重 賞 予 想 回 顧（６）

   第４６回  ラ ジ オ た ん ぱ 賞（Ｇ�V）予 想

    第６４回ダービーの直前、スタートゲート付近の係員が、急に慌てて走り出し、各馬が
  輪乗りをしている３〜４コーナーの待避所に向かう。私もその時は、いつもと違う異様な
  雰囲気を感じていました。その後、シルクライトニングから下馬をしている安田富男騎手
  がターフビジョンに大きく映し出され場内は騒然。しかしすぐにただの落鉄と分かり場内
  も少し落ち着く。そして各馬がゲート付近に集合して、輪乗りの状態でスタートを待って
  いる時、突然シルクライトニング号の馬体検査を行うとの場内アナウンス。再び場内は騒
  然とした状態。そしてその後、ついに運命の「発走除外」のアナウンス。鞍とゼッケンを
  外した安田富男騎手が内柵の中へと消えていく。そして次の瞬間、第６４回目のダービー
  のファンファーレが無常にも場内に響き渡る。その時シルクライトニングと安田富男騎手
  のダービーは静かに幕を閉じました・・・。
    そのシルクライトニングがこのラジオたんぱ賞に出走してきます。この馬にとっては
  まさに「残念ダービー」の名に相応しいレースとなってしまいましたが、やはり今回は、
  本命の印を打って応援したいと思っています。まずこの馬は、３着以下がない堅実な走り
  が身上で、展開や出走メンバーの脚質に左右されずに、上位を狙うことができるという点
  が大変評価できると思っています。ただし今回は福島の小回りコースということで、この
  馬の持ち味である「切れ」を十分に生かしきることができるかどうか、これはもちろん、
  安田富男騎手の手綱さばきに大きなウエートがかかっていると思っています。当然前回の
  アクシデントの影響がない限り初重賞制覇の可能性はかなり高いとみています。
    そして対抗にする馬ですが、ここは前走ＮＨＫマイルＣ４着のヒコーキグモを指名し
  ました。やはりこの馬は前走強力メンバーがそろった中で、粘りのある末脚を見せて潜在
  能力の高さを証明したと思います。もちろん今回は、福島コースということで、この馬の
  脚質にはベストの馬場だと考えています。うまく流れに乗って先行馬有利の展開に持ち込
  めば、チャンスはかなりあると思っています。
    また３番手には、藤沢厩舎の刺客パームシャドウをピックアップしました。この馬は
  前走ＮＨＫマイルＣでは逃げて７着と敗れたわけですが、その走りは非凡なものを持って
  いて、今回福島の小回りコースでは、逃げ切り勝ちの可能性も十分にあると予想していま
  す。本当に藤沢厩舎、岡部騎手、そしてラジオたんぱ賞と、何かくさい匂いがプンプンし
  ますね。結論を言うとパームシャドウ、ヒコーキグモの２頭の有力先行馬に対してシルク
  ライトニングがどのような競馬を見せるか。今回はこの点に注目だと思います。

 第４６回  ラ ジ オ た ん ぱ 賞（Ｇ�V）枠 順 確 定

【６月２９日 芝１８００�b ４歳オープン別定 福島】

【本線】�A−�E、�E−�F、�A−�F
【中穴】�E−�I、�A−�I、�F−�I
【大穴】�D−�E、�A−�D、�D−�F

【結果】
 １着 �Iエアガッツ
 ２着 �Gパルスビート
 ３着 �Hサクラギャラント
 単�I ４３０円 複�I１８０円�G２９０円�H９４０円
 枠連７−８ ７６０円 馬連�G−�I ２３８０円

 とにかく勝ったエアガッツは、調教の段階から素晴らしく出来がよかったですね。本当
 に素人の私が見ても、追い切りの走りはスゴいと思ってしまう程でした。もちろん本番
 のレースでも、今までのスランプを払拭させる強い勝ち方でした。また鞍上の柴田大知
 騎手も人馬一体となった完璧な騎乗で、これまで見せてきた引っ掛かるクセもまったく
 なく、一発ハマった時のこの馬の恐さというものを実感しました。またパルスビートの
 好走にもビックリしました。確かに思っていた以上に道悪がうまかったとの評価もでき
 ますが、今回は重賞レースでも十分に通用することが分かったと思います。そして本命
 におしたシルクライトニングは、やはりダービーに向けてピークに持っていった体調が
 今回は完全に悪い方向に出てしまいましたね。とにかく３コーナーをまわった時点で、
 まったく手応えがない状態で、安田富男騎手がいくら追っても直線では伸びず、完全に
 馬群に沈んでしまいました。この馬は、これで終るとはとても思えないので、これから
 秋にかけての更なる成長に期待しています。馬券の方はパルスビートが無印だったので
 当然完敗という結果でした。

   第２回  マ ー メ イ ド Ｓ（Ｇ�V）予 想

    寺山修司のエッセイの中に「死神」という短い作品があります。これは競馬場の群衆の
  中で、もう一人の自分自身の象徴としての「死神」と出逢うというもので、この「死神」
  と一度出逢ったら、たちまちその日のツキは落ち、サイフも空っぽになってしまうという
  内容だったと思います。もちろんわれわれ自身の中にもこの様な「死神」は存在するはず
  で、ある瞬間からまったくツキに見離されてしまうということがよくあります。寺山修司
  の場合も、障害レースで大本命のフジノオーの単勝を買って敗れたり、シンザンの単勝を
  買って無名馬ヤマニンシロにやられたりしたそうですが、本当に競馬場では「死神」では
  なく、そのアンチテーゼ的な存在の「勝利の女神」にぜひ出逢いたいものですね。
    そこで今週マーメイドＳで本命にする馬ですが、やはり昨年の樫の女王エアグルーヴ
  を指名したいと思います。もちろんこの馬は昨年の秋華賞を１０着と敗れ、その後骨折も
  判明して復帰するまでかなりの時間がかかってしまったわけですが、先週のバブルガムフ
  ェローの例を出すまでもなく、最近の各厩舎の調教過程を見ると、有力馬は休み明けでも
  ほとんど力を出せる状態に仕上げてくる傾向にあり、エアグルーヴの場合もチューリップ
  賞やオークスを圧勝した時のイメージで予想をしても問題はないと思っています。もちろ
  んこの馬の潜在能力は、まだまだこれから発揮されていくもので、今回のレースは単なる
  通過点として、女王の復活を待ちたいと思っています。
    そして対抗には今年に入ってから、マリーンＣをはじめ地方とのダート交流戦を使って
  きたファッションショーをピックアップしました。この馬は前走のかしわ記念ではスタ
  ートから後方の位置取りで、流れも速く展開的には向かなかったと思っています。しかし
  今回は得意の芝２０００�b戦ということで、うまく先行してマイペースの流れに持ち込め
  ばチャンスもかなりあり、これまで牡馬の一線級と互角に戦ってきた実力はとても軽視は
  できないと思っています。
    また３番手は、今年に入ってから約５ヵ月の間に５００万条件から一気にオープンまで
  駆け上がったシングライクトークを指名しました。もちろんこの馬は屈腱炎などの故障
  さえなければ、もっと早い段階で桧舞台に立っていたとは思いますが、今回はその実力を
  計る上でも重要な一戦になったと思っています。本当にエアグルーヴらを逆転し、新女王
  の座を射止める可能性も十分にあると考えています。

 第２回  マ ー メ イ ド Ｓ（Ｇ�V）枠 順 確 定

【６月２２日 芝２０００�b ４歳上牝オープン別定 阪神】

【本線】�K−�L、�@−�L、�@−�K
【中穴】�A−�L、�B−�L、�E−�L
【大穴】�A−�K、�B−�K、�E−�K

【結果】
 １着 �Lエアグルーヴ
 ２着 �@シングライクトーク
 ３着 �Jカモンマイハウス
 単�L １９０円 複�L１２０円�@１２０円�J８９０円
 枠連１−８ ３５０円 馬連�@−�L ４００円

 うーん、それにしてもエアグルーヴは強いですね。やはりこの馬の能力はケタが違いま
 すね。スタートしてからやや武騎手が持っていかれるような感じだったので、少し心配
 していましたが、中段からはきちんと折り合い、４コーナーでは持ったままの抜群の手
 応えで進出。直線では馬場の良い大外から、シングライクトークを並ぶ間もなく抜き去
 りました。シングライクトークの横山典騎手も完璧な騎乗だったと思いますが、今回は
 何か完全に力の差が出てしまったという印象を強く持ちました。エアグルーヴはこれか
 らさらに期待できると思いますが、本当に今回のレースはその序章にすぎなかったのか
 もしれません。馬券の方はとりあえず的中しましたが、馬連４００円では仕方がないで
 すね。途中まではエイシンサンサンとファッションショーの先行馬２頭でこのまま決ま
 れば、という皮算用もしていましたが、そんなセコい考えもエアグルーヴの素晴らしい
 走りの前にすべて打ち砕かれてしまいました。

   第５０回  鳴 尾 記 念（Ｇ�U）予 想

    昔、中国大陸で軍師、策士の類いが縦横無尽に活躍していた三国志の時代に、かの劉備
  玄徳と呂布を同時に攻略するため曹操が用いた「両虎競食の計」という策略があります。
  それは二匹の猛虎がいた場合、この二虎を互いに争わせ、それぞれ弱ったところを見計ら
  い、その二虎の皮を獲てしまうという、戦国の世では有効な手段として繰り返し用いられ
  てきた策略でした。もちろん競馬界でも、あるレースに２頭の有力馬が出走してきた場合、
  これら２頭の馬を互いに牽制させ、その隙を見て勝利をものにするという、きわめて有効
  的な作戦であることも確かだと思っています。
    さてそこで今週、この鳴尾記念で本命にする馬ですが、ここは前走Ｇ�Uの金鯱賞を快勝
  したゼネラリストを指名しました。もちろんこの馬は前々走休み明けのオーストラリア
  Ｔで、１分５７秒５という驚異の日本レコードを樹立したわけですが、この時は京都競馬
  場が高速コースということもあり多少フロック視されることもありました。しかしその後
  やや時計のかかる中京コースの２０００�bでも結果を出したということで、いよいよこの
  馬の潜在的な素質が開花し、本格化したと評価のできる内容だったと思います。当然今回
  は宝塚記念に向けて試金石となる重要なレースでもあり、この馬にとっても更なるステッ
  プアップのためには、どうしても落とせない一戦だと思っています。
    そして対抗にする馬ですが、ここはやはり昨年のジャパンカップ１３着以来約半年ぶり
  の出走となるバブルガムフェローをピックアップしました。もちろん長期の休み明けの
  一戦ということで、不安な面も多分に含んでいるとは思いますが、何しろ昨年の秋の天皇
  賞で、あのマヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデーの超強力メンバーを
  撃破した実力は並大抵のものではなく、とても休み明けでも軽視できる馬ではないと評価
  しています。今回は不安な点には目をつぶり、この馬の持っている可能性に期待したいと
  思っています。
    また３番手には、前走香港に遠征して惜しくも８着と敗れたダンスパートナーを指名
  しました。このクイーンエリザベス�UＣに敗れた要因は、出遅れが後々まで響いたという
  ことですが、国内のレースで、今回のようなメンバーなら上位に来る実力は十分に備えて
  いると思っています。問題は体調面だけだと思いますが、鞍上も河内騎手に乗り替わりと
  いうことで、やはり要注意の一頭には間違いないと思っています。
    最後に「両虎強食の計」で失敗した曹操は、次なる「駆虎呑狼（くこどんろう）の計」
  という策略で劉備玄徳らを攻略するわけですが、この策は、豹に向かって虎をけしかけ、
  虎の穴が手薄になったところを、狼が狙うというもので、競馬界でも重賞レースに実力馬
  が集まったのを見計らって、その時ちょうど手薄となった裏開催のレースに突如出走させ
  勝利をものにする場合とよく似ています。特に夏場にはよく見かけることがあるで注意が
  必要かもしれません。

 第５０回  鳴 尾 記 念（Ｇ�U）枠 順 確 定

【６月１５日 芝２０００�b ４歳上オープン別定 阪神】

【本線】�D−�I、�D−�N、�I−�N
【中穴】�D−�G、�C−�D、�D−�M
【大穴】�G−�I、�C−�I、�I−�M

【結果】
 １着 �Iバブルガムフェロー
 ２着 �Lトウカイタロー
 ３着 �Nダンスパートナー
 単�I ３３０円 複�I１８０円�L６４０円�N３２０円
 枠連６−７ ２６５０円 馬連�I−�L ４３５０円

 しかし、バブルガムフェローの強さだけが目立った一戦でしたね。本当に昨年のジャパ
 ンカップ以来の出走で、５９�`の斤量、しかも当日の馬体重が−１４�`ということで、
 とりあえず対抗の印は付けていましたが、レース直前はこれは負けても仕方が無いと思
 ってしまったほどでした。それにしてもこの馬は強いですね。特に直線に入ってから坂
 を駆け上がる時の瞬発力は、他馬とはまったく次元の違うものでした。改めてこの馬の
 潜在能力の高さというものを実感しています。２着に粘ったトウカイタローもスタート
 してからすぐに先頭に立ち、前半１０００�bが６１．２秒というマイペースの流れで、
 持ち味を生かした感じがします。３着のダンスパートナーもよく追い込んできたとは思
 いますが、やはり多少馬体が重かったような気がします。あとケリソンの落馬は、大変
 残念でしたが、レースの展開上でもカラ馬の影響がかなり出てしまったことは確かだと
 思います。今回馬券の方は、本命におしたゼネラリストが馬群に沈み、２着のトウカイ
 タローもまったくのノーマークだったために完敗という結果でした。

   第４７回  安 田 記 念（Ｇ�T）予 想

    かつて戦国時代の名のある武将たちは、皆ここぞという戦いを確実にものにして、その
  勢力を他国へと伸ばしていったわけですが、実際には知略、諜略の限りを尽くし、必ず勝
  てると踏んだ時にしか軍勢を動かさないというのが、名将としての最良の選択だったと聞
  いています。今週から函館で始まる新馬戦でも、管理している自厩舎の３歳馬にどのよう
  な初陣を飾らせるか、これも戦国時代の武将と同じく調教師の腕の見せ所といった感じが
  しています。
    そして今週は、東京開催のラストを飾る安田記念ということで、今年も素晴らしい白熱
  した一戦になることを期待しています。もちろん東京コースの１６００�bという距離は、
  スピード競馬＋スタミナ競馬の微妙なバランス感覚を必要とするコースで、このレースの
  勝ち馬こそ真のマイル王という感じがしています。
    そこで今回本命にする馬だが、前走６ヵ月ぶりの京王杯ＳＣを１分２０秒５のレコード
  タイムで圧勝したタイキブリザードを指名しました。もちろんこの安田記念は、９５年
  が３着、９６年が２着と惜敗が続いてきたわけですが、やはり原因は大型馬ゆえにゴール
  前での切れる脚が使えず、僅差で苦杯をなめてきたという感じだったと思います。ただ、
  この馬に先着してきた馬が、ハートレイク、サクラチトセオー、トロットサンダーという
  希代の名マイラーだったことからも、むしろこれらの馬と互角に戦ってきたことを大いに
  評価すべきではないかと思っています。今回も重心の低い重戦車のようなフォームで府中
  の坂を真っ先に駆け上ってくること期待しています。
    そして対抗は、同じタイキの馬で前走京王杯ＳＣ４着のタイキフォーチュンをピック
  アップしました。もちろんこの馬は昨年のＮＨＫマイルＣの勝ち馬で、その後の活躍も期
  待されていましたが、昨秋は残念ながらいまいちの成績が続いてしまいました。しかし、
  前走で見せた上がり３ハロン３３秒５という末脚は、十分に復活の兆しを感じさせる内容
  だったと思います。もちろん４歳時にあのオグリキャップのレコードに、コンマ２秒と迫
  ったこの馬のマイル適性は、とても軽視できるものではないと考えています。
    また３番手には、古馬相手にどれだけの競馬ができるのか不安な面もありますが、ここ
  は天性の能力に期待して４歳馬スピードワールドを指名しました。もちろんこの時期の
  古馬と４歳馬との差は、斤量の４�`のハンデでも埋められるものではないと思いますが、
  上位に食い込むだけの実力は十分に備えていると評価しています。問題は順調さを欠いた
  ３ヵ月ぶりの出走ということですが、とりあえず今回は先物買いという考えで▲という印
  をつけてみました。
    最後に、あの徳川家康がまだ若かりし頃、三方ヶ原の戦いで武田信玄の軍に壊滅的な打
  撃を受けた際、すぐにその時の負けた姿を絵師に描かせて、以後その自画像を自分自身に
  対する戒めとしたことは有名ですが、われわれも馬券で大負けした時は、この時の家康の
  行動をぜひ見習いたいものですね。まあとても無理だとは思いますが・・・・・・。

 第４７回  安 田 記 念（Ｇ�T）枠 順 確 定

【６月８日 芝１６００�b ４歳上オープン定量 東京】

【本線】�G−�I、�F−�I、�F−�G
【中穴】�H−�I、�I−�O、�D−�I
【大穴】�B−�I、�I−�K、�G−�H

【結果】
 １着 �Iタイキブリザード
 ２着 �Oジェニュイン
 ３着 �Fスピードワールド
 単�I ２３０円 複�I１２０円�O２６０円�F２３０円
 枠連５−８ ８７０円 馬連�I−�O １３６０円

 それにしてもタイキブリザードは、よくあそこから来ましたね。坂を上がってもまだ馬
 群の中ほどにいたので、これはジェニュインの勝春にやられたかな、と一瞬思ってしま
 いました。しかしラスト１ハロンの末脚は、さすがと言うしかないですね。今秋は再び
 米ブリーダーズカップへの挑戦プランもあるそうなので、ぜひ今度は頑張ってもらいた
 いと思っています。２着のジェニュインは有馬記念以来の６ヵ月半ぶりの出走でしたが
 馬体重が−１２�`ということで完全に仕上がっていましたね。松山調教師もレース前か
 ら強気のコメントを出していたようで、やはりさすがはＧ�T２勝馬という内容だったと
 思います。そしてこのレースで一番驚いたのは、やはり何と言ってもスピードワールド
 の３着ではないかと思っています。自分自身もとりあえず▲の印は付けていましたが、
 ４コーナーを回った時点で１５番手という位置取り。そこから出走馬中最高の３４秒３
 という末脚で突っ込んできたこの馬の能力は、今後計り知れない可能性を含んでいると
 評価しています。もちろん無事に成長していけば秋のマイル戦では、当然主役クラスの
 一頭として出走してくることは間違いないはずで、この馬にはさらに上のレベルの海外
 遠征なども期待できると思っています。馬券の方は、とりあえず的中しましたが、今回
 もほとんど儲けはありませんでした。

 ※お願い。結果欄の配当金と連勝番号は、念のため日本中央競馬会
   発表の成績表と照合して下さい。

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