重 賞 予 想 回 顧(11)

   第14回  マ イ ル C S(GT)予 想

    近代競馬発祥の地、イギリスには「マイルを制するものはダービーを制す」という有名
  な格言があるそうですが、もちろん18世紀当時は、4マイル戦や、6マイル戦が主流と
  いうスタミナ重視の競走体系だったわけで、後に3〜4歳馬という若いうちに短距離を走
  らせた方が、効率よく資本を運営できるという流れで、あのエプソム・ダービーが始まっ
  たということです。このエプソム・ダービーも第3回までは1マイル競走で行われていた
  ということで、結局第4回から現行の2400bに延長され、後年1マイルの二千ギニー
  とセントレジャーを合わせた「3冠レース」が体系化されていったということです。
    さて今回のマイルCSもスピードを追求する時代の流れから、昭和59年の大幅な競走
  体系の改善により新設されたレースで、今年で早くも14回目を迎えようとしています。
  過去の勝ち馬を眺めてみても、競馬史に名を残す「名マイラー」がずらっと居並び、壮観
  な感じさえします。中でも印象に残るレースと言えば、やはり第6回のオグリキャップと
  バンブーメモリーの一戦ではないでしょうか。直線に向いてバンブーが突き放した数馬身
  という差は、完全なセーフティリード。そこからインを突いてハナ差で差し切ったオグリ
  の末脚は、まさに「奇跡」と言っていいほど凄いものだったと思います。今年もどのよう
  なドラマが繰り広げられるのか、固唾を飲んで見守ろうと思っています。
    そこで今年本命にする馬ですが、安田記念3着のスピードワールドをピックアップし
  ました。もちろん安田記念で見せた4コーナー15番手からの怒涛の追い込みは並の馬で
  はとてもできない離れ業で、この馬の計り知れない潜在能力を垣間見た一瞬でもあったと
  思います。秋初戦の毎日王冠でも後方からの展開となり、直線ではやや窮屈となりながら
  も、バブルガムフェローからコンマ2秒差と実力は十分に見せたと思っています。問題は
  菊花賞、エリザベス女王杯と人気をかぶった追い込み馬が、前が詰まりやや不本意な競馬
  になったということで、ここは武豊騎手の馬群をさばく「スーパー・パフォーマンス」に
  期待したいと思っています。
    そして対抗にする馬は、今年2連覇を狙うジェニュインを指名しました。やはりこの
  馬は、過去の成績を見ても、マイル戦では【1301】と連対を外したのは休み明けだっ
  た昨年の安田記念だけで、本質的には完璧なマイラーと考えてもいいと思います。タイプ
  的にも叩き良化型で、流れに乗り好位置で抜け出す展開になれば、昨年の勝利のシーンが
  必ず再現されると確信しています。
    また3番手にする馬は、前哨戦のスワンSを快勝したタイキシャトルをピックアップ
  しました。この馬は6戦5勝2着1回と、まだ底を見せていない未知の魅力があり、抜群
  のレースセンスから、一気にGTホースの仲間入りも十分に可能かと考えています。もし
  今回あっさり勝つようなことがあれば、競馬界の新たなる「ニューヒーロー」の誕生では
  ないかと思います。
 第14回  マ イ ル C S(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@プレストシンボリセン6ロバーツ57前走スワンS4着で好位置で流れに乗れば
Aブレーブテンダー牡4熊 沢55前走スワンS13着変り身あれば恐い一頭か
Bエイシンガイモン牡5蛯名正57前走セントウルS5着展開次第でチャンスも
Cマイネルマックス牡4佐藤哲55前走スワンS8着調子が戻っていれば上位
Dタイキシャトル牡4横山典55前走スワンS1着でGT制覇へ最短距離か
Eバトルライン牡5藤 田57前走南部杯2着で意外性は十分ある一頭
Fシンコウキング牡7岡 部57前走スワンS9着変り身は必至で要注意か
Gヒシアケボノ牡6角 田57前走スワンS11着で何とか復活してほしい
Hタイキフォーチュン牡5柴田善575ヵ月の休養明けでも実力は十分にある馬
Iサイレンススズカ牡4河 内55前走天皇賞(秋)6着で今回も大逃げ炸裂
Jキョウエイマーチ牝4松永幹53前走秋華賞2着得意のマイルで一発もある
Kジェニュイン牡6田中勝57前走天皇賞(秋)3着2連覇の可能性もある
Lオースミタイクーン牡7武 幸57前走スワンS5着GT初制覇の可能性もあり
Mスギノハヤカゼ牡5田島裕57前走スワンS2着で流れに乗れば大金星も
Nスピードワールド牡4武 豊55前走毎日王冠3着GT制覇へ視界良好か
Oカネツクロス牡7的 場579ヵ月の休養明けでチャンスはあると思うが
Pロイヤルスズカ牡5南 井57前走スワンS3着で出走すれば恐い一頭か
Qトーヨーレインボー牡4松永昌55前走アイルランドT1着今回注目の上がり馬
【11月16日 芝1600b 4歳上オープン定量 京都】
【本線】K−N、D−N、D−K
【中穴】N−Q、K−Q、D−Q
【大穴】F−N、F−K、D−F

【結果】
 1着 Dタイキシャトル
 2着 Jキョウエイマーチ
 3着 Qトーヨーレインボー
 単D 380円 複D160円J400円Q200円
 枠連3−6 930円 馬連D−J 2760円
しかし、勝ったタイキシャトルは強い勝ち方をしましたね。前半1000b56秒5と いう超ハイペースにも、余裕をもって4番手を追走。追い出してからの瞬発力は、これ からの無限の可能性を感じさせるものだったと思います。もちろん単騎の逃げで2着に 粘ったキョウエイマーチも大絶賛できる内容で、今年の4歳牝馬のレベルの高さを改め て実感しました。3着のトーヨーレインボーも中団からの競馬で、ハイペース展開の中 よく伸びてきたと思います。1番人気のスピードワールドは終始後方のままで、反応も 鈍くまったくいい所がありませんでした。やはり+18`という馬体重の影響があった のかもしれません。馬券の方はキョウエイマーチがノーマークだったために完敗という 結果でした。

   第22回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯(GT)予 想

    歴史上の人物で一番の美人は・・・。とりあえず、クレオパトラ、楊貴妃、小野小町な
  どの名前は挙がりますが、やはりどれも伝説的な要素が強いわけで、今となっては、その
  真偽は定かではありません。そのような中でもダークホース的な存在が、平安時代に登場
  する「藤原薬子」ではないでしょうか。この人は、娘の嫁入りについていったら、なんと
  婿どのに熱をあげられてしまったという、凄いエピソードが残っていて、この熱をあげた
  婿どのが、桓武天皇の皇太子・安殿親王、つまり後の平城天皇だったので、後々大事件へ
  と発展してしまうのですが、婿どのが花嫁そっちのけで熱をあげてしまった美人というの
  も、ぜひ一度見たいような気もします。
    さて今週のエリザベス女王杯も美人ならぬ「美脚」を競う女の戦いということで、激し
  い火花が散る一戦ではないかと思います。このレースは、昨年の番組改編で4歳牝馬限定
  戦から古馬牝馬にも開放され、同時に距離も変更されました。実質的には今回が第2回と
  いうことですが、かつては荒れるレースの代名詞とも言われ、また荒れると思っていたら
  一変して堅く収まるといった捉えにくい面もあり、予想の方も非常に難しい一戦ではない
  かと思っています。
    そこで今回本命にする馬ですが、やはり女王杯2連覇を狙うダンスパートナーを指名
  しました。もちろん香港への遠征や宝塚記念でマーベラス、バブルの3着といった牡馬に
  混じって好レースを展開してきた実績は、出走メンバーを見ても一頭だけ抜けている存在
  で、牝馬限定の定量戦なら、まず中心は間違いないと見ています。当然、この馬にとって
  はエアグルーヴとの「最優秀古馬牝馬」をかけた争いもあるわけで、ここはどうしても負
  けられない一戦ではないかと思います。すでに年内で引退も決まっているということで、
  果たして有終の美を飾ることができるのか注目して見たいと思っています。
    そして対抗にする馬は、前走カシオペアS2着のメジロランバダをピックアップしま
  した。この馬は昨年の500万下から、今年の日経新春杯まで破竹の4連勝という上がり
  馬で、阪神大賞典、天皇賞(春)では、厚い一線級の牡馬陣の壁に跳ね返された感じです
  が、その実力は十分にトップレベルの位置にあると思っています。馬体重も500`を超
  える大型馬で、当然牝馬同士の一戦では群を抜いた存在かと思います。もちろん休み明け
  を一回叩いた上積みも期待できるので、逆転を含めた対抗と考えています。
    また3番手には、前走府中牝馬S4着のエリモシックを指名しました。この馬は流れ
  に乗り展開さえハマれば、爆発的な末脚を繰り出すことができるので、十分に優勝も狙え
  る一頭かと思っています。札幌記念では、あのエアグルーヴの2着。前走府中牝馬Sでは
  33秒6という驚異の上がりタイム。当然、他陣営にとっても要注意の存在かと思ってい
  ます。この馬も来春の繁殖入りが決定しているということで、今後に向けてぜひとも勝ち
  取りたいタイトルではないかと思います。
 第22回  エ リ ザ ベ ス 女 王 杯(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@クイーンソネット牝6四 位56前走府中牝馬S7着展開ハマれば上位
Aビッグモンロー牝4常 石54前走秋華賞14着素質は十分あると思う
Bダンスパートナー牝6河 内56前走京都大賞典2着2連覇の可能性大
Cフローレスリーフ牝6塩 村56前走白秋S7着展開次第で入着もあるか
Dエリモシック牝5的 場56前走府中牝馬S4着GT制覇のチャンス
Eエイシンカチータ牝4山田和54前走秋華賞3着競馬史上最強の1勝馬
Fメジロランバダ牝5熊 沢56前走カシオペアS2着悲願のGT制覇か
Gパルブライト牝6松永幹56前走京都大賞典7着一発も十分ある馬
Hビワハイジ牝5角 田56前走カシオペアS5着叩き2戦目要注意
Iオレンジピール牝4藤 田54前走秋華賞4着実力馬で軽視できない
Jエアリバティー牝4武 豊54前走秋華賞5着上位に入る実力はある
Kサイクロンジェーン牝4須 貝54前走900万7着GTではやや苦しい馬
Lアドマイヤラピス牝6南 井56前走嵐山S1着で今回要注意の伏兵馬
Mケイエスミラー牝6村 本56前走高雄S6着変り身あれば上位もある
Nエイシンサンサン牝6土 肥56前走府中牝馬S3着チャンスは十分あり
【11月9日 芝2200b 4歳上牝オープン定量 京都】
【本線】B−F、B−D、D−F
【中穴】B−L、F−L、D−L
【大穴】B−J、F−J、D−J

【結果】
 1着 Dエリモシック
 2着 Bダンスパートナー
 3着 Nエイシンサンサン
 単D 880円 複D200円B110円N420円
 枠連2−3 600円 馬連B−D 600円
うーん、しかしダンスパートナーは、残念な結果となりましたね。追い込み馬の宿命と はいえ、あの勝負所で前がふさがり外に持ち出したレース展開が、結局最後まで響いた 感じとなりました。それにしても勝ったエリモシックの的場騎手は最高の騎乗でした。 本当にエリモシックの末脚を最大限に発揮させるために、ギリギリまで我慢させたとい うことで、改めて的場騎手の騎乗技術の素晴らしさを再認識しました。また逃げて3着 に入ったエイシンサンサンもハイペースの流れでよく粘り、これも土肥騎手のファイン プレーだったと思います。それから4着に入線したフローレスリーフの大健闘にはビッ クリしました。今後この馬は、少し評価を変える必要があるかと思っています。そして 史上最強の1勝馬エイシンカチータも5着と掲示板に載り、大崩れをしない安定した走 りは健在でした。馬券の方はとりあえず▲◎の本線的中ということで、収支はマイナス でしたが、結果には満足しています。

   第58回  菊 花 賞(GT)予 想

    「時はいま、あめがしたしる五月(さつき)かな」・・・これは明智光秀が「本能寺の
  変」直前の連歌会で詠んだ発句で、時が土岐氏(明智氏)、あめがしたしるが、天が下し
  ると読むことができ、まさに光秀が天下を見据えた決意の句とも言われています。今年の
  4歳クラシック戦線でも、皐月、ダービーと天下を統一したサニーブライアンが秋の陣で
  戦線を離脱。再び混沌とした戦国時代に舞い戻り、まさに「時はいま」果たしてどの馬が
  この戦国の世に終止符を打つのか、我々競馬ファンは、この歴史的な瞬間を静かに見守り
  たいと思っています。
    この菊花賞というレースですが、やはり昔から言われているように、ただ単純に強い馬
  が勝つ一戦と定義付けができると思います。当然、淀の2度の坂越えを含む3000bと
  いうコース設定が、強靭なスタミナと精神力を要するもので、フロックなどほとんど有り
  得ない、真の実力を問われる「最強馬決定戦」とも言えると思います。過去の勝ち馬を見
  ても「スーパー・ホース」がキラ星のごとく立ち並び、次世代の競馬界を担う登竜門とし
  ての要素も多分に含んでいると思います。
    そこで今年本命にする馬ですが、やはり京都大賞典を快勝したシルクジャスティスを
  指名しました。もちろん前走の古馬GUでの勝利は、メジロドーベルの例を引き出すまで
  もなく、そのまま4歳馬同士のGTでも完全に通用する素晴らしい内容で、同世代の中で
  も一歩抜け出した存在だと評価しています。タイプ的にも典型的な叩き良化型で、本番で
  も前走以上の末脚が使えると確信しています。ここを勝って更なる飛躍をこの馬には期待
  したいと思います。
    そして対抗にする馬は、前走京都新聞杯3着のメジロブライトをピックアップしまし
  た。もちろんこの馬は、父の果たせなかったクラシック制覇という夢をかなえるためにも
  ここはどうしても他馬には譲れないところで、陣営も並々ならぬ意気込みがあると思いま
  す。前走のトライアルは3着という結果でしたが、上がり3ハロンが34秒1ということ
  で、この馬の能力は十分に出し切っていると思います。本番に向けては1回叩かれて上積
  みが期待できるのと、ゴール前で突き抜ける勢いが出れば、父を越えることも十分に可能
  ではないかと思います。
    また3番手には、トライアル2連勝のマチカネフクキタルを指名しました。この馬は
  ダービー7着後、福島の900万特別を快勝。その後、神戸新聞杯、京都新聞杯と立て続
  けにGUを連勝するという離れ業を見せました。もちろんこの馬の凄まじい末脚が本番で
  も炸裂すれば、クラシック制覇の可能性はかなり高いと見ています。ただし二分調教師の
  コメントにもあるように、3000bという距離が血統的な背景からも未知数ということ
  で、やや不安な面もあるのも事実ですが、鞍上の南井騎手にとっては、まさに知り尽くさ
  れた「淀の3千」、この馬の最高のポテンシャルを引き出すことができれば「菊」3勝目
  も自然についてくると思います。
 第58回  菊 花 賞(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@ステイゴールド牡4熊 沢57前走京都新聞杯4着展開次第で上位も
Aトウジントルネード牡4福 永57前走神戸新聞杯3着優先出走権を獲得
Bテイエムトップダン牡4和 田57前走京都新聞杯8着で軽視はできない
Cマチカネフクキタル牡4南 井57前走京都新聞杯1着強烈な末脚が炸裂
Dノーザンウェー牡4古川吉57前走嵐山S4着うまく先行できれば上位
Eパルスビート牡4四 位57前走京都新聞杯2着走りは堅実要注意
Fダイワオーシュウ牡4柴田善57前走セントライト記念2着要注意の一頭
Gヒダカブライアン牡4河 内57前走京都新聞杯11着叩いて変り身ある
Hエリモダンディー牡4河 北57前走京都新聞杯5着可能性はあると思う
Iルールファスト牡4橋本美57前走900万条件1着やや苦しい一頭か
Jショウナンアクティ牡457前走南武特別1着展開次第でチャンス
Kニケスピリット牡4中 竹57前走東京障害特別5着挑戦は面白いが
Lサードサンスリル牡4石 橋57前走嵐山S3着実力は十分にあると思う
Mメジロブライト牡4松永幹57前走京都新聞杯3着悲願のGT制覇は
Nトキオエクセレント牡4吉 田57前走セントライト記念4着一発もある馬か
Oシルクジャスティス牡4藤 田57前走京都大賞典1着GT制覇に王手か
Pシルクライトニング牡4武 豊57前走京都新聞杯6着実力馬で要注意か
Qシャコーテスコ牡4蛯 沢57前走セントライト記念1着チャンスはある
【11月2日 芝3000b 4歳オープン定量 京都】
【本線】M−O、C−O、C−M
【中穴】N−O、M−N、C−N
【大穴】E−O、E−M、C−E

【結果】
 1着 Cマチカネフクキタル
 2着 Fダイワオーシュウ
 3着 Mメジロブライト
 単C 500円 複C220円F430円M150円
 枠連2−4 3150円 馬連C−F 3970円
レースはテイエムトップダンが先頭に立ち、1000bごとのラップが61秒8−66 秒5−59秒4という超スローペース。このような展開の中で3番人気のマチカネフク キタルが、いきなりスタートから飛び出し3番手という位置取り。しかし、南井騎手の 好騎乗で道中は終始ガマンの競馬。直線に入ると33秒9という爆発的な末脚を炸裂さ せ「菊」の大輪を咲かせました。2着に入ったダイワオーシュウも粘り強い末脚で大健 闘。今後の中長距離路線での活躍が期待できると思っています。3着のメジロブライト は、直線でいったん先頭に出ましたが、最後は決め手の差で、またもや涙を飲む結果と なりました。やはりこの馬は史上最強のイマイチ君候補NO.1なのかもしれません。 また本命に推したシルクジャスティスは、3コーナー過ぎでヒダカブライアンがつまず いた不利を受けて、流れに乗れずに5着という残念な結果となりました。やはり、追い 込み馬の宿命とはいえ、勝負所での不利は致命的だったと思います。この馬には今後の 巻き返しに期待したいと思います。馬券の方は、ダイワオーシュウがノーマークだった ために完敗という結果でした。

   第116回  天 皇 賞 ・ 秋(GT)予 想

    府中の2000bは「魔物が棲む」・・・あのオグリの3連敗から昨年まで、1番人気
  の馬がことごとく敗れ去った秋の天皇賞。それらを挙げると、斜行で降着となったメジロ
  マックイーン、超ハイペースに翻弄され馬群に沈んだトウカイテイオー、ヤマニンVSセ
  キテイの後塵を拝したライスシャワー、直線で故障を発症したビワハヤヒデ、長期休養明
  けの3冠馬ナリタブライアン、そしてまだ記憶に新しい昨年のサクラローレルと、まさに
  競馬史上に名を残す名馬たちがずらっと並ぶわけで、一概に強さだけでは勝つことができ
  ない、あらゆる要素が複雑に入り組む「難コース」と言えると思います。
    そこで今年本命にする馬ですが、やはり前走毎日王冠を制したバブルガムフェローを
  指名しました。もちろん秋のGTを前に、2枚看板のサクラローレル、マヤノトップガン
  の引退があり、当然、今後の競馬界を背負って立つトップホースとして、この馬にかかっ
  てくる期待も、昨年とは比べものにならないくらいに、大きく膨らんでいると思います。
  確かに出走体勢が完璧にそろった今、負ける要素が全く見当らないということが、あえて
  挙げる「不安材料」かと思いますが、この馬にとって今回はあくまでもひとつの通過点で
  あって、今後さらに飛躍するための「踏み台」でしかないのかもしれません。
    そして対抗にする馬は、今回紅一点でレースに臨むエアグルーヴをピックアップしま
  した。もちろん勝てばプリティキャスト以来の牝馬の天皇賞馬。距離が2000bに短縮
  されてからは史上初の快挙となります。ローテーションも、はじめからエリザベス女王杯
  を見送り、秋天→JC→有馬という、まさに超一流馬のあかしとも言える「王道」を歩む
  ということで、陣営の気合も十分に伝わってくると思います。もちろん秋の古馬GT戦線
  において、今回の「府中二千」が牡馬陣を撃破する一番の舞台だと思うので、ここは武豊
  マジックにも期待したいと思っています。
    また3番手は、前走毎日王冠5着で、GT2勝馬のジェニュインをピックアップしま
  した。もちろん今年安田記念2着という実績はありますが、札幌記念4着、毎日王冠5着
  という近走の成績から、ここはまさしく「背水の陣」で臨む一戦かと思っています。ただ
  大一番では100%の力を発揮できる能力を持っているだけに、とても軽視はできないと
  思っています。鞍上も相性のいい田中勝春騎手に乗り替わりということで、この馬の最高
  のパフォーマンスを引き出すことができれば、3度目のGT制覇も決して不可能ではない
  と思っています。
 第116回  天 皇 賞 ・ 秋(GT)枠 順 確 定
予想馬名性齢騎手斤量コメント
@ジェニュイン牡6田中勝58前走毎日王冠5着GT馬の実力発揮か
Aロイヤルタッチ牡5蛯名正58前走天皇賞・春競走中止で今回復活は
Bマイネルブリッジ牡6藤 原58前走札幌日経OP5着展開次第で上位
Cイナズマタカオー牡7中 舘58前走毎日王冠8着可能性はあると思うが
Dホウエイコスモス牡7吉 田58前走京都大賞典4着走りは堅実要注意
Eヤシマソブリン牡7坂 井58前走オールカマー2着古豪の復活もあり
Fバブルガムフェロー牡5岡 部58前走毎日王冠1着史上初の連覇に王手
Gグルメフロンティア牡6加 藤58前走カブトヤマ記念3着で意外性がある
Hサイレンススズカ牡4河 内56前走神戸新聞杯2着うまく先行できれば
Iユウトウセイ牡8四 位58前走カシオペアS1着連闘で盾に挑戦か
Jシンカイウン牡6南 井58前走毎日王冠4着この馬の末脚要注意
Kエアグルーヴ牝5武 豊56前走札幌記念1着で夢の天皇賞制覇へ
Lクラウンシチー牡8後 藤58前走毎日王冠6着展開ハマれば上位も
Mキングオブダイヤ牡6柴田善585ヵ月の休養明けでチャンスは十分ある
Nローゼンカバリー牡5横山典58前走宝塚記念5着で実力は十分にある
Oエムアイブラン牡6小 池58前走ながつきS2着でうまく流れに乗れば
【10月26日 芝2000b 4歳上オープン定量 東京】
【本線】F−K、@−F、@−K
【中穴】F−H、H−K、@−H
【大穴】F−J、J−K、@−J

【結果】
 1着 Kエアグルーヴ
 2着 Fバブルガムフェロー
 3着 @ジェニュイン
 単K 400円 複K130円F100円@180円
 枠連4−6 250円 馬連F−K 290円
とにかくエアグルーヴ、バブルガムフェローの両馬がすべての能力を出し切った素晴ら しい一戦だったと思います。それにしてもエアグルーヴという牝馬の持っているポテン シャルの高さには驚きました。もちろん展開上バブルを前に見ながら流れに乗り、抜群 のタイミングで仕掛けた武豊騎手の「スーパー・パフォーマンス」もあったのですが、 あそこまでバブルを完全にねじ伏せるとは思ってもみませんでした。当然バブルも王者 としての正攻法の競馬で、鞍上の岡部騎手も最高の騎乗をしたと思います。ただバブル が100%の出来だったのに対して、やはりグルーヴは120%の出来だったのかもし れません。今後も後世に語り継がれていく名勝負だったと思います。またジェニュイン もGT馬という格の違いで、上位2頭にはやや離されましたが、何とか3着を死守しま した。そして休み明けのロイヤルタッチも中団でよく伸びて4着。今後に向けての手応 えはつかんだと思います。馬券の方は、先週に引き続き1番人気のガチガチ配当という ことで、とりあえず的中はしましたが、当然収支はマイナスという結果でした。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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