重 賞 予 想 回 顧（１６）

   第５９回  オ ー ク ス（Ｇ�T）予 想

    歴史上の人物で一番の女傑は・・・。この答えはいろいろあると思いますが、源義仲と
  ともに登場する「巴（ともえ）御前」は、その中でも５本の指に入るスーパー・ウーマン
  かもしれません。まさに、荒馬を乗りこなし、強弓を引くという、一騎当千のツワモノ。
  平家物語の原文にも「くびねぢきってすててンげり」とあるように、敵の武将を組み伏せ
  て、その首をねじ切って捨ててしまった、という凄いエピソードの持ち主でもあります。
  さて今回のオークスでも競馬史に名を残すような女傑は登場するのでしょうか。期待しな
  がらゲートが開くのを静かに待ちたいと思います。
    このオークスをデータ的に見ると、過去１０年の１番人気の成績は【２３０５】という
  ことで、連対率は５割。レースキャリアは４〜９戦が理想的で、使い過ぎの馬は上積みが
  なく、逆にキャリアが少ない馬も本番ではかなり苦しいかと思います。ローテーション的
  には、やはり桜花賞直行組が１２連対と抜群の実績で、その他ではトライアルの４歳牝馬
  特別組が５連対、また９４年の優勝馬チョウカイキャロルの忘れな草賞組も要チェックか
  と思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、桜花賞を快勝したファレノプシスをピックアップし
  ました。もちろん、桜花賞とオークスは、全く別の次元で考えるレースかと思いますが、
  １０００�b通過が５７秒７というハイペースの中、あの直線での末脚は、並の馬では到底
  できない離れ業で、改めてこの馬の能力を再認識した一戦でした。問題は母方の血統から
  ２４００�bという距離面だけかと思いますが、府中コースでは間違いなくこの馬の末脚は
  さらに威力を増すと考えています。ファレノプシスが１００％の潜在能力を発揮した場合
  府中のターフにも「胡蝶蘭」は咲き乱れると思っています。
    そして対抗にする馬ですが、桜花賞３着のエアデジャヴーを指名しました。この馬も
  前走の桜花賞では１３番手という位置取りから爆発的な末脚を見せ、持ち味は十分に発揮
  したと思っています。もちろん距離が伸びる今回は、逆転までを含めた超有力馬で、展開
  さえハマれば圧勝もあると見ています。問題は、スローペースになった場合の追い出しの
  タイミングで、横山典弘騎手の手綱さばきが勝敗の大きなポイントを握っていると考えて
  います。
    また３番手にする馬ですが、４歳牝馬特別１着のマックスキャンドゥをピックアップ
  しました。桜花賞では終始２番手という位置取りから０秒３差の５着という結果で、前走
  のトライアルでは余裕のレース運びで快勝。もちろん本番でも軽視できない一頭と考えて
  います。問題はややキツいローテーションだけで、鞍上も現在関東リーディングを独走し
  ている蛯名正義騎手。レースの流れに乗れば、大金星も十分にあり得ると思っています。

 第５９回  オ ー ク ス（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月３１日 芝２４００�b ４歳牝オープン定量 東京】

【本線】�M−�O、�O−�Q、�M−�Q
【中穴】�G−�O、�J−�O、�K−�O
【大穴】�G−�M、�J−�M、�K−�M

【結果】
 １着 �Eエリモエクセル
 ２着 �Mエアデジャヴー
 ３着 �Oファレノプシス
 単�E １３４０円 複�E３００円�M１６０円�O１３０円
 枠連３−７ １８８０円 馬連�E−�M ２３００円

 今回のレースは「直線で勝利を確信した」という的場騎手のコメントに、すべてが集約
 されていると思っています。スローペースを読み切り、内々７〜８番手という好位置を
 キープ。直線では馬群の中央を割り、エアデジャヴー、ファレノプシスらを振り切り、
 的場＆エリモエクセルは堂々と勝利の栄冠を勝ち取りました。２着のエアデジャヴーも
 当日の馬体重がプラス１２�`という最高の状態でしたが、やはり、思った以上のスロー
 ペースということで、自慢の末脚がやや不発だったような気がしました。３着のファレ
 ノプシスも、道中では完璧に折り合いがついて、完全な勝ちパターンに持ち込んだとは
 思いますが、やはり距離的な問題からか、直線での伸びがイマイチだったと思います。
 これで今年のクラシック戦線は、桜花賞、皐月賞に引き続き、テン乗りの騎手が優勝と
 いう珍しい結果になりました。馬券の方は、エリモエクセルが無印だったために、今週
 も連敗モードから脱出することはできませんでした。

   第２８回  高 松 宮 記 念（Ｇ�T）予 想

    １５６０年（永禄３年）天下統一に向けて、東海の雄・今川義元が２万５千という大軍
  を率いて駿府城を出発。対する織田信長軍は２千という少数精鋭でこれを急襲。いわゆる
  世に言う「桶狭間の合戦」ですが、今回高松宮記念が行われる中京競馬場は、まさにこの
  古戦場跡のすぐ近くにあるということで、やはり競馬史に残るようなドラマチックな一戦
  になることを期待しています。
    この高松宮記念は、まだ芝１２００�bのＧ�Tになってから２回しかデータは無いのです
  が、過去２年とも１番人気は連対も無く敗退しています。またいずれも３番人気馬が連に
  絡んでいることも要チェックかもしれません。特に注目する点は、上位馬のほとんどが、
  千二〜千四での連対率が７割以上で、持ち時計も中京競馬場のコース形態から重要視すべ
  き一戦かと思っています。
    そこで、今回本命にする馬ですが、前走シルクロードＳ１着のシーキングザパールを
  ピックアップしました。この馬は４歳の春に重賞４連勝、中でもＮＨＫマイルＣは、１分
  ３３秒１という好時計でＧ�T馬の仲間入りをしています。もちろん絶対能力は、出走馬中
  でもトップクラスで、当然中心的な存在と考えています。問題は、初の中京小回りコース
  をどのように克服するかということですが、仕掛けてからの反応が抜群にいい馬なので、
  十分に対応はできると思っています。
    そして、対抗にする馬ですが、前走シルクロードＳ４着のスギノハヤカゼを指名しま
  した。この馬は昨年の同レースを４着、スプリンターズＳを２着と、実績面ではＮＯ．１
  の馬かもしれません。また中京の１２００�bが【３００１】という得意のコース、斤量も
  前走の５９�`から２�`減の５７�`で出走できるということで、やはり大きなプラス材料か
  と思っています。一度叩いたことで状態面も上昇しているハズで、念願のＧ�T制覇も視野
  に入ってきたと思います。
    また、３番手にする馬ですが、前走シルクロードＳ５着のエイシンバーリンをピック
  アップしました。この馬は芝１２００�bの日本レコードホルダーですが、先手必勝の中京
  コースでは、持ち時計は特に重要なポイントで、楽に先行できる脚質からもレースのカギ
  を握っている一頭だと思います。また今回は、同タイプの逃げ馬がいないだけに、一発の
  可能性も十分に秘めていると思います。

 第２８回  高 松 宮 記 念（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月２４日 芝１２００�b ４歳上オープン定量 中京】

【本線】�D−�N、�D−�O、�N−�O
【中穴】�@−�D、�@−�N、�@−�O
【大穴】�D−�H、�H−�N、�H−�O

【結果】
 １着 �Gシンコウフォレスト
 ２着 �@ワシントンカラー
 ３着 �Oエイシンバーリン
 単�G ４９０円 複�G１６０円�@３２０円�O２７０円
 枠連１−４ ２５１０円 馬連�@−�G ２４５０円

 やはり、当日に降った雨の影響で、思った以上に馬場状態が悪かったと思います。その
 ような状況の中、２番手を楽に追走するシンコウフォレストが正攻法の競馬で快勝しま
 した。四位騎手の「恵みの雨だった」というコメントからも、時計のかかる馬場状態が
 プラス材料になったと思います。また２着に入ったワシントンカラーは、最内枠という
 ハンデをよく克服したと思います。３着のエイシンバーリンは、テンからのスピードが
 抜群で、７歳牝馬としては大善戦だったと思います。◎に推したシーキングザパールは
 ４コーナーまでは３〜４番手という絶好の位置取りでしたが、やはり馬場状態の影響か
 らか、直線では思ったように伸びませんでした。○のスギノハヤカゼは、スタートでの
 出遅れがすべて。この馬場状態では挽回は不可能だったと思います。馬券の方は、優勝
 したシンコウフォレストが無印だったために惨敗という結果でした。しかし流れが完全
 に「連敗モード」に入ってしまったので、次週は何とかしたいと思っています。

   第３回  Ｎ Ｈ Ｋ マ イ ル Ｃ（Ｇ�T）予 想

    「上喜撰たった四杯で夜も眠れず」・・・。これは、１８５３年６月、浦賀に来航した
  ペリー提督率いる黒船４隻により、日本中が大きく揺れ動いた時に詠まれた「狂歌」で、
  まさに激動の幕末へと動き出す象徴的な出来事だったと思います。今の競馬界も、国際化
  という大きな流れの中、根本的な変革が求められる「激動の時代」に入ったわけで、外国
  産馬という「黒船」にどのように対応していくのか、今後は馬産地の生き残りの問題など
  も含めて、かなり高いハードルが待ち受けていると思います。
    さて今回は、その「マル外ダービー」とも呼ばれているＮＨＫマイルＣですが、データ
  的には過去２年分ということで、あまり参考にはなりませんが、第１回、第２回ともに、
  安田記念を上回る超ハイレベルでのタイム決着ということで、やはり東京マイルコースへ
  の対応の差が大きく明暗を分ける一戦ではないかと思います。もちろん「スピード」だけ
  では押し切れないコースだけに、１８００�b以上の中距離でも対応できる「スタミナ」の
  見極めが取捨のポイントになると思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、前走ＮＺＴ４歳Ｓを快勝したエルコンドルパサーを
  ピックアップしました。この馬は、昨年の１１月８日にデビューしてから４戦４勝、その
  内容も、２番手以降につけた着差が計２０馬身と、まさに同世代を凌駕する走りだったと
  思います。前走のＮＺＴ４歳Ｓでは、初の芝コースも問題なくクリアし、本番に向けての
  最高のステップレースになったと思います。父キングマンボは、マイルＧ�T３勝。その母
  ミエスクは、ＢＣマイル２勝を含め、各国のＧ�Tを総なめにしてきた稀代の女傑。もはや
  勝敗を予想する以前に、東京競馬場の直線を一体どのように駆け上がってくるかに興味が
  あります。
    そして対抗にする馬ですが、前走クリスタルＣを圧勝したトキオパーフェクトを指名
  しました。この馬もエルコンドルパサーと同様に、デビューしてから４戦４勝という成績
  で、そのスピードの絶対値は、同世代の中でもトップレベルと評価ができると思います。
  問題は、初の東京コースをどのように克服するかということですが、気性的には落ち着い
  ている馬なので、流れが緩やかになっても掛かる心配はなく、逆に、先行タイプの同馬に
  とっては、早めにスパートして逃げ切るという最高の舞台が整ったと思います。もちろん
  逆転までを含めた強力な対抗馬と見ています。
    また３番手にする馬ですが、前走ＮＺＴ４歳Ｓ３着のマイネルラヴをピックアップし
  ました。今までの全成績は【２４１１】ということで、堅実性は抜群ですが、あと一歩と
  いう競馬が続いてきました。ただし、前走の場合は中団から差す展開となり、今までとは
  違った面を引き出すことができたと思います。また今回は、鞍上も武豊騎手に乗り替わり
  ということなので、この馬の持ち味をどこまで生かすことができるのか、最後の１ハロン
  勝負となった場合は、かなり可能性はあると見ています。

 第３回  Ｎ Ｈ Ｋ マ イ ル Ｃ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月１７日 芝１６００�b ４歳オープン定量 東京】

【本線】�G−�H、�H−�J、�G−�J
【中穴】�H−�I、�F−�H、�H−�O
【大穴】�G−�I、�F−�G、�G−�O

【結果】
 １着 �Hエルコンドルパサー
 ２着 �Dシンコウエドワード
 ３着 �Fスギノキューティー
 単�H １８０円 複�H１２０円�D４７０円�F３３０円
 枠連３−５ １４１０円 馬連�D−�H １８４０円

 それにしても優勝したエルコンドルパサーは、全く危なげのない貫禄の横綱競馬だった
 と思います。道中は終始４〜５番手という展開から、第４コーナーでは大外から先頭に
 立つ勢い。直線では早めに抜け出し、他馬を力でねじ伏せるという圧勝劇でした。２着
 のシンコウエドワードも約５ヵ月間の休養明けでしたが、コースロスのない内をついた
 競馬で、キャリア２戦馬としては大善戦だったと思います。３着のスギノキューティー
 は、直線で他馬と接触するなど、やや不利もありましたが、それでもこの馬の能力は出
 し切っていると思います。問題は１５着と馬群に沈んだ２番人気のトキオパーフェクト
 ですが、やはり初コースと距離が敗因だったのかもしれません。この馬は今後の巻き返
 しに期待したいと思います。馬券の方は、シンコウエドワードがノーマークだったため
 に完敗という結果でした。

   第１１７回  天 皇 賞 ・ 春（Ｇ�T）予 想

    「天王山」・・・。それは、現在の京都府乙訓郡大山崎町にある海抜２７０�bの小山。
  １５８２年、羽柴秀吉と明智光秀とが山崎に戦った時、この小山を占領した秀吉軍に軍配
  があがり、まさにこの小さな「天王山」が、天下分け目の勝敗を決する場になったという
  ことです。今回の春の天皇賞も、この「天王山」から目と鼻の先にある京都競馬場が決戦
  の場ということで、果たしてこの淀の大舞台を制し、天下を統一するのは一体どの馬なん
  でしょうか。
    さてこの天皇賞・春をデータ的に見ると、過去１０年、１番人気が７連対、２番人気が
  ５連対と抜群の実績で、上位人気の信頼度はかなり高いと見ています。また勝ち馬はすべ
  て１〜４番人気で、単勝の平均配当も４９０円台と非常に堅く収まっています。もちろん
  チャンピオン・ステイヤーを決定するレースということで、フロックなどは全く介在しな
  い厳しい一戦と評価ができると思います。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり前走阪神大賞典１着のメジロブライトを指名
  しました。もちろんステイヤーズＳ、ＡＪＣＣ、阪神大賞典のＧ�U３連勝は、並の馬では
  到底できない離れ業で、４歳クラシック戦線での未完成な部分は、完全に払拭された感じ
  がします。かつてのジャスティスのような一瞬の切れ味の追い込みとは違い、ステイヤー
  タイプの長くいい脚を使える追い込みなので、まさに京都コースの３２００�b戦は最高の
  舞台ではないかと思っています。「メジロ長距離王国」の復活は、すべてこの馬の走りに
  かかっていると思います。
    そして対抗にする馬ですが、もちろん昨年のグランプリホースシルクジャスティスを
  ピックアップしました。前走の阪神大賞典では、今までのような追い込み一辺倒の展開を
  完全に打ち破る競馬で、この馬の「新たなる可能性」を引き出すことができたと思ってい
  ます。つまり本来ならばマークする馬があって、はじめて生かされるジャスティスの末脚
  でしたが、自分自身でペースを作り、前でブライトを待ち受けるという横綱競馬を経験し
  たことは、本番に向けての大きな自信につながったと思います。またこの時の２頭の斤量
  差を考えても、逆転の可能性は十分にあると見ています。
    結局、今回は１点予想にしましたが、マッチレースと騒がれる時は、決まって伏兵馬が
  突っ込んでくることも事実・・・。しかし競馬ファンの一人として、やはり競馬史に残る
  ような２強の叩き合いに期待したいと思っています。

 第１１７回  天 皇 賞 ・ 春（Ｇ�T）枠 順 確 定

【５月３日 芝３２００�b ５歳上オープン定量 京都】

【本線】�C−�D

【結果】
 １着 �Dメジロブライト
 ２着 �Hステイゴールド
 ３着 �Iローゼンカバリー
 単�D ２３０円 複�D１３０円�H５５０円�I３６０円
 枠連４−６ １５２０円 馬連�D−�H ４７７０円

 優勝したメジロブライトは、終始５〜６番手という絶好の位置取りで、超スローペース
 の流れの中、落ち着いて折り合い面は完璧だったと思います。そして、４コーナー手前
 で仕掛ける正攻法の展開から、直線では一頭だけ抜け出すという快勝劇を演じました。
 ２着のステイゴールドも、道中は終始ブライトをピッタリとマークする展開で、直線で
 もよく伸びてきたと思います。３着のローゼンカバリーは、最後方の展開から末脚勝負
 の形となり、今回も毎度おなじみの「善戦マン」に終りました。また２強の一角シルク
 ジャスティスは、直線での伸びを欠き４着。もちろん超スローの流れや、馬場のことを
 考える以前に、今回は完敗と評価を下した方がいいと思っています。あとチェックすべ
 き点は、勝ち時計の３分２３秒６という走破タイムですが、やはり最近問題となってい
 る「スローペース症候群」を完全に証明する結果になってしまいました。ただし、これ
 で勝ち馬の評価が下がることは決してありませんが、それでも３分２３秒台は少し遅す
 ぎる時計だったと思います。馬券の方は「ブライト＆ジャスティス」の１点勝負だった
 ので、今回は納得済みの「完全敗北」でした。しかし歴史は繰り返すんですね！！

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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