重 賞 予 想 回 顧（１３）

   第３９回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）予 想

    １月２１日の読売新聞で「１００年後はこうなる」という特集が組まれていましたが、
  やはり、２１世紀は、テクノロジーの恩恵を十二分に享受する「バラ色」の世紀なのか、
  それとも浪費型の負の財産にあえぐ「灰色」の世紀なのか・・・。特集記事の中には様々
  な未来予想図が載っていました。人類の火星への進出、月旅行が一般化、核融合の実用化、
  タイムトラベルの原理の発見、などなど・・・。そのような中で、果たして１００年後の
  競馬界は一体どうなっているのでしょうか。たぶん競馬場は、すべて全天候型のドーム競
  馬場となり、情報ネットワークの発達からいつでもどこでも馬券が買え、日本ダービーの
  ２４００�bを１分台で走るスーパーホースも登場するかもしれません。もう１００年後の
  未来を見ることはできませんが、せめて第１２０回の日本ダービーぐらいまでは、実際に
  自分の目で見たいと思っている今日この頃です。
    さて今週は春のＧ�T戦線を占う、古馬のＧ�U戦ということですが、ＡＪＣＣの過去１０
  年を見ると、１番人気が【４３０３】ということで、とりあえず上位人気馬は信用できる
  と思っています。ただし馬連の相手は人気薄が突っ込んでいて、波乱の要素も十分に考え
  る必要があります。また、この時期に行われる重賞ということで、出走頭数も平均すると
  １０頭前後という少頭数なので、有力馬が楽に流れに乗れるという反面、伏兵馬の台頭も
  十分に考慮した方がいいと思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり前走のステイヤーズＳで１２馬身差の大差勝ち
  を演じたメジロブライトをピックアップしました。昨年のクラシックでは、皐月賞４着、
  ダービー３着、菊花賞３着と、僅かなところで栄冠を逃したわけですが、その実力はすで
  に折り紙付きで、今回の一戦は本番の天皇賞・春に向けての大きな試金石になると思って
  います。ただし前走の３６００�bとは違い、２２００�bという展開に左右される可能性も
  ある距離だけに、絶対視できないことも事実。ここは温かく見守る感じで応援したいと思
  っています。
    そして対抗にする馬は、前走有馬記念４着のローゼンカバリーを指名しました。この
  有馬記念では、ジャスティス、マーベラス、グルーヴの壮絶な叩き合いの中、後方からの
  素晴らしい追い込みで２馬身３／４差でゴールしました。もちろん中山の芝コース実績も
  【５０１１】という心強いデータがあり、昨年に引き続きＡＪＣＣ２年連続制覇の可能性
  もかなり高いと見ています。この寒い時期のローゼンカバリーは、特に要注意が必要かも
  しれません。
    また３番手には、前走準オープンの冬至Ｓを快勝した上がり馬キラージョーをピック
  アップしました。この馬は昨年の青葉賞の追い切りで左前脚のスジを痛めて、クラシック
  を棒に振ったわけですが、その実力は復帰してからのレースで、すでに証明されていると
  思います。今回は重賞初挑戦ということで、やや未知数の部分もありますが、もし今回の
  一戦で、他の有力馬を一蹴するようなことがあれば、９８年の中距離戦線での活躍が約束
  されたことになります。注目の一頭として、期待しながら観戦したいと思います。

 第３９回  Ａ Ｊ Ｃ Ｃ（Ｇ�U）枠 順 確 定

【１月２５日 芝２２００�b ５歳上オープン別定 中山】

【本線】�B−�D、�B−�C、�C−�D
【中穴】�B−�F、�D−�F、�C−�F
【大穴】�B−�J、�D−�J、�C−�J

【結果】
 １着 �Bメジロブライト
 ２着 �Gマイネルブリッジ
 ３着 �Dローゼンカバリー
 単�B １８０円 複�B１１０円�G２１０円�D１２０円
 枠連３−７ ７７０円 馬連�B−�G １１００円

 う〜ん、しかしメジロブライトは強かったですね。終始、最後方の位置取りで、３コー
 ナー過ぎから徐々に進出。直線に入ると１頭だけ全く次元の違う末脚で、他馬を一蹴し
 ました。上がり３ハロンのタイムもメジロブライトだけ３４秒台ということで、今後の
 Ｇ�T戦線でもかなり期待のできる素晴らしい内容だったと思います。２着に入ったマイ
 ネルブリッジも、後方からの展開でよく伸びているとは思いますが、やはり勝ち馬とは
 瞬発力の差が出たような感じでした。３着のローゼンカバリーもこの馬なりには大健闘
 だったと思いますが、やはり展開的に後方から一気に来られると苦しい馬なのかもしれ
 ません。馬券的には、マイネルブリッジが無印だったために惨敗という結果でした。

   第３２回  シ ン ザ ン 記 念（Ｇ�V）予 想

    一枚の写真がある。もう色あせた古い写真ですが、その当時の熱気と興奮を伝える有名
  な写真。１９６４年、ダービーを勝った直後のシンザンの写真です。観客の間を割って再
  び本馬場に登場する堂々としたシンザン。そして、そのシンザンに寄り添う４人の男達。
  いわゆるシンザンと共に、戦後の日本競馬の象徴のような一枚だと思います。「コダマは
  カミソリ、シンザンは鉈」と武田文吾調教師は言ったそうですが、その末脚も今では伝説
  として語り継がれるものだと思います。シンザンもすでにこの世を去り、このシンザン記
  念も今年で早３２回を数えます。果たして今回は、この偉大なシンザンを超える馬が出現
  するのかどうか、かすかな希望を持って観戦したいと思います。
    このシンザン記念の過去のデータですが、馬連の平均配当は１１００円台と思ったより
  も堅く収まっていて、やはり無謀な大穴狙いは、少し考えた方がいいのかもしれません。
  また１、２着の組み合わせも、過去１０年で７回までが１〜４番人気ということで、決し
  て大荒れはしないレースでもあります。そして注目する点は、昨年のシーキングザパール
  や、ホッコービューティなど、牝馬の連対率が比較的高いということで、今年も出走する
  ２頭の牝馬、キュンティアとダンツシリウスは要注意かもしれません。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり前走川崎で快勝したアグネスワールドを指名
  しました。休み明けだった朝日杯は、グラスワンダーの４着に敗れましたが、１６００�b
  を１分３４秒台で走った能力は、当然４歳馬の中でも一線級と評価ができると思います。
  年末に一回川崎で使った疲労と、当日の馬場状態がやや心配ですが、今回はメンバー的に
  も連はハズさないと思っています。そして別定５７�`の斤量も、この馬のパワーなら十分
  に対応できると考えています。
    また対抗にする馬ですが、前走阪神３歳牝馬Ｓで２着と走ったキュンティアをピック
  アップしました。もちろん前走は１戦１勝馬でありながら、直線では長くいい脚を使って
  内容の濃い非凡なところを見せました。ただこの馬は、道悪になった時の対応にやや心配
  な面もあるので、当日の馬場状態は要チェックかもしれません。ただ勝負根性だけは出走
  メンバー中でも一番かと思っています。
    そして３番手にする馬は、小倉の覇者タケイチケントウを指名しました。当然２ヵ月
  という、やや間隔が開いたローテーションが少し不安ですが、中間の追い切りでも抜群の
  動きだったということで、今回はこの馬の潜在能力に期待したいと思います。馬体に関し
  ても小倉で連勝した当時の状態に戻れば、かなりチャンスはあると見ています。

 第３２回  シ ン ザ ン 記 念（Ｇ�V）枠 順 確 定

【１月１８日 芝１６００�b ４歳オープン別定 京都】

【本線】�A−�D、�D−�H、�A−�H
【中穴】�D−�F、�A−�F、�F−�H
【大穴】�D−�J、�A−�J、�H−�J

【結果】
 １着 �Jダンツシリウス
 ２着 �Dアグネスワールド
 ３着 �Gミツルリュウホウ
 単�J １６４０円 複�J２８０円�D１１０円�G５６０円
 枠連３−６ ７３０円 馬連�D−�J ８６０円

 今週も先週のマイネルラヴやワシントンカラーに引き続き、単勝１倍台の本命馬が敗れ
 ました。やはりアグネスワールドは、スタートからかかり気味で、向正面では口を割り、
 首を大きく振る状態でした。もちろん今まで経験したことのないスローペースに戸惑っ
 たこともあるとは思いますが、２着を死守したことは評価したいと思います。優勝した
 ダンツシリウスは、先行馬をスムーズに追走し、４コーナーではアグネスの直後に進出。
 不良馬場も全く問題ない脚質で、精神的にもタフな面を見せつけました。今後は桜花賞
 に向けても期待のできる内容だったと思います。３着のミツルリュウホウも直線で鋭い
 末脚を使い、実力馬の片鱗を見せました。馬券の方はダンツシリウスが△だったために
 ギリギリで的中したという結果でした。

   第３８回  京 成 杯（Ｇ�V）予 想

    昨年の京成杯の予想から始った「重賞予想」も、今回で１周年を迎えます。昨年の場合
  は「送りバント予想」ということで、的中率を重視してきましたが、今年はそれにプラス
  して回収率の方も上げていきたいと思っております。さてこの京成杯というレースですが、
  過去の勝ち馬には、テスコガビー、クライムカイザー、テンモンなどのクラシックホース
  や、スピードシンボリ、アローエクスプレスなどの名馬も居並び、クラシックに直結する
  レースだったと思います。しかし、ここ１０年の勝ち馬を見ると、ほとんどがクラシック
  で活躍していない馬ばかりで、やはりレース自体の傾向が変ってきたと思います。もちろ
  ん一番大きな要因は、外国産馬の台頭ということですが、今年の場合も８頭の外国産馬が
  登録をしているということで、これからはＮＨＫマイルＣへのステップレースとして注目
  をしなければならないと思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり朝日杯３歳Ｓ２着のマイネルラヴを指名しま
  した。もちろん朝日杯の１分３４秒０という時計は、並の馬では到底出せないタイムで、
  通常の年なら楽に勝っていたと思います。逆に言うとそれだけグラスワンダーが抜けてい
  るということで、今回のマイネルラヴ陣営は、グラスワンダーを視野に入れて出走すると
  いう感じだと思います。コース、距離とも前走と全く同じということで、大きな不利や、
  アクシデントがない限り、かなり高い確率で勝機はあると思っています。
    そして対抗にする馬は、当初は良血馬のパルシファルを指名しようと思っていましたが、
  左前球節炎のために出走回避ということで、ここは前走カンパイのあった５００万条件の
  レースで、同着の１着となったエフワンナカヤマをピックアップしました。この馬は、
  現在、新馬戦→５００万と２連勝中で、陣営も同じ週に開催される京都のバイオレットＳ
  と両にらみでいくということです。能力的にはまだ未知数の部分もありますが、スタート
  のやり直しのレースで、１着同着に持ち込んだ精神的な図太さは十分に評価ができると思
  っています。今回はこの馬にとっても重要な試金石のレースと考えています。
    また３番手には、こちらも例のカンパイ・レースで３着となったマンダリンスターを
  指名しました。この馬は昨年デビューしてから、２着→１着→２着→３着ということで、
  堅実な走りが評価できると思います。今回は格上挑戦の形となりますが、中山の芝コース
  実績もあり、十分に可能性はあると見ています。それから今の季節は競走馬にとって故障
  発生もかなりある厳しい時期なので、全馬が無事にゴールすることを願いつつ、ゲートが
  開くのを静かに待ちたいと思っています。

 第３８回  京 成 杯（Ｇ�V）枠 順 確 定

【１月１１日 芝１６００�b ４歳オープン別定 中山】

【本線】�@−�E、�@−�H、�E−�H
【中穴】�@−�F、�E−�F、�F−�H
【大穴】�@−�G、�E−�G、�G−�H

【結果】
 １着 �Hマンダリンスター
 ２着 �Eエフワンナカヤマ
 ３着 �Gビルドアップリバー
 単�H ８９０円 複�H１７０円�E２００円�G４２０円
 枠連６−８ ２３５０円 馬連�E−�H ２３４０円

 それにしてもマイネルラヴの惨敗はショックでしたが、やはり道中折り合いを欠いたこ
 とや、馬場の悪い最内を終始走ったことが影響したのかもしれません。また蛯名正騎手
 のコメントでも「スタートして横の馬と接触したため馬が怒ってしまった」ということ
 ですが、今後はもう少し精神面での成長も必要ではないかと思っています。今回優勝し
 たマンダリンスターは、３〜４番手と絶好の位置取りで、直線に入ってもこの馬の瞬発
 力を十分に発揮した一戦だったと思います。２着のエフワンナカヤマも、十分に実力を
 出し切った一戦で、今後に向けて期待のできる内容だったと思います。馬券の方は本命
 のマイネルラヴが馬群に沈み、やや納得のいかない結果となりましたが、▲○での的中
 ということで、とりあえず配当的には満足しています。

   第４２回  有 馬 記 念（Ｇ�T）予 想

    １９９７年の中央競馬も、いよいよ今週でフィナーレを迎えます。これまで数々のドラ
  マチックなシーンを生み出してきた有馬記念・・・。ここ１０年を振り返っただけでも、
  オグリキャップＶＳタマモクロスの昭和最後の名勝負。大川慶次郎氏のライアンコールで
  もお馴染み、有馬記念の定番と言ったらオグリのラストラン。あのメジロマックイーンを
  並ぶ間もなくかわしたダイユウサク。１年ぶりの奇跡の復活を果たしたトウカイテイオー。
  ３冠馬の実力を見せつけたナリタブライアン。田原騎手の投げキッスのマヤノトップガン。
  そして昨年のサクラローレル・・・。もう競馬ファンならすべてのシーンが走馬灯のよう
  に浮かんでくると思いますが、今年もどのような名シーンが我々の脳裏に刻まれるのか、
  その歴史的な瞬間を静かに見守りたいと思っています。
    この有馬記念の特徴ですが、過去１０年の１番人気の成績は【２３１４】と、まあまあ
  の結果ですが、単勝の平均配当は２６００円台ということで、やはり伏兵馬の台頭は頭に
  入れておきたいと思っています。世代別成績では、４歳馬が３勝、５歳馬が１勝、６歳馬
  が５勝、７歳馬上が１勝と、６歳馬の活躍が目立ちます。これは馬齢戦ということもある
  とは思いますが、充実期を迎えた５歳馬の不振が目立ち、この部分は要チェックの点だと
  思っています。牝馬の成績を見ると過去１０年で【０１０20】と、連対したのは９４年の
  ヒシアマゾンのみ。今年の場合は３世代のオークス馬対決が注目されていますが、果たし
  てどのような結末が待っているのでしょうか・・・。
    そこで今年本命にする馬ですが、春の宝塚記念の勝ち馬マーベラスサンデーを指名し
  ました。もちろん５ヵ月半の骨折休養明けがマイナス要因ですが、春の天皇賞３２００�b
  を３分１４秒台で走り、宝塚記念でもバブルガムフェロー以下を力でねじ伏せた実力は、
  秋のＧ�Tタイトルを獲ってきた馬と比べても十分に対抗できると思っています。もちろん
  今回は現役最強馬の座は譲れないところで、今年引退したサクラローレル、マヤノトップ
  ガンの分までも、ぜひ頑張ってほしいと思っています。問題は道中の位置取りと、勝負所
  でのスパートのタイミングですが、鞍上はマーベラスを知り尽くした武豊騎手ということ
  で、今回はすべてを彼に託したいと思っています。
    そして対抗にする馬ですが、やはり競馬史上最強の牝馬エアグルーヴをピックアップ
  しました。今年の有馬は、秋の天皇賞１着、ＪＣ２着のこの馬を中心に展開されることは
  間違いないと思っていますが、前走であれだけの激戦をしてきただけに、どれだけ反動が
  あるかが一番心配だと思います。ただし陣営も秋のローテーションは、秋天→ＪＣ→有馬
  と当初から視野に入れていたということで、今回はこの馬の精神的な強さに期待したいと
  思っています。今回勝てば昭和４６年以来、２６年ぶりの牝馬の年度代表馬ということで、
  ここはぜひ歴史を塗り変えてほしいと思っています。
    また３番手には、今年のオークス、秋華賞を制した４歳牝馬のメジロドーベルを指名
  しました。もし勝てばこちらはスターロッチ以来の、３７年ぶりの４歳牝馬Ｖとなります。
  古馬との対戦はオールカマーで一度あり、特に問題はないと思いますが、当然あの時とは、
  メンバーのレベルも格段に違うので、いかにレースの流れに乗るかがこの馬の課題だと思
  っています。ローテーション的には、秋華賞のあと十分に余裕があったので、調整も有馬
  記念一本で、じっくりとパワーアップができたと思っています。斤量的にも５３�`という
  ことで、大金星の可能性はかなりあると見ています。とにかく今年最後の大一番、全馬が
  無事にゴールすることを切に願っています。

 第４２回  有 馬 記 念（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月２１日 芝２５００�b ４歳上オープン馬齢 中山】

【本線】�B−�K、�B−�N、�K−�N
【中穴】�A−�B、�A−�K、�A−�N
【大穴】�B−�I、�I−�K、�I−�N

【結果】
 １着 �Mシルクジャスティス
 ２着 �Bマーベラスサンデー
 ３着 �Kエアグルーヴ
 単�M ８１０円 複�M２２０円�B１４０円�K１５０円
 枠連２−７ １０７０円 馬連�B−�M １２４０円

 う〜ん、しかしシルクジャスティスの末脚はスゴかったですね。道中マーベラスを見な
 がら９番手で折り合い、直線では今までの惜敗のくやしさを晴らすような追い込みだっ
 たと思います。マーベラスサンデーも５ヵ月半ぶりということを全く感じさせない素晴
 らしい走りで、この馬の能力の高さを改めて実感しました。エアグルーヴも４〜５番手
 と流れに乗り、鞍上のペリエ騎手も完璧な騎乗だったと思います。ただし、やや馬場の
 悪いインを走ったのが影響したのかもしれません。メジロドーベルは、終始入れ込みぎ
 みで、この馬の実力を発揮できなかったような感じでした。今後の巻き返しに期待した
 いと思っています。馬券の方は、シルクジャスティスが無印だったため完敗という結果
 に終りました。これで９７年の中央競馬はすべて終了したわけですが、今年１年、私の
 重賞予想にお付き合い頂いた読者の皆様に感謝したいと思っております。どうもありが
 とうございました。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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