重 賞 予 想 回 顧（１２）

   第３１回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）予 想

    秋のＧ�Tレース１０連戦も、いよいよラスト２戦となりました。今週はベスト・スプリ
  ンターの決定戦、第３１回スプリンターズＳが行われます。このレースは平成２年にＧ�T
  に昇格してから、優勝馬はすべて１、２番人気から出ているということで、やはり実力通
  りに決まる堅いレースと評価ができると思います。データ的にも１番人気が【４１０２】
  で、２番人気が【３１０３】ということで、当然あまり無謀な穴狙いは、少し考えた方が
  いいかもしれません。
    問題は今年参戦予定の外国馬の評価ですが、平成６年に国際競走となってから、同年に
  ３頭、平成７年に２頭が出走し、結果は平成７年のソーファクチュアルの３着が最高成績
  でした。やはり欧米のコース形態とかなり違う中山コース。またトップシーズンを過ぎた
  時期ということも、外国馬苦戦の一因かと思っています。今年の外国馬では、ＢＣスプリ
  ントで１番人気となったメンズイクスクルーシブがとりあえず要注意かと思っていますが、
  その他のキステナ、レシーバーも本当の実力がわからないだけに不気味な存在で、軽視は
  できないと考えています。
    さてそこで今回本命にする馬ですが、やはりマイルＣＳを快勝したタイキシャトルを
  ピックアップしました。この馬はキャリアわずか７戦で、短距離界のトップに立ったわけ
  ですが、この秋の充実ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、Ｇ�V→Ｇ�U→Ｇ�Tと制覇した
  内容は、この馬のこれからの可能性を十分に感じとることができました。来年は海外遠征
  も視野に入っているということで、もちろんここは陣営も負けることができない一戦では
  ないかと思います。
    そして対抗にする馬は、桜花賞馬のキョウエイマーチを指名しました。もちろん前走
  のマイルＣＳでは、歴戦の牡馬陣に混じっても十分に対抗できる実力を証明したと思って
  います。展開的にはスタートで２、３番手につけて、そのまま包まれることなく流れに乗
  れば、かなり高い確率で勝利の可能性もあると考えています。前走に引き続き５３キロと
  いう斤量も、この馬には有利にはたらくと思っています。
    また３番手にする馬は、前走ＣＢＣ賞を快勝したスギノハヤカゼをピックアップしま
  した。この馬は過去６回ほどＧ�Tには挑戦していますが、いずれも目には見えない高い壁
  が存在して、今一歩の成績が続いています。しかしスプリンターとしての潜在能力は素晴
  らしいものを持っていて、何かきっかけをつかめば、大きく変わる馬ではないかと思って
  います。今回は道悪にさえならなければ、十分に逆転のチャンスはあると見ています。

 第３１回  ス プ リ ン タ ー ズ Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月１４日 芝１２００�b ４歳上オープン定量 中山】

【本線】�N−�O、�B−�O、�B−�N
【中穴】�A−�O、�K−�O、�@−�O
【大穴】�A−�N、�K−�N、�@−�N

【結果】
 １着 �Oタイキシャトル
 ２着 �Bスギノハヤカゼ
 ３着 �Kワシントンカラー
 単�O １９０円 複�O１２０円�B２９０円�K２２０円
 枠連２−８ ７９０円 馬連�B−�O １１３０円

 それにしてもタイキシャトルは強い勝ち方をしましたね。スタートもよく４〜５番手に
 つけて、直線に入ると抜群の手応えで圧勝という内容でした。これで戦績は８戦７勝。
 マイルＣＳ、スプリンターズＳの連覇は史上初ということで、年度代表馬も視野に入っ
 てきた感じがします。２着に入ったスギノハヤカゼは道中１０番手からの展開。直線で
 は確実な伸びを見せ、やはりスプリンターとしての資質の高さを証明しました。３着の
 ワシントンカラーも直線では見せ場をつくり、芝での対応も全く問題ないことがわかり
 ました。キョウエイマーチは、やはり前半３２秒６という超ハイペースに翻弄され直線
 ではバテて後退。それとスタート直後の二完歩目にのめったことも、少し影響があった
 と思います。外国馬は８着のレシーバーが最高着順で、今後も中山コースの克服が大き
 な課題として残ったと思います。馬券の方は、対抗に推したキョウエイマーチが１１着
 という惨敗で少し残念でしたが、結局、本線予想の◎▲で的中ということで、とりあえ
 ず納得はできる結果でした。

   第４９回  朝 日 杯 ３ 歳 Ｓ（Ｇ�T）予 想

    まずこの朝日杯３歳Ｓというレースを考える場合、やはり翌年のクラシックの登竜門と
  して重要な位置を占める一戦であり、過去１０年の勝ち馬を見ると、８７年のサクラチヨ
  ノオーから１年おきに、８９年のアイネスフウジン、９１年のミホノブルボン、９３年の
  ナリタブライアンと、このレースの勝ち馬から「ダービー馬」が誕生し、９５年のバブル
  ガムフェローは「天皇賞馬」に輝いています。この流れからいくと、９７年は「名馬」が
  誕生する年でもあり、今回は外国産馬を中心に十分に希望を託せるメンバーがそろったと
  思っています。
    データ的に見ると、過去１０年の１番人気は【７１０２】ということで、かなりの信頼
  性があり、２番人気を見ても【１５１３】という高い連対率で、１、２番人気での決着は
  過去１０年で４回もあるということです。過去６年の馬連平均配当も１５００円台という
  ことで、Ｇ�T戦線の中では最も堅い一戦として位置付けることができると思います。また
  前走成績を見ると連対馬のほとんどが１着馬ということで、前走で大負けしている馬は、
  まず最初に切ることが前提かと思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり競馬界「期待の新星」グラスワンダーを指名
  しました。この馬は、新馬→特別→Ｇ�Uと３連勝したわけですが、その内容はまさに圧巻
  と言ってもよく、他の３歳馬とは全く次元の違う走りを見せつけました。鞍上の的場騎手
  のコメントも「リンドシェーバーの時より手応えを感じる」ということで、この馬の今後
  のサクセスストーリーにとって、今回は単なる通過点なのかもしれません。
    そして対抗にする馬は、前走京都３歳Ｓの勝ち馬フィガロをピックアップしました。
  この馬は新馬戦で上がり３３秒８という驚異の時計を出し、直線では後続を８馬身も突き
  放す「離れ業」を見せつけました。前走の京都３歳Ｓでも、好位置できっちりと折り合い、
  そのレースセンスは素晴らしいものを持っていると思います。今回陣営は「試金石」とし
  てこの一戦を見ているようですが、レースを使うごとに大きく変わるのが３歳馬の特徴な
  ので、十分に逆転の可能性もあると期待しています。
    また３番手には、藤沢−岡部ラインが送り出すシンボリスウォードをピックアップし
  ました。この馬は福島の新馬戦で７馬身差の楽勝、続く２戦目の５００万条件でも２番手
  につけて直線で楽に抜け出すという内容でした。５００万条件からＧ�Tに挑戦ということ
  でやや不安な面もあるのですが、この馬の未知の「潜在能力」にかけてみようと思ってい
  ます。やはり今回はどの馬にも言えることですが、１分３４秒台というレベルの高い推定
  走破タイムに、いかに対応できるかが、重要な「カギ」だと思っています。

 第４９回  朝 日 杯 ３ 歳 Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１２月７日 芝１６００�b ３歳牡・セン馬オープン馬齢 中山】

【本線】�C−�J、�J−�K、�C−�K
【中穴】�A−�J、�A−�C、�A−�K
【大穴】�I−�J、�C−�I、�I−�K

【結果】
 １着 �Jグラスワンダー
 ２着 �Iマイネルラヴ
 ３着 �Cフィガロ
 単�J １３０円 複�J１００円�I２４０円�C１５０円
 枠連６−６ ８７０円 馬連�I−�J ８７０円

 勝ち時計１分３３秒６・・・。しかし、このタイムを見て、一瞬自分の目を疑った人も
 多かったのではないかと思います。やはり勝ったグラスワンダーは１頭だけ全く別格の
 走りで、まるで３歳馬の中に古馬が混じっているような感じでした。このように爆発的
 な脚力を持つ馬は、故障だけが心配ですが、陣営も来年は海外遠征も視野に入っている
 ということで、ぜひ無事に更なる成長を期待したいと思っています。また２着に入った
 マイネルラヴもハイペースを２番手で追走する厳しい展開でしたが、粘りのある末脚で
 この馬の実力は十分に発揮したと思います。３着のフィガロも位置取りや仕掛けるタイ
 ミングは抜群で、今後キャリアを積めば、十分に重賞戦線でも活躍できると思います。
 ４着に入ったアグネスワールドは、やはり＋２６�`という馬体重がやや響きましたが、
 今後に向けては一応希望の持てる内容だったと思います。馬券の方は、とりあえずマイ
 ネルラヴに△の印を付けていたので、何とか引っ掛かったという結果でした。

   第４９回  阪 神 ３ 歳 牝 馬 Ｓ（Ｇ�T）予 想

    今週から東は中山開催、西は阪神開催ということで、今年もいよいよ有馬記念までカウ
  ントダウンがはじまったという感じがします。今回の阪神３歳牝馬Ｓですが、過去の配当
  を見ると１２万馬券から３ケタ配当と、なかなか把握するのが難しいレースですが、ここ
  はオーラスの有馬記念に向けて、ぜひ的中させて勢いをつけたいと思っています。
    さてこの阪神３歳牝馬Ｓの特徴ですが、やはり平成３年に３歳のＧ�T戦が牡馬・牝馬と
  路線分けされてから６年。データ的にはやや少ないのですが、当然マイル経験のある馬が
  高い確率で連対していて、新馬戦の１戦のみのキャリアで連対したのは、ヒシアマゾンが
  優勝した時のローブモンタントのみ。キャリアは、２〜５戦が理想的で、勝ち鞍では２勝
  以上の馬が信頼できるボーダーラインだと考えています。
    そこで、今回本命にする馬ですが、やはりこれまでの実績からサラトガビューティを
  ピックアップしました。この馬は３歳牝馬とは思えない５００�`を超える雄大な馬体で、
  函館のデビュー戦が９馬身差で持ったままの楽勝。２戦目のラベンダー賞でも７馬身差の
  圧勝。そして函館３歳Ｓでは、アグネスワールドの末脚には屈したものの、牝馬としては
  十分に評価のできる内容だったと思います。また前走デイリー杯３歳Ｓでも勝ちにいって
  の２着。そして休み明けで＋８�`という馬体も、一度叩いての上積みが十分に期待のでき
  る仕上がりだったと思います。
    そして対抗にする馬は、前走ファンタジーＳ２着のシンコウノビーを指名しました。
  この前走のレース展開は、道中２番手につけて直線ではしぶとい末脚で、勝ち馬のロンド
  ンブリッジに１馬身半という大変に評価のできる内容だったと思います。特に並びかけて
  からの粘りのある走りは、本番に向けて陣営も十分に手応えをつかんだと思います。後は
  やや気性の激しいことから、当日に入れ込むことだけが心配ですが、展開さえきっちりと
  ハマれば十分にＧ�T制覇の可能性もあると思っています。
    また３番手には、前走ファンタジーＳ３着のダイワリプルスをピックアップしました。
  この馬は、新馬戦、５００万特別のサフラン賞を連勝。そして前走のファンタジーＳでは
  勝ち馬から３馬身１／４差の３着。ただしこの時は、初の長距離輸送で馬体重が−６�`と
  減ってしまい本来の状態ではなかったとのこと。もちろんサフラン賞ではシンコウノビー
  を競り落としたことからも、十分に能力の高さは立証済みだと思います。当然、逆転まで
  を含めた有力候補として期待しています。

 第４９回  阪 神 ３ 歳 牝 馬 Ｓ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月３０日 芝１６００�b ３歳牝オープン馬齢 阪神】

【本線】�H−�I、�B−�H、�B−�I
【中穴】�@−�H、�@−�I、�@−�B
【大穴】�H−�J、�I−�J、�B−�J

【結果】
 １着 �Aアインブライド
 ２着 �Jキュンティア
 ３着 �Nダンツシリウス
 単�A １３９０円 複�A３８０円�J３９０円�N５３０円
 枠連１−６ ２２１０円 馬連�A−�J ６０００円

 勝ったアインブライドは７〜８番手で流れに乗り、直線に入ると、空いたインを突いて
 鮮やかに差し切りました。鞍上の古川吉洋騎手も抜群のタイミングで仕掛けた、会心の
 一戦だったと思います。２着のキュンティアも中団から徐々に進出し、直線では一瞬の
 鋭い末脚で、あわやの場面を作りました。本当に１戦１勝馬としては、大健闘だったと
 思います。３着のダンツシリウスも、直線では一旦先頭に立つシーンもありましたが、
 ペリエ騎手の仕掛けが、やや早かったのかもしれません。１番人気のシンコウノビーは
 中団は馬群の中で折り合っていましたが、４コーナーで大外にふくれたロスが痛かった
 と思います。サラトガビューティも好位置から抜け出す正攻法の競馬で、この馬の能力
 は出し切っていると思います。馬券の方は、アインブライドが全くのノーマークのため
 完敗という結果でした。

   第１７回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）予 想

    １９８１年、あのメアジードーツが日本競馬界に与えた「衝撃の日」から今年で早くも
  １７回目を迎えます。キョウエイプロミスが命をかけた直線での攻防。皇帝シンボリルド
  ルフと地方の雄ロッキータイガーのワンツー。ホーリックス、オグリキャップの世界レコ
  ードの叩き合い。不死鳥のようによみがえったトウカイテイオーの奇跡の末脚。シングス
  ピールとハナ差の大激戦を繰り広げた昨年のファビラスラフイン。本当に少し振り返った
  だけでも数々の名シーンが頭の中に浮かんできます。その中でも私が競馬場で初めて見た
  ９１年のＪＣは大変印象に残る一戦で、１番人気のメジロマックイーンがゴールデンフェ
  ザントやマジックナイトに一瞬のうちにかわされるシーンは、世界の競馬というものを思
  い知らされた「瞬間」でもあったような気がします。
    さてこのＪＣというレースですが、過去１０年のデータを見ても１番人気がすべて馬群
  に沈むという荒れる一戦で、上位人気の中で多少信頼できそうなのは、６連対の２番人気
  ぐらいということだそうです。ただし今までＪＣでの万馬券は１度もなく、馬連平均配当
  も４０００円台ということで、やはりあまり無理な大穴狙いも少し考えた方がいいのかも
  しれません。
    そこで今年本命にする馬ですが、ここは秋の天皇賞を制覇したエアグルーヴをピック
  アップしたいと思います。もちろん前走バブルガムフェローを力でねじ伏せたあの競馬は
  やはり「現役最強馬」と評価のできる素晴らしい内容で、激闘の反動さえなければ十分に
  Ｇ�T２連勝もあると確信しています。９５年のヒシアマゾン、そして９６年のファビラス
  ラフインと２年続けて日本の牝馬が２着ということで、今年こそは、世界の頂点に立って
  ほしいと熱望しています。
    そして対抗にする馬は、今年の凱旋門賞２着のピルサドスキーをピックアップしまし
  た。もちろんこの馬はこれまでの実績を見ても、外国馬の中では一枚も二枚も抜けている
  存在で、調整さえうまくいけば東京コースでも十分に対応できると思っています。問題は
  これまで鳴り物入りで来日したスーパーホースが、ことごとく敗れ去ったというデータだ
  けで、管理するのも昨年のシングスピールと同じマイケル・スタウト調教師ということか
  らも、当然ＪＣ連覇も視野に入っていると思います。
    また３番手には、秋の天皇賞で２着に敗れたバブルガムフェローの巻き返しに期待し
  たいと思います。やはり前走は、エアグルーヴ騎乗の武豊騎手に「完全マーク」された厳
  しい競馬だったのも事実で、今回の一戦こそが前走の雪辱を晴らし、そして再び競馬界の
  頂点に立つ「試金石」だと思っています。昨年は１３着と不可解な結果だったのも確かで
  すが、ここはシンボリルドルフ、そしてトウカイテイオーと、親子２代でＪＣを制覇した
  岡部騎手の手綱さばきにも期待したいと思っています。

 第１７回  ジ ャ パ ン カ ッ プ（Ｇ�T）枠 順 確 定

【１１月２３日 芝２４００�b ４歳上オープン定量 東京】

【本線】�B−�H、�H−�L、�B−�L
【中穴】�@−�H、�@−�B、�@−�L
【大穴】�H−�I、�B−�I、�I−�L

【結果】
 １着 �Bピルサドスキー
 ２着 �Hエアグルーヴ
 ３着 �Lバブルガムフェロー
 単�B ４６０円 複�B１６０円�H１４０円�L１４０円
 枠連３−６ ５７０円 馬連�B−�H ８６０円

 それにしても勝ったピルサドスキーは強い馬ですね。やはり世界のレベルの高さを改め
 て実感しました。当日はゴール板前で観戦していましたが、途中までは完全にエアグル
 ーヴの勝ちパターンだと確信していました。しかしあの展開で敗れたらもうあきらめる
 しかないですね。ピルサドスキーは、パドックで馬っ気を出していて、これはマズいな
 と思っていましたが、本馬場に入ってくると次第に落ち着き、キネーン騎手の手綱さば
 きも完璧だったと思います。本当にＪＣに向けてピンポイントで仕上げてくるスタウト
 調教師の腕にも脱帽しました。もちろん２着のエアグルーヴの走りも大絶賛できる内容
 で、日本最強馬の地位を完全に確立したと思います。問題は３着に敗れたバブルガムフ
 ェローですが、今回グルーヴにつけられた１馬身１／４差は、やはり決定的な差ではな
 いかと思うので、今後は距離的な要素を考慮したレース選択も必要ではないかと感じま
 した。ただし、まだ５歳馬なので、これからの巻き返しも十分にあると思っています。
 馬券の方は、とりあえず○◎の的中ということで、やや満足できる結果でした。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

 前ページに戻る 次ページに進む

 重賞予想に戻る