着4歳最強の称号奪取か
Dコマンドスズカ牡4上 村57前走500万特別1着調子が上がれば上位
Eレオリュウホウ牡4江田照57前走セントライト記念1着道悪で一発ある
Fダイワスペリアー牡4蛯 名57前走セントライト記念2着大金星の可能性
Gボールドエンペラー牡4河 内57前走京都新聞杯9着ダービー2着の意地を
Hキングヘイロー牡4福 永57前走京都新聞杯2着で最後の1冠を奪取か
Iシンコウシングラー牡4四 位57前走セントライト記念3着化ける可能性も
Jメジロランバート牡4吉 田57前走京都新聞杯4着ライアンの夢果たすか
Kテイオージャ牡4藤 田57前走セントライト記念11着で要注意馬か
Lタヤスメドウ牡4土 肥57前走京都新聞杯3着出走権獲得で要注意か
Mサンプレイス牡4熊 沢57前走京都新聞杯7着叩き2戦目で変り身も
Nエモシオン牡4松永幹57前走カシオペアS1着一発の可能性もある
Oエプソムダンディー牡4池 田57前走500万特別1着流れに乗れば上位も
Pスペシャルウィーク牡4武 豊57前走京都新聞杯1着2冠へ向けて視界良好
Qグリーンプレゼンス牡4的 場57前走京都新聞杯15着潜在能力はある一頭
【11月8日 芝3000b 4歳オープン定量 京都】
【本線】C−P、F−P、C−F
【中穴】H−P、J−P、N−P
【大穴】C−H、C−J、C−N

【結果】
 1着 Cセイウンスカイ
 2着 Pスペシャルウィーク
 3着 Nエモシオン
 単C 430円 複C160円P110円N390円
 枠連2−8 460円 馬連C−P 510円
それにしても、セイウンスカイの3分3秒2のレコードタイムには驚きました。ラップ を見ても、各1000bの通過タイムが、59秒6−64秒3−59秒3で、上がり3 ハロンが35秒1。やはりテンと終いが速く、道中で13秒台まで落としたマイペース の逃げが、今回の圧勝劇につながったと思います。菊花賞の逃げ切り勝ちも、昭和34 年ハククラマ以来の39年ぶりということで、まさに歴史的な一戦だったと思います。 2着のスペシャルウィークも、この馬自身の実力は十分に発揮していて、出走馬中最高 の上がり34秒1のタイムは、間違いなく評価できる内容だったと思います。ただし、 勝負所の3コーナー過ぎで、やや反応が鈍く、4コーナーのカーブで外に振られたこと が勝敗を分ける要因になったと思います。3着のエモシオンはスタンド前でやや掛かり 気味でしたが、終始6〜8番手の好位置から、直線では持ち味のしぶとい末脚を見せま した。内容的には大健闘の一戦だったと思います。馬券的には、とりあえず○◎の的中 でしたが、馬連C−P510円では、ほとんどマイナス収支という結果でした。

   第118回  天 皇 賞 ・ 秋(GT)予 想

  草食動物というものは、生き抜くために、肉食動物から「逃げる」ことを義務付けられ
 た存在です。つまり、すべての競走馬は、逃げることを宿命として「DNA」にすり込ま
 れた動物なのかもしれません。かつて寺山修司は、政治逃亡犯と、逃げ馬とを重ね合わせ、
 悲劇的なイメージで描いていましたが、逃げ馬にも「十馬十色」さまざまなタイプがある
 と思います。絶対的なスピード能力で、クラシック2冠を制覇したミホノブルボン。スタ
 ートでポンと飛び出す瞬発力を生かし、千二の日本レコードを更新したエイシンバーリン。
 粘りを身上に、しぶとく有馬記念を逃げ切ったメジロパーマー。とにかく気分よく逃げて
 さえいれば無類の強さを発揮する「逃げ馬」の代名詞ツインターボなどなど・・・。さて
 今年の逃げ馬は、日本競馬史にどのような伝説を刻み込むのか、第118回天皇賞・秋の
 スタートを静かに待ちたいと思います。
  そこで今年本命にする馬ですが、やはり前走毎日王冠1着のサイレンススズカを指名
 しました。もちろん前走では、3ヵ月ぶりの出走で59`を背負い、1分44秒9という
 文句の付けようがない驚愕の内容でした。単純計算で残り1ハロンにかかる13秒を足し
 ても1分57秒9と、東京コースの二千レコードを簡単に破る可能性も十分にあると見て
 います。1枠1番のスタート、仮柵の取れたグリーンベルト・・・。勝負に絶対はありま
 せんが、絶対に限りなく近い存在であることには違いないと思っています。「誰がために
 府中の鐘は鳴るのか?」もちろんサイレンスと武豊騎手のために・・・。もはや、彼らの
 見つめる先は、世界へと向いているのかもしれません。
  そして対抗にする馬ですが、前走京都大賞典3着のシルクジャスティスを指名しまし
 た。前走の内容は、この馬の実績を考えた場合、何かもう1つ物足りない部分もありまし
 たが、典型的な叩き良化型ということで、本番での大幅な変り身も、十分に期待できると
 思っています。4コーナーでサイレンスとの差が1秒以内、つまり5馬身以内の位置取り
 なら、厳しい条件ながらも、逆転の可能性はあると見ています。目標が高ければ高いほど
 燃えるのが勝負師・藤田伸二の真骨頂。府中の直線での大逆転劇を、ぜひこの目で見たい
 と思っています。
  また3番手にする馬ですが、前走京都大賞典2着のメジロブライトをピックアップし
 ました。もちろん前走の内容は、3ヵ月の休養明けにしてはよく走っていると思いますが、
 やはりマイナス14`という点が少し気になるところで、当日の馬体重には注意が必要か
 と思っています。ただし能力的には、天皇賞春秋連覇も十分に可能な馬で、ハイペースで
 も慌てず、サイレンスを完全にマークできる展開なら、差し切ることも決して不可能では
 ないと見ています。スピード競馬全盛時代にステイヤータイプでも十分に通用するところ
 を、ぜひ証明してほしいと思っています。
 第118回  天 皇 賞 ・ 秋(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@サイレンススズカ牡5武 豊58前走毎日王冠1着競馬史上最強の逃亡者か
Aメジロブライト牡5河 内58前走京都大賞典2着天皇賞春秋連覇なるか
Bテイエムオオアラシ牡6福 永58前走毎日王冠8着で変り身があれば上位も
Cローゼンカバリー牡6横山典58前走京都大賞典5着悲願のGT制覇なるか
Dゴーイングスズカ牡6南 井58前走京都大賞典6着得意の東京で一発ある
Eオフサイドトラップ牡8柴田善58前走新潟記念1着で展開ハマれば上位争い
Fサイレントハンター牡6吉 田58前走オールカマー3着レースのカギを握る馬
Gサンライズフラッグ牡5安田康58前走毎日王冠3着で意外性は十分ある一頭
Hシルクジャスティス牡5藤 田58前走京都大賞典3着怒涛の追い込み炸裂か
Iステイゴールド牡5蛯 名58前走京都大賞典4着調子が戻れば可能性も
Jランニングゲイル牡5四 位58前走毎日王冠7着で自身の競馬が出来れば
Kグルメフロンティア牡7岡 部589ヵ月休養明けで軽視はできない実力馬か
【11月1日 芝2000b 4歳上オープン定量 東京】
【本線】@−H、@−A、A−H
【中穴】@−I、@−C、@−G
【大穴】H−I、C−H、G−H

【結果】
 1着 Eオフサイドトラップ
 2着 Iステイゴールド
 3着 Gサンライズフラッグ
 単E 4240円 複E580円I300円G450円
 枠連5−7 3680円 馬連E−I 12210円
静寂なる日曜日・・・。まさかのサイレンススズカの競走中止で、東京競馬場の観衆、 いや全国の競馬ファンが凍りついた一瞬だったと思います。前半1000bのラップが 13秒0−10秒9−10秒7−11秒2−11秒6の57秒4ということで、後続馬 が全くついて行けなかったことがよく分かります。せめて種牡馬だけにはと願っていた ので、本当に残念でなりません。同馬のご冥福を心よりお祈りしたいと思います。優勝 したオフサイドトラップは、長年の屈腱炎を克服した8歳馬ということで、特に関係者 の努力には敬意を表したいと思います。3番手の好位追走から直線でいち早く抜け出し 後続馬を完封した末脚は、馬齢を感じさせない素晴らしいものだったと思います。2着 のステイゴールドは4番手の好位置から、直線では内に切れ込み、一瞬先頭に並びかけ る展開。ただ毎度お馴染みの最後の詰めが甘く、今回もシルバーメダルとなりました。 3着のサンライズフラッグは、道中10番手から追い込み、この馬の能力は出し切って いると思います。メジロブライトは4コーナー手前で早めに動いたのが裏目に出て5着 と結果を出せませんでした。またシルクジャスティスの方は、完全に距離不足の感じで プラス10`増も追ってからの伸びを欠いた要因かと思います。馬券の方はオフサイド トラップが無印のために当然完敗という結果でした。

   第3回  秋 華 賞(GT)予 想

    いよいよ今年も、秋のGT10連戦が始まります。第1弾は4歳牝馬最後のGTレース
 秋華賞。今年も京都の舞台を華やかに彩る18頭の牝馬達が顔を揃えました。まだ第3回
 と歴史の浅いレースですが、やはり印象に残っているのは、第1回のファビラスラフイン
 が優勝した一戦です。本格的な春競馬を目前にした栗東トレセンで、ゼネラリストに腹部
 を蹴られ左腎臓を半分摘出するという重傷を負った松永幹夫騎手が、不死鳥のごとく復活
 したレースでもあったと思います。果たして今年は、どのような感動のシーンを見ること
 ができるのか、その瞬間を静かに待ちたいと思います。
  さて今年本命にする馬ですが、前走ローズS1着のファレノプシスをピックアップし
 ました。やはり基本的には、春競馬で活躍した一線級が、夏を無事に乗り切り、秋初戦の
 トライアルでいい結果を出していれば、高い確率でこの秋華賞も好走すると見ています。
 本当にレースセンスが抜群の馬で、追い出した時の反応を見ても、素晴らしい潜在能力を
 持っていると確信しています。距離に関しても、ナリタブライアンの近親ということで、
 全く問題はなく、スタミナよりスピードが重視される京都の2000bでは、完全に同馬
 の守備範囲と見ています。
  そして対抗にする馬ですが、前走クイーンS1着のエアデジャヴーを指名しました。
 前走の内容は、先行して押し切る横綱競馬で、夏を超えて一段と成長した印象を強く持ち
 ました。これまでファレノプシスとは、桜花賞、オークスと1勝1敗の対戦成績で、今回
 は、両馬の雌雄を決する一戦かと思っています。直前の追い切りも素晴らしい内容だった
 ということで、展開次第では圧勝という結末も考えています。これまで日本競馬界に数々
 の金字塔を打ち立ててきた大種牡馬・ノーザンテーストに、更なる勲章を贈ることができ
 るのか、注目して見たいと思っています。
  また3番手にする馬ですが、オークス優勝後、5ヵ月の休養明けのエリモエクセルを
 ピックアップしました。もちろん、秋1戦叩いている馬と比べると、少し不安が残るのも
 事実ですが、この馬の持っている潜在的な底力は、とても軽視はできないと見ています。
 オークスでは好位から進出し、エアデジャヴー、ファレノプシスの猛追を抑え込み、最後
 の直線での末脚は、同世代を凌駕する次元の違う瞬発力だったと思います。たとえ絶好調
 時の80%の出来であっても恐い一頭ではないかと評価しています。当日の馬券検討でも
 この馬の取捨が大きなポイントになると見ています。
 第3回  秋 華 賞(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@ケイツーパフィ牝4小 野55前走クイーンS3着展開ハマればチャンスも
Aマルカコマチ牝4福 永55前走900万特別2着GTでの対応が問題か
Bエガオヲミセテ牝4四 位554ヵ月休養明け笑顔を見せることが出来るか
Cショウナンハピネス牝4吉 田55前走クイーンS7着一発の可能性もある一頭
Dエアデジャヴー牝4横山典55前走クイーンS1着悲願のGT制覇へ王手か
Eスギノキューティー牝4河 内55前走ローズS9着で意外性は十分ある一頭か
Fナリタルナパーク牝4佐 藤55前走ローズS5着で流れに乗れば上位もある
Gエリモエクセル牝4的 場555ヵ月休養明けでオークスに続き2冠達成か
Hビワグッドラック牝4藤 田55前走ローズS2着で軽視はできない実力馬か
Iエリモピュア牝455前走ローズS3着展開次第で上位もある馬か
Jリワードニンファ牝4後 藤55前走900万特別1着ダークホース的存在か
Kダンツプリンセス牝4塩 村55前走900万特別1着で大金星の可能性ある
Lバプティスタ牝4岡 部55前走クイーンS4着調子が戻れば恐い一頭か
Mファレノプシス牝4武 豊55前走ローズS1着2冠制覇へ向け視界良好か
Nメガラ牝4古川吉55前走500万下1着GTではやや苦しい一頭
Oベストマリー牝4橋本広55前走クイーンS6着で展開次第で上位もある
Pナオミシャイン牝4柴田善55前走クイーンS2着逆転の可能性もある一頭
Qスピーディローザー牝4南 井55前走ローズS10着流れに乗ればチャンスも
【10月25日 芝2000b 4歳牝オープン定量 京都】
【本線】D−M、G−M、D−G
【中穴】H−M、M−P、C−M
【大穴】D−H、D−P、C−D

【結果】
 1着 Mファレノプシス
 2着 Fナリタルナパーク
 3着 Dエアデジャヴー
 単M 290円 複M120円F940円D120円
 枠連4−7 1140円 馬連F−M 10460円
前半1000b61秒9というスローペースを読み切り、3コーナー過ぎから早め早め に動いた武豊騎手のファインプレーだったと思います。14番という外枠発走も大きな プラス要因で、横山典・エアデジャヴーが抜け出す前に仕掛けた絶妙のタイミングは、 もはや神業と言っても過言ではないと思います。オーナーサイドは、海外遠征も視野に 入っているということで、今後の更なる活躍に期待したいと思います。2着のナリタル ナパークは、スタートでやや出遅れたものの、3〜4コーナーで8番手まで進出。最後 の直線では、出走馬中最高の35秒6という末脚を使い、万馬券演出の立役者となりま した。今後に向けて価値のある2着だったと思います。3着のエアデジャヴーは、終始 4〜5番手と絶好の位置取りで、流れにも乗っていましたが、ファレノプシスが動いた 時に、インに包まれたのが勝負の分かれ目になったのかもしれません。今後の巻き返し に期待したいと思います。馬券の方は、ナリタルナパークがノーマークだったために、 完敗という結果でした。

   第46回  京 都 新 聞 杯(GU)予 想

    1994年10月16日、第42回京都新聞杯。この日の阪神競馬場は大きな溜め息に
 包まれることになりました。菊花賞で史上5頭目の三冠馬を狙うナリタブライアンが満を
 持して登場。ダービー1着以来の出走となるブライアンの単勝支持率は77.8%という
 驚異的な数字で、もちろん単勝オッズは1.0倍を示していました。そのような状況の中
 ゴールを最初に駆け抜けた馬は、前走神戸新聞杯を勝って、当時3連勝と波に乗っていた
 藤田伸二騎手のスターマンでした。体全体を使ったダイナミックなフォームで、ここしか
 ないという最内を突いての大金星。まさにスターマンの瞬発力を120%発揮させた藤田
 騎手の大ファインプレーの一戦だったと思います。今年もどのようなドラマが生まれるの
 か、その瞬間を期待を込めながら静かに待ちたいと思います。
  さて今回本命にする馬ですが、やはり前走ダービー1着のスペシャルウィークを指名
 しました。もちろんこの馬の強さはダービーの5馬身差に集約されていると思いますが、
 あの時計の掛かる馬場状態で、アイネスフウジンのダービーレコードに0秒5差まで迫っ
 たスピードの絶対能力は、現4歳馬の中でも完全に抜けている存在かと思います。また、
 武豊騎手のコントロールに瞬時に反応するレースセンスも抜群で、マイナス要因を探す方
 が難しい状況かと思っています。問題は馬場状態だけですが、極端な道悪にならない限り
 まず連対は間違いないと見ています。
  そして対抗にする馬ですが、前走神戸新聞杯2着のボールドエンペラーを指名しまし
 た。もちろん、スペシャルウィークとは、ダービーでの5馬身差を含め、3戦3敗という
 直接対決の成績。今回も逆転するのはかなり難しいかと思いますが、一度叩いた強みから
 その差を縮めることは十分に可能と考えています。調教でも春シーズンには出せなかった
 坂路の4ハロンを51秒台で走ったということで、確実に成長していることは評価したい
 と思っています。
  また3番手にする馬ですが、前走神戸新聞杯3着のキングヘイローをピックアップし
 ました。もちろん潜在能力では4歳勢の中でもトップクラスで、展開さえハマれば復活の
 可能性は十分にあると見ています。今回、広々とした京都競馬場に変わるのも、この馬に
 とっては大きなプラス材料で、道悪に関しても、その叩き付けるような走法から、問題は
 全くないと思っています。一度レースを使った叩き2戦目ということで、この馬の今後を
 占う上でも、重要な一戦ではないかと考えています。
 第46回  京 都 新 聞 杯(GU)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@タヤスメドウ牡4土 肥57前走500万特別2着展開ハマれば入着も
Aミツルリュウホウ牡4南 井57前走ダービー5着可能性は十分ある実力馬
Bブリリアントロード牡4山田和57前走神戸新聞杯7着流れに乗れば上位ある
Cエリモソルジャー牡4高橋亮57前走オークランドRCT9着一発の可能性も
Dビッグマキバオー牡4池 添57前走神戸新聞杯5着で意外性は十分ある馬
Eランスルーザターフ牡4石 橋57前走500万特別1着展開次第で入着ある
Fスエヒロコマンダー牡4小 池57前走900万特別11着流れに乗れば上位
Gハカタビッグワン牡4安藤光57前走東海クラウン賞1着菊出走権チャンス
Hボールドエンペラー牡4河 内57前走神戸新聞杯2着軽視はできない実力馬
Iスペシャルウィーク牡4武 豊57前走ダービー1着2冠に向けて視界良好か
Jサクラナミキオー牡4武 幸57前走セントライト記念8着で調子が戻れば
Kサンプレイス牡4松永幹57前走やまももS1着ダークホース的存在か
Lクリールサイクロン牡4四 位57前走ダービー15着実力馬で今回復活もある
Mメジロランバート牡457前走セントライト記念6着道悪で上位進出も
Nキングヘイロー牡4福 永57前走神戸新聞杯3着叩き2戦目今回恐い馬
Oグリーンプレゼンス牡4的 場57前走若葉S1着本番に向けて重要な試金石
【10月18日 芝2200b 4歳オープン定量 京都】
【本線】H−I、I−N、H−N
【中穴】A−I、I−M、I−K
【大穴】A−H、H−M、H−K

【結果】
 1着 Iスペシャルウィーク
 2着 Nキングヘイロー
 3着 @タヤスメドウ
 単I 120円 複I110円N160円@1760円
 枠連5−8 280円 馬連I−N 360円
スペシャルウィークは、1コーナー過ぎで外目に持ち出し、3コーナー付近から徐々に 進出。坂の下りで馬なりのまま先頭に並び掛ける展開で、直線に入るとキングヘイロー と馬体を併せ一騎討ちの競馬になりました。最後は抜け出すのに少し苦しみましたが、 そこはダービー馬の貫禄、クビ差で勝利を勝ち取りました。一度叩いた本番では、更な る上積みが期待できると思っています。2着のキングヘイローも流れに乗って、完全な 勝ちパターンだったと思いますが、ゴール前での伸びが、あと一歩足りませんでした。 しかし、これで本番に向けて希望がつながったわけで、逆転までも含め大いに期待でき る内容だったと思います。3着のタヤスメドウは、人気薄ながら粘りのある末脚を見せ、 今後、大化けの可能性もある一頭かと見ています。対抗に推したボールドエンペラーは、 終始見所がなく馬群に沈みましたが、今後の巻き返しに期待したいと思います。馬券の 方は、とりあえず◎−▲で的中しましたが、1番人気の馬連360円の決着では全くの 問題外。ただし、この連勝の流れのまま秋のGT戦線に突入したいと思っています。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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